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ゴルフ場の支配人が大型芝刈り機の下敷きになって犠牲に… オープン前のゴルフ場で起きた悲惨な事故を振り返る

 今回紹介するのは、ゆっくりするところさんが投稿した『【2017年兵庫】ゴルフ場の芝刈り機に轢かれていた支配人・・・なぜ一人で無理して修理をしていた?【ゆっくりするところ】』という動画。
 以前、兵庫県のゴルフ場で起きた大型芝刈り機の事故を振り返ります。

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どこにでもある芝刈り機でまさかの事故

魔理沙:
 今回紹介するのは、「芝刈り機」についての事例だ。

霊夢:
 芝刈り機か。知ってはいるけど、実際には見たことない機械ね。

魔理沙:
 芝生があるような大きな施設じゃないと、あまり見かけないかもしれないな。芝刈り機は、柴の丈を刈る機械の総称で、手動、電動、エンジン式のもの、人が乗り込むような大型のものから、人か手で押して使用するものまで、実に様々なものがある。
 その中でも、今回の事例で使用していたのは、中型で人が乗り込む、刈り刃が自動で回転するタイプだ。

事故が起きたのは兵庫県のゴルフ場

魔理沙:
 それでは早速本題に入るぜ。我が国の近畿地方、西端に位置する兵庫県。県庁所在地である神戸市は、山に囲まれた国際的な港町であり、大阪と京都の西に位置している。

 神戸市の港では、古くからの外国のやり取りが盛んであり、現在でも残されている「異人館」では、かつて来日した外国人たちの居留地の面影を残す、歴史的建造物の数々が保存されており、まるでヨーロッパに来たかのような雰囲気がある場所で、観光地としても非常に人気のある場所だ。

霊夢:
 へえー、やっぱり外国と密接な関係があった場所って、こういう物が残されているものなのね。行ってみたいな。

魔理沙:
 さて、そんなここ兵庫某所には、開場予定のゴルフ場があった。約半年後に会場を控えていたこの施設では、支配人となる予定の、開設準備室長「Aさん」をはじめ、管理課長や人材センターからの派遣作業員、約10名でコースの芝刈りなどを行っていた。

霊夢:
 ゴルフ場だったら芝刈り機がありそうね。

魔理沙:
 この日の午前8時ごろ。ゴルフ場に集合した作業員たちは、今日行う作業の内容を確認し、約5分のミーティングの後、さっそくそれぞれが芝刈り機に搭乗して、各担当コースの芝刈りを開始した。

霊夢:
 乗るタイプだったの?

魔理沙:
 ああ、現場で使用されていたのは、ガソリンで動く搭乗式の芝刈り機と、刈り払い機で、コースの芝生、そしてその周辺の雑草などを刈る作業を行った。

霊夢:
 業務用だとさすがに大きいわね。

魔理沙:
 この作業を始めて数時間後、午前11時50分ごろ。昼休みも間近というこの時間に、Aさんは8番ホールで芝刈り作業を行っていたが、乗っていた芝刈り機が動かなくなってしまい、困っていたところ、そこに整備要員の女性が軽トラックで近づいてきた。

 この女性は、人材センターから派遣されていた「Bさん」。彼女はAさんと言葉を交わし、「一旦詰め所に戻りますか?」と話したが、Aさんは「いや、もう少し芝刈り機の様子を見てみる。あとでガソリンを持ってきてくれ」と答え、Bさんは1人で詰め所に戻り、Aさんは芝刈り機の修理を試みた。

霊夢:
 もう昼休みなのに、熱心な人ね。

魔理沙:
 Bさんは、以前も調子の悪い芝刈り機を修理していたAさんの姿を目撃していたので、特に気にすることもなく、詰め所に戻り、昼食を取りに行った。
 一方、Aさんはこの時、8番ホールから9番ホールに至る、S字カーブを下がりきったところで停止している。芝刈機に取り付けられた刈り取り部分に、上半身を潜り込ませ、手作業で整備を行っていた。

霊夢:
 う、イヤな予感……。

魔理沙:
 しかし、それからしばらくしても、Aさんは詰め所に戻ってこなかった。詰め所にいた管理課長は「誰かAさんを見なかったか?」と作業員たちに尋ね、Bさんから先ほどAさんが芝刈り機の修理を行っていたことを知ると、課長はBさんを連れて、軽トラで9番ホールへと向かった。
 すると、ティーグラウンド付近でAさんのものとみられる芝刈り機を発見。その近くに停車し、様子を見に行ったが、近付くにつれて課長は異変に気が付いた。

霊夢:
 い、異変……。

魔理沙:
 ああ、芝刈機の下にAさんが来ていた水色の作業着のズボンが見えていたんだが、なんと、Aさんは芝刈機の下敷きとなり、首の骨を折る重傷を負って、意識不明の重体に陥っていたんだ。

霊夢:
 イヤアアアアアアア!

魔理沙:
 管理課長は詰め所にいた作業員らを呼び、芝刈り機を全員で持ち上げて、意識のないAさんを救出。消防に通報し、ほどなくして現場に救急車が到着。Aさんは近くの病院に緊急搬送されたが、頸椎損傷などですでに絶命していた。

事故当時の状況

霊夢:
 どうしてそんなことに?

魔理沙:
 その後、原因の調査が行われた。しかし、被災当時に目撃者が誰もいなかったため、はっきりとした原因は不明。原因は推測するしかなかった。Aさんはおそらく、燃料切れを起こしていた芝刈り機を、コース内の下りになっていたカート道路を利用して、手で押しながら管理事務所近くまで移動させていた。

 しかし、スピードが出てきたので、途中で運転席に搭乗したところ、S字カーブでスピードが出すぎてしまい、曲がり切れずに転倒。Aさんは運転席から前方に放り出され、その時に頸部(けいぶ)から地面に叩きつけられ、首を骨折。その直後、芝刈り機が彼の頭に乗っていたと推定された。

霊夢:
 そ、そんなことが……。

魔理沙:
 Aさんはこのゴルフ場の総責任者であったが、日ごろから手が空いたときには自ら芝刈り機を運転し、作業を行っていた。しかし、この日運転していた芝刈り機は、彼が普段から使用していたものではなく、1ヶ月ほど前に搬入されたばかりの大型のもので、グリーン整備専用の新車だった。

 この車は、コントロールペダルをつま先側に踏み込むと前進し、かかと側に踏むと後進、そしてペダルを離すと中立となる仕組みのもので、約500㎏以上の重量があるものだったが、Aさんはその運転に十分習熟してはいなかった。

霊夢:
 まだよくわかってない新しい車だったんだ……。

魔理沙:
 それに、Aさんはこの日、ほかの作業員たちよりも遅れて出勤し、朝のミーティングには参加しておらず、事務所で書類整理を行った後、午前11時頃から芝刈り機を運転し、作業に取り掛かったものだと推定されている。

霊夢:
 じゃあAさんがあそこで芝刈りしていたのも、Bさん以外知らなかったんだ。

魔理沙:
 ああ。作業開始前に作業内容や計画、配置人員などについての計画を明確にすることなく、作業を行わせていて、自らの作業計画もほかの作業員などに知らせていなかった。
 また、機械を運転する前のチェック作業、燃料の確認、エンジン、ブレーキなどの機能確認も行っていなかったと考えられている。

霊夢:
 そういうことだったんだ……。

事故再発防止のために

魔理沙:
 同種の災害防止のためには、次のような対策が必要だった。まず、どんな作業員であっても、その日行う作業計画を明確に示しておくこと。完成したゴルフ場においては、コース整備のため、乗用式の草刈り機、土砂などの運搬トラック、整備要員用のトラックなどが多く使用されており、河川敷のコースを除いて、コース内の道路、グリーンの周りには、かなりのアップダウンがあり、車両の運行中に、転落などの災害が発生することも少なくない。

 そのため、作業責任者は、その日の作業開始前ミーティングで、当日の作業場所、人員数、使用する機械などを含む、作業計画、手順を全員に明確に示すことが必要だった。作業に伴い想定される、危険有害要因と、事故の種類などについても、あらかじめKY活動などで確認し、予防対策を指示するべきであった。それに、使用する車両についての理解、技能向上を図ることも大切だった。

 芝刈機は一般の車両に比べて走行速度はそれほど速くないが、コース内の走行道路の幅は狭く、起伏やカーブが多いため、転倒しやすいものでもあった。

霊夢:
 確かに、ゴルフコースって凸凹してるし、道もクネってるもんね。

魔理沙:
 そのため、車両を使用して作用を実施する者に対しては、あらかじめ十分な教育・訓練を行い、定期的に運転機能を確認し、必要に応じて追加教育訓練を実施すること。こういったゴルフ場のような、広大な敷地での整備作用は、作業員同士が離れ、単独で行うことが少なくないので、あらかじめ作業者間の連絡のため、無線や携帯などを利用し、密に連絡を取ることも大事だったが、この現場ではそれが行われていなかった。

霊夢:
 うぅ……今から考えると、いろいろ不十分な部分があったのね。

魔理沙:
 きっとAさんも、自分では慣れているつもりだったのかもしれないが、新しい芝刈り機の重さや操作性などがまだ十分に分かっていなかっただろうしな……それにやはり、こういった単独で行う作業では、トラブルが起きたら必ず他の作業員と連携して行動する必要があっただろう。

霊夢:
 一人だと、事故にあっちゃったらどうしようもないもんね……。

魔理沙:
 仕事前の朝礼、KY活動、連絡などの重要性がよくわかる事例だったな。

 

 解説をノーカットで聞きたい方はぜひ動画を視聴してみてください。


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【2017年兵庫】ゴルフ場の芝刈り機に轢かれていた支配人・・・なぜ一人で無理して修理をしていた?【ゆっくりするところ】

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