『森脇健児』が芸能界から干された理由がツライ。12本あったレギュラーが突然0本に……
芸能界の神様を微笑ませた「死ぬほどの努力」
森脇:
でもこの世界ってそんなもん。仕事がなくなったときほど、ピンチがチャンスですよ。
そのときに僕はずっと走り込んでいた。そうしたら、突然オールスター感謝祭に声をかけていただいた。そこで走って優勝した。
森脇:
「あの心臓破りの坂の向こうに自分の芸能界で生きていく道がある」と勝手に根拠のない自信を持っていた。
ずっと地獄の走り込みの練習を続けていたら、東京マラソンがはじまって、大阪マラソンがはじまって、呼ばれるようになった。
陸上で高校の後輩の桐生祥秀くんが9秒台出すとか、今度は東京オリンピックがあるとか。もう「仕事お待ちしてます!」みたいになるんですよ(笑)。
やまだ:
やった!
森脇:
これは「今からはじめました」って言っても、なかなかできないことだからね。
やまだ:
にわかじゃできないですからね。でもよく潰れなかったですね。
森脇:
好きやし、これ以外のことができなかったからね。
やまだ:
すごいです。僕は長距離なんて意味がわからない。辛いだけだし。あの先になにがあるんですか。
佐々木:
孤独だし。
森脇:
ゴールの向こうに新たな自分と出会えるんよ。
やまだ:
なんですか、そんな「うまく言ったやろ」みたいな顔(笑)。
森脇:
しんどいことや、きついことをやっても芸能界の神様は微笑んでくれへんからね。それでやっと「微笑んでくれるかな?」程度。死ぬほどの努力が必要とは思うよね。
再ブレイクのきっかけを作ったのは後輩芸人たち
やまだ:
最近では「再ブレイク」と言われていますが、やはりきっかけはマラソンですか。
森脇:
走りもそうだけど、あとはやはり後輩たちですね。テレビとかラジオを見たり聞いたりしていると、僕のことをしゃべってくれている。
テレビでもワイプで僕の写真が出てくるの。安田大サーカスの団長が僕のモノマネをしてくれたりね。僕のイメージが独り歩きしはじめたんですよね。
やまだ:
僕らの世代はそのインパクトがあったから、いろいろなところでトークネタで使われるようになったんじゃないですかね。
森脇:
その中にも「あの人はどうして走り続けているんだろう」という疑問もあったんだと思いますよ。
やまだ:
誰に頼まれているわけでもないのに、どうしたんだろうと思ったんでしょうね。
「芸能界が変わった」「テレビの時代が変わった」と言われることが多い最近ですが、今の芸能界はどんなイメージですか。
森脇:
ありがたいことに僕が消えていた間の15年間で、20代のころ一緒にやっていた仲間たちが今は大スターになっていたりするんですよ。
バカルディ、今はさまぁ~ずになっていますが、あとはバナナマンとか、ピコ太郎も昔一緒にやっていたんですよ。TKOとかナインティナインとかも親交があった。
そういう人たちが今やスターになっているから、ものすごく現場がやりやすいですね。
やまだ:
居心地がいいんですね。
森脇:
そうですね。やっぱり後輩やスタッフは大事にしとかなあかんと思った。
芸能界も人生もそうやねんけど、人に勝つんじゃなくて、人に好かれなあかん。人に好かれていたら、いつかどこかでその人たちが押し上げてくれるねん。後輩たちが押し上げてくれるねん。
そのうち先輩たちは死んでいきはるからね(笑)。
やまだ:
死ぬのは年齢の順番ですからね(笑)。