伝説のスナイパー“白い死神”シモ・ヘイヘのありえない武勇伝 スコープなしの狙撃で542人のソ連軍を葬った男の正体
今回紹介するのは、いつかやる社長さんが投稿した『【ゆっくり解説】世界の奇人・変人・偉人紹介【シモヘイヘ&白い死神】』という動画です。
音声読み上げソフトを使用して、ユスタとベルサのふたりのキャラクターが、白い死神と呼ばれた“シモ・ヘイヘ”について解説を行います。
「白い死神」と呼ばれた“シモ・ヘイヘ”――もう一つの「白い死神」とは?
ユスタ:
まず彼を一言で言うなら、白い死神筆頭という所ね。ベルサ:
凄いスナイパーなんだよね。ユスタ:
そうよ。そんなヘイヘは1905年フィンランドのラウトヤルヴィという町で生まれるわ。20歳で民兵組織に加入するまでは、腕の良い猟師として生活していたわ。このヘイヘが有名になったのは、1939年に起きた冬戦争という戦争で活躍したからね。ソ連がフィンランドを侵略するために起こした戦争よ。ベルサ:
起こした? どういうこと?ユスタ:
ソ連は戦争の大義名分を作るために自分の軍に砲撃、多くのソ連兵を殺し、それをフィンランドのせいにして戦争を起こしたの。ベルサ:
うわぁ。ユスタ:
そんな戦争に参加したシモ・ヘイヘは、後にコッラ川で伝説となるのだけど、実はこの冬戦争には、もう一つの白い死神がいたの。それはフィンランドそのものだった。
ソ連が戦争を起こしたきっかけに「あの国いっつも侵略してんな」「流石スターリン閣下」といったコメントが寄せられました。
フィンランドがソ連相手に撤退を繰り返した本当の理由
ユスタ:
この戦争でフィンランドは国の全てを使い、ソ連に猛威を振るったの。そして凄まじい戦力差のソ連と渡り合ったのよ。ベルサ:
どのくらいの戦力差があったの?ユスタ:
ソ連はこの戦争に兵士を45万人、戦車2380輌、航空機670機を動員させていた。一方フィンランドは兵16万人、戦車30輌、航空機130機しか出せなかった。ベルサ:
どう見ても負けです。本当にありがとうございました。ユスタ:
そう、普通に戦えば結果は火を見るより明らか。しかし、この戦争にはある最強の指揮官がいたの。フィンランドを白い死神に変え、ヘイヘ以上に敵から恐れられた人物。それが、フィンランド軍最高司令官、カール・グスタフ・エミール・マンネルヘイム将軍よ。
ユスタ:
このマンネルヘイムは日露戦争、第一次世界大戦、フィンランド内戦と多くの戦場で戦ってきた歴戦の軍人よ。その強さは尋常じゃなかった。
ユスタ:
そして1939年11月30日、ソ連からの空爆をきっかけにフィンランドで冬戦争が始まった。当初フィンランド側はソ連の攻撃に対して反撃せず、撤退を繰り返すの。これによりソ連はフィンランド内を次々に落としていく。ベルサ:
これだけの差があれば仕方ないよね。ユスタ:
力の差もあったのだけど、それ以上にあるものを待っていたの。そのために出来るだけ兵力を温存し、わざと敵を進ませていたのよ。そして戦闘開始から数日たった12月5日、その時はやってきた。
フィンランドを「白い死神」に変えたマンネルヘイム将軍について、コメント欄では「超英雄」「フィンランド人の最も敬愛する人物」「軍人としてだけじゃなく政治家としてもクッソ有能」と大絶賛でした。
マイナス45度の大寒波。フィンランドの自然に殺されたソ連兵たち
ユスタ:
大寒波と共に雪が降ってきたの。これこそがフィンランドの待ち望んでいた物だったの。そしてこの雪があたり一面を白に染め上げた時、ソ連兵の視界からフィンランド軍が消えた。そしてソ連軍の悪夢が始まった。ベルサ:
待ってよ! なんで消えたの?
ユスタ:
そして、文字通り雪に溶け込み、敵が来るのを待ったのよ。敵を見つければすかさず攻撃、離脱を繰り返した。ソ連軍から見れば一面真っ白な世界から突如として狙撃や砲撃が飛んできたの。気づかないうちに次々に仲間が死んでいった。ソ連軍はきっと思ったでしょう。ベルサ:
白い死神……。ユスタ:
もちろん、反撃しようとしたのだけど、寒波の影響で武器や戦車が思うように動かなかったの。フィンランドの寒波は気温をマイナス45度まで下げる。ソ連は、この戦争は数日で終わると踏んでいたために兵や武器車輌の防寒を怠っていたの。国の中心で動けなくなったソ連軍に見えない敵は容赦なく襲いかかったのよ。
ベルサ:
でも、雪ならフィンランド軍も移動は遅くならなかったの?ユスタ:
フィンランド軍はちゃんと移動方法を見つけていたわ。フィンランドに住む者なら若い頃から必ずやっているものよ。
ベルサ:
なるほど! スキーなら早く動けるね!ユスタ:
そうして地の利を得たフィンランド軍は凄まじかった。スキー部隊の機動性を生かしてソ連軍を中央突破、包囲した事もあれば、350人で敵を翻弄し20000人の援護部隊を止めた事もあった。ベルサ:
ええー! 半端ねぇな!ユスタ:
更に速さを生かして行うモッティ戦術もソ連軍を苦しめたわ。
ユスタ:
包囲されたと勘違いしたソ連軍がバラバラになった所を各個撃破する戦術よ。勘違いしたソ連軍は攻撃を恐れて森の中に逃げるのだけど、これが最悪の選択だった。ベルサ:
え? なんで?
ユスタ:
土地勘もないソ連軍が進めるはずもないわ。補給も届かず、防寒もままならずのソ連兵、森に入った者はひたすら彷徨ったあげく疲労で動けなくなり、最後はフィンランドの寒さと自然に、ゆっくりと殺されていった。
フィンランドの気候を利用した作戦に倒れていったソ連軍に「ソ連の領地は基本的に平野だから…」「冷凍庫で働くけどマイナス25度くらいだぞ」といった同情するコメントが多く付きました。
「コッラーの奇跡」と呼ばれた冬戦争――シモ・ヘイヘの功績とは?
ユスタ:
更にフィンランド軍にはそんな寒さよりも敵を震え上がらせた者がいた。
ベルサ:
おお! 来たね!ユスタ:
ヘイヘの任務はコッラー川でソ連軍を迎え撃つ事だったの。だけど、フィンランド軍の人数はあまりにも少なかったわ。32人よ。ソ連軍はその何倍もいた。故にヘイヘ達は32人で4000人のソ連兵を相手にしなければいけなかったの。
ベルサ:
耐えられるの?ユスタ:
耐えるどころか終戦まで撤退し続けるわ。
たったの32人で4000人のソ連兵を相手にしなければいけなかったこに、「少ねえw」「何かの冗談?」「一学級くらいw」といったコメントが寄せられました。
ユスタ:
ソ連は数で攻め切ろうと人海戦術でヘイヘの守る丘に突撃。
ユスタ:
敵が戦車を出せば戦車長を射殺、戦車にお手製の火炎瓶を投げ破壊。
ユスタ:
倒したソ連兵の弾を奪おうと丘から降りたときには別のソ連兵が、狙われていると勘違いし、逃げ出した事もあった。そうして気がつけば、505人以上を射殺していたの。それだけでなくレンズの反射や猟師時代の姿勢が崩れるのを嫌い、銃にスコープを付けなかったそうよ。
ユスタ:
ヘイヘ達のいる丘に近づけば必ず殺された。あまりにも強固だった丘をソ連兵は「殺戮の丘」と呼び恐れたの。終戦間近にヘイヘは左顎に銃撃を受け、戦線を離脱するも残った防衛隊により終戦までコッラー川を防衛。ベルサ:
フィンランド軍バグってない?
ユスタ:
大軍を少数で守り切った事から後にコッラーの奇跡と呼ばれるようになるわ。そして1940年3月13日、征服されてもおかしくなかった状況からソ連と講話をするまでに至る。フィンランドは白い死神となって戦い、自由を守ったのよ。ヘイヘはこの戦争で5階級の特進をしたのだけど、その後、戦場に出ることはなく猟や猟犬の繁殖をして過ごし、2002年4月1日に亡くなったわ。3ヶ月ほどの活躍にも関わらず、彼の功績は何十年も語り続けられているのよ。
ベルサ:
強すぎw
「コッラーの奇跡」と呼ばれた冬戦争が圧倒的に不利な状況から、ソ連と講話をするまでに至ったことに、「講和だもんなすげぇわ」「この人いなかったらフィンランドの歴史変わってたんやろな・・・」といったコメントが寄せられました。
二人の解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください
『【ゆっくり解説】世界の奇人・変人・偉人紹介【シモヘイヘ&白い死神】』
―関連記事―