「痴漢冤罪から身を守る方法」を痴漢対策に強い弁護士に聞いてみたところ結局は「満員電車には乗らない」が唯一の正解だった件
やってはいけない痴漢に間違われる行為
高田:
ジロジロ見たりするのは、これは痴漢になるんですか。
田畠:
人を著しく羞恥させて不安にさせるような行為が痴漢に当たります。今の行為は客観的に見ると気持ち悪いけれど卑猥かわからない。
大島:
たとえば見ながら自分の性器を触る行為はどうなんでしょうか。前に駅のホームから女子高生を見ながら乳首を触っていた男性がいるとニュースになっていましたが……。
田畠:
そうですね、自分の感じる部分を触るということで一気に卑猥になってきますので、痴漢になりますね。
高田:
電車の揺れにあわせて背中を合わせる。これはどうなるのでしょうか。
田畠:
自分からあえて接触に行った場合は卑猥だと認められます。本当に密着したぎゅうぎゅうの電車であれば仕方ないのですが、そこでもお尻とお尻を合わせてグリグリ動かし始めるとアウトですね。
高田:
次はバッグを前に抱えて大島さんに体を寄せていったらどうなるのかを見てみようと思います。
高田:
結構この光景は見かけますが、どうなのでしょうか。
田畠:
よく電車のアナウンスで「ほかのお客様に迷惑がかかりますのでリュックは前で抱えましょう」と言われることがあるのですが、これは万全ではないです。実際の案件でも「私は前でカバンを抱えていたので触っていません」という主張に対して裁判所が「片手で支えていたでしょう」「もう片方の手は触れたんじゃないですか」と言われて有罪になったケースがありました。
高田:
え~! じゃ逆に危ない可能性もあるんですね。続いてもよくあるパターンです。バンザイ。両手を上にあげちゃうパターンです。
田畠:
両手をバンザイをするのは安全ではないかと言えますが、股間をこすりつけるのも痴漢になりうるということで、女性の方を向いてバンザイをすると安全ではないですね。
痴漢に間違われたときの正しい対処法
高田:
ではここからは「痴漢だ」と言われたらどうすればいいのかを実演を交えながら先生に聞いていこうと思います。
~~実演開始~~
むらまこ:
ちょっと! 痴漢でしょ!
愛の戦士:
え? なんですか! してないですよ!
~~実演終了~~
高田:
これはどうすればいいんですか。
田畠:
まず「すみません」と言わないことですよね。「なんですか」と返事したのはいい反応です。やっていないからこそ出る反応です。それに加えて、たとえば「こういう態勢だったからできない」とか「スマホでゲームをやっていたので、できないはずです」という説明をするのがいいと思います。それを大きい声で言うのがいいと思います。あとで説明しやすくなります。
あとは「やっていません。この場でやりとりをするのは本意ではありませんが……」という、やりとりをボイスメモなどで録音しておくのも、自分の身を守る材料になるかもしれません。
高田:
次は痴漢を捕まえた女性が離さない。この場合はどうしたらいいんでしょうか。
田畠:
立ち去ることができるのであれば、やはり立ち去るのがベストです。私の見解ではありますが、現行犯逮捕になってしまったり、駅員室に行って身柄を拘束されると、それを回復するのが大変です。正々堂々と立ち去れるのなら、それがベストです。「やっていません」とちゃんと言うとか、名刺を渡して否定して立ち去ることができればベストですよね。
高田:
たとえば振り切って逃げるときに、女性がコケちゃったりしたらもっと罪が重くなったりするんですか。
田畠:
過去の判例だと、女性の手を振り切って逃げようとしたところ、女性の手が骨折してしまった。これは強制わいせつ致傷という罪になってしまいます。無期または3年以上の懲役です。
高田:
この方はどうなったんですか。
田畠:
3年の実刑です。別の罪にもなってくる可能性があるので、やめたほうがいいと思います。
警察に捕まってしまったときの弁護士費用
高田:
警察に捕まった場合、完全に黙秘するのはありですか。
田畠:
やってないということを説明することはあるでしょうけれど、それ以上の説明は弁護士を呼べという形の黙秘はありだと思います。話をして、その場で警察がわかってくれば対応や処置が変わってくるかもしれませんが、弁護士を呼べば当日か次の日の朝昼には来てくれるのが普通なので、その間は黙っておいたほうがいいというのはあるかもしれません。私だったら弁護士を待つというのがベストかと思います。
高田:
警察ってどういうふうに詰めてくるんですかね。恫喝とか……。
田畠:
ニュースを見ると、恫喝というのは結構ありますね。
高田:
弁護士を呼ぶとお金がかかる印象がありますが、どのくらいが相場なんですか。
田畠:
参考までですが、着手金で30~50万、成功報酬で30~50万くらいですね。あとは身柄拘束を開放するとか、保釈をする場合はいくらですよというのがあって、それくらいはかかってきますね。
大島:
痴漢保険が欲しいです!
高田:
最近はそういうのも出来ているみたいですよ。それか、冤罪の場合に女性に弁護士費用を求めるのは難しいのでしょうか。
田畠:
一般的には難しいでしょうね。女性側がわざと金をとろうと画策したということが立証できれば可能ですが、そこの立証は大変です。
高田:
もう仕方がないと思って払って、やってないことを証明するしかないですね。ということで、きょうは田畠弁護士をお迎えし、いろいろとお話を伺ってきましたが、こちらはあくまでも個人的な見解ということで、弁護士の公式の見解ではないということをみなさんにご理解いただけたらと思います。さて、最後に痴漢をなくすために何か方法などあるのでしょうか。個人的には男性専用車両とか欲しいですよね。
大島:
国が動いて、全員が座席に座れるようにするとか。痴漢冤罪になってしまった男性は悲劇だと思うんですが、そういうことがあるからということで、女性側も言えないような空気になるのはおかしいと思うので、お互いに尊重しあいながらこの問題に取り組んでいただけたらいいなと思います。
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