加工肉を鮮やかに仕上げる発色剤「亜硝酸ナトリウム」の効果は? 使用の有無で、2種類のコンビーフを作って検証してみた
今回紹介したいのは、ニコニコ動画に投稿された『【劇薬コンビーフ】発色剤使ったら肉はどうなる?検証してみた』というホルモンしま田さんの動画です。
投稿者メッセージ(動画説明文より)
みなさんはハムやベーコン、コンビーフなどのいわゆる加工肉はお好きですか? めちゃめちゃ美味しいですよね! そんな市販で売られている加工肉にほぼほぼと言って入っている添加物が、発色剤です! 正式名は亜硝酸ナトリウムです! 今回はこの添加物を入れるメリットとデメリットをご紹介します! それでは早速やっていきましょう!
投稿者のホルモンしま田さんが、牛モモ肉を使ってコンビーフを作ります。
家で塩やスパイスで作ると、どうしても美味しそうな色になりません。そこで今回は肉の発色剤として使われる「亜硝酸ナトリウム」を用意しました。
こちらはプラハパウダーと呼ばれる、亜硝酸ナトリウムと塩を安全なレベルでブレンドしたもの。亜硝酸ナトリウムは致死量2gの劇薬のため、通常の塩と間違えることが無いようこんな鮮やかなピンク色をしているそうです。
なぜこのように危険な物が食品に使われるかというと、ボツリヌス菌をはじめとする微生物の増殖を抑制したり、脂質が酸化して匂いが悪くなるのを抑えたり、肉特有の獣臭さを消して塩漬特有のフレーバーを加えるなどの効果があるからです。
添加物の話をすると「体に悪い」という意見が出ますし、ホルモンしまださんもそれは否定しないそう。無理に取る必要はないと。ただ、ボツリヌス菌は絶対嫌気性細菌で120度の温度でも死滅しないこともある厄介な細菌です。そのため、安全面のメリットが大きいと判断されて添加物として認められているわけですね。
また、そもそもヨーロッパにおいて食肉の加工には岩塩が使用されていました。この岩塩の不純物には亜硝酸ナトリウムが含まれているため、同じような効果があるとのことです。
今回はそんな亜硝酸ナトリウムを使用したコンビーフと、使用しないコンビーフでどのような違いがあるかを検証します。
まずはスパイスを炒ったり潰したりしてピクルススパイス作り。塩と砂糖と共に水に加えてひと煮立ちさせます。
同じ分量に亜硝酸ナトリウムを入れたバージョンも作りました。
できたピックル液に生のモモ肉を入れて1週間漬け込んでおいたところ、亜硝酸ナトリウム無しのものは茶色く変色しましたが、入れたものはところどころピンク色が残っています。
表面も断面も亜硝酸ナトリウムを加えたものがややピンク色を帯びていますね。ただ、違いはごくわずかです。
玉ネギやセロリとピクルススパイスと共に煮込んでコンビーフの出来上がり。同じ工程で亜硝酸ナトリウムを添加したものとしていないものを作りました。右が添加したものです。
まずは添加していないものをカット。濃い茶色のお肉はボロボロと崩れ、単に茹でた肉という印象でした。そこまで美味しそうではありません。
そして亜硝酸ナトリウムを添加したものは柔らかな肉質でありながらしっかりと形を保ち、中は鮮やかな色です。ここまで違いが出るとは思っていなかったと、料理したホルモンしまださんも驚いてます。「正直こっちのほうが美味しそうに見えますね」とのこと。
この現象は亜硝酸ナトリウムから生じた一酸化窒素と食肉中のミオグロビンが結合して起きるそうです。
箸が触れただけでほぐれていく亜硝酸ナトリウム無しのコンビーフと、水分が保たれてしっとりした亜硝酸ナトリウム有りのコンビーフ。
食べてみると亜硝酸ナトリウムを加えた肉のほうが風味があり、噛んでいてより味を感じるそうです。
最後はコンビーフを使って、美味しそうなサンドイッチを作ったホルモンしまださん。「すげえ」「劇薬も使いようなんだな」「こんなに変わるんだ」などの声を集めた今回の検証。
加工肉の添加物について、「食べたければ食べればいいし、食べたくなければ食べなければいい」とホルモンしまださん。ただ、原材料名にごちゃごちゃと食品添加物が並んでいるものより、シンプルな物のほうが安心感はありそうと感じてはいるそう。今はそれぞれが選べる選択肢が沢山ある。それこそが大事ではないかということでした。
はっきりと違いの出た今回の検証。ホルモンしまださんによる亜硝酸ナトリウムについての解説の詳細に興味を持たれた方はぜひ動画をご覧ください。岩塩のくだりなど、とても興味深いです。
視聴者のコメント
・全然違うやん!
・なるほど
・大地ってすげーなあ
・わあ!きれい
・こりゃ使いますわ〜
・ここまでくると違いがハッキリ
▼動画はこちらから視聴できます▼
『【劇薬コンビーフ】発色剤使ったら肉はどうなる?検証してみた』
https://www.nicovideo.jp/watch/sm42839825
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