農業アイドルの自殺を受け「金目当てで事務所に売った」と母親を批判する声に吉田豪「地方アイドルは儲からないから金目当てはまずありえない」
愛媛県を拠点に活動するアイドルグループ「愛の葉Girls」のメンバーだった大本萌景さんが、今年3月に自宅で首を吊って自殺し、遺族は自殺の原因が所属事務所によるパワハラや過労で精神的に追い詰められたためだとして、代表取締役の佐々木貴浩氏らに約9300万円の損害賠償を求める訴訟を松山地裁に起こしたことが話題となっています。
上記について、久田将義氏と吉田豪氏がパーソナリティを務めるニコニコ生放送「タブーなワイドショー」にて、ゲストの戦慄かなの氏とともに言及。吉田氏は大本さんの母親から連絡があり、自分を責めている状態であることを明かし、一部から聞こえる「金目当てで事務所に売ったんだろう」という意見には「金目当てで売るというのが、まずありえないわけ」と反論しました。
萌景が亡くなってから今日初めて萌景の夢をやっと見れた…夢で逢ったら沢山抱きしめようと決めてたのに…夢の中の萌景は生きていたから普通にママとして萌景を保護者席から眺めていた…萌景の運動会を見てきました。ダンスを楽しそうに踊ってました。
— 3月に亡くなった元愛の葉girls大本萌景の母です。大本幸栄 (@eR7r0bxj9VABGtV) October 22, 2018
今日は萌景の17歳のお誕生日… pic.twitter.com/2JVF7mVwZv
次々と低賃金のケースが発覚した地方アイドル搾取の現実
吉田:
一応流れで説明すると、「一億円払え」とは事務所サイドは言っていないと反論はしている。ただのあまりにもそのペナルティが契約に並びすぎていて、「内情を外にバラしたら50万円だ」なんていうのが、その流れだったら言いそうだよねという状況ではある。
今この状態で「9300万円の損害賠償って、なぜ?」と一部で遺族叩きもはじまっていて、「金目当てか?」みたいな。この前、弁護士の人と話したんですけれど、損害賠償を9300万というのは全然高くない。普通もしくは安いぐらい。
そのへんの誤解も含めていろいろあるなと思いますけれど、相当来ているんですよ、DMが。
戦慄:
Twitterにリツイートが流れてくるんですけれど、豪さんの。本当かどうか分からないアイドルの話とか、バンバンリツイートされているから、利用されているんじゃないかって思って(笑)。
豪さんにリツイートされたいみたいな、これ見よがしにそういうのがあるから、なんかよく分かんなくなってきたけれど、だから豪さんは流し読みという感じだけれど、これは本当にさ、これが原因で自殺って分かっているの?
吉田:
タイミングはこれだ、ということですよね。
戦慄:
タイミング?
吉田:
学費の問題とかと、これがあった直後に亡くなっているということで、それまで「自殺」とかも検索もしていなくて。
戦慄:
え、親は把握していなかったんですか。自殺するまでこれを。
吉田:
結局、家族に言っちゃいけない。内部の話を外にしちゃいけないという契約があって。
戦慄:
え~、ブラックですね、めっちゃ。
吉田:
ブラックなんですよ。そこなんですよね。内情を外に漏らしちゃいけないという契約は、意外といろんな事務所にあって、確かに今後事務所で何かやっていこうというのを外に漏らされたら困るのは分かるけれど、そうじゃないことでおこっているケースが多いんですよね。
戦慄:
家族に言っても……。
吉田:
全然いいですよ。
戦慄:
16歳でしょう。何をするにも家族の同意が必要じゃんね?
吉田:
そうなんですよ。(戦慄さんは)地下アイドル活動とかもされていたわけじゃないですか。お金とかどんな感じだったんですか?
戦慄:
お金ですか? 私は事務所に入っていなかったので、私はブラックとかなかったです。ちゃんと集客呼んだらチケットバックをもらって、チェキ代は全部自分で100%バックだったんで。
吉田:
チェキ代100%バック?
戦慄:
そうです。
吉田:
すごいじゃないですか!
戦慄:
だいたいこういうのって、イベンターさんは全然ブラックじゃなくて、イベンターは人を呼びたいから良心的というか、アイドルに良心的な契約だったりするので、アイドルからお金を搾取するのはやっぱり事務所ですよね。
吉田:
事務所ですね。チェキバックの率で運営がいいところか悪いところかが分かるなと思っていて、僕のところに来るのがやっぱりチェキバック0%か、もしくは1000円で50円とか。
戦慄:
のーぷらん。【※】時代は40%バックでした。
※のーぷらん。
6人組女性アイドルグループ。2017年2月9日にS.U.B TOKYOにてライブデビュー。個性の強いメンバーたちによる個性派アイドルユニットを自認しており、時代にあわせて様々なカタチに変化していけるよう、コンセプトをあえてノープラン(無計画)に設定している。
吉田:
普通ですね。
戦慄:
普通です。
吉田:
のーぷらん。という、元々地下アイドルをやっていて、今の100%バックというのは?
戦慄:
ひとりでやっていたときです。
吉田:
その前にソロ時代があるんですね。
戦慄:
そうです。あります。でも事務所に入っていないから。
吉田:
それは勝手に自分でやって?
戦慄:
そうです。だから事務所は絶対に入らないってそこで誓った。
吉田:
40%は本当にちゃんとしていますよ。
戦慄:
でもありますよね。どんなに客を呼んでも月に1万円の給料しかもらえないって聞いたことあります。周りにもいますよ。
吉田:
ところが今回いろいろ聞いていたら、1万よりも低いということが判明というか、ノーギャラか2000円とか3000円が意外と多くて。
戦慄:
本当に? どれだけ集客を呼んでもチェキを撮っても変わらないって、結構ブラックじゃないですか。
吉田:
そうなんです。集客は全く関係ないというのは多いですね。
戦慄:
結局電車代とかもらえなくて、1万円から結局マイナスみたいなことがあるから。
久田:
電車代ももらえないの?
戦慄:
そうです。
吉田:
交通費は基本支給されなくて。
戦慄:
されないんですよ。アイドルはされないんですよ。
久田:
AKB48もそうだった。ランク外の子は新幹線代を自腹で払ったと聞いたことがあります。
戦慄:
聞いたことあります、それ。
吉田:
基本バス移動じゃないですか。それにタイミング的に乗れなかったりすると……みたいな感じなんですかね。
久田:
う~ん。自由席だったと言ってました。
戦慄:
でも学校とかあるから、バスに乗る時間もないとかあるでしょうね、絶対。
「地方アイドルの運営にまともなのがいるわけない」
久田:
お母様のいろいろな手記とかも一応チェックしたんですけれど、吉田くんの言う通り、バツイチだったりするじゃないですか。「家庭に問題があるんじゃないの?」っていうネットの論調とは別だと思うんですよね。
そんな人、いっぱいいるじゃないですか。僕もバツイチですし、シングルマザーだったのか分からないですけれど、あのお母様はね。それとは別に、急に一億円の賠償を求められて亡くなったということは、ずっと溜まっているものがあったと思うんですよね。
吉田:
事務所の社長が父親代わりみたいな感じになっていたみたいな報道もあって、その信頼関係が壊れたというのは事実だと思うんですよ。
久田:
まあね。歳が同じくらいなんですよ、この社長と。佐々木さんともう出ているから、佐々木さんと言いますけれど。ずっと前にここで話したと思うけれど、吉田くんと。ご当地アイドルの運営はろくなヤツがいない的な感じのことを言っていたと思うんだよね。
吉田:
BiSHの運営の渡辺淳之介さんと対談していて、渡辺さんは実はブラックに見えるけれど、かなり……。最初はブラックだったんです。BiS時代がブラックだったけれど、実際にノーギャラでやらせていたけれど。
ノーギャラであれだけハードなことをやらせていたんだけれど、最初に親も呼んで全部説明して、「最初の1年くらいはお金も出せません」みたいな。説明済みだったからよくて、結局僕のところに来るのって、説明が全く話が違う。最初はお金が出ると言っていたのに出ないというか。
説明がなされていない、親にちゃんと言っていないみたいなケースが多かったので、あそこは意外とちゃんとしていて。そんな渡辺さんがはっきりしていたのが、「地方アイドルの運営にまともなのがいるわけないじゃない」って。
戦慄:
本当にそうだと思いますよ。
吉田:
まだ地下アイドルのほうが、アイドルが好きでやっている人の率が高いと思っていて、地方アイドルはたぶんそういうものでもない。今こういうのが流行っているし、儲かりそうだっていうので参入してきている人が多そうな気がします。
久田:
気になったのはテレビとかで、ディスっているわけじゃないけれど、濱野智史さんって知っています?
戦慄:
知ってます。
吉田:
PIPのプロデュースをやった。
久田:
そうそう。彼がコメントしているのを見て、「あんた失敗したじゃないの?」と思ったりもしましたけれどね。
吉田:
AKB48オタだったのが高じて、自分でアイドルを作ったものの、それで失敗した人がその後もアイドルを語っているのを見るとモヤモヤするんですよね。ただ、そのPIPの元メンバーで、PIPに入る前後にRYUKYU IDOLというグループにいた女の子に言わせると、「PIPのほうが全然マシだった」と。
濱野さんは分かりやすいポンコツな感じがあるからみんな叩いているけれど、もっと見えづらい問題がいろいろありますよという。
戦慄:
ここまで来ると、地方アイドルに入るほうも入るほうかなと思いますけれどね(笑)。
吉田:
この報道によって、そう思う人も増えたかもしれないですよね。
戦慄:
だって本気で売れたいとかあるのかな。
吉田:
たぶん最初は分かっていないと思うんですよ。ここで大きくなれるんじゃないかみたいな感じで、事務所もいいようにも言っているし、頑張ればメジャーな存在になれるんじゃないかと思いこんで。でも、ちょっと活動すると分かるじゃないですか。
久田:
Negiccoとかは上のほうになるじゃないですか。
吉田:
もちろん。
久田:
だから社長さんの佐々木さんという人が、LINEを見ている限りは、「もっと上に行くから日曜日も出ろ」というようなことを強制していたからというのがあるけれど、どこの方位を求めていたのかなと思ったりもするんですよね、愛の葉Girlsさんというのは。
戦慄:
そうですね。何か実績とかあるんですか。
吉田:
ないと思いますよ。
戦慄:
そうなんですね。
吉田:
その現実をちゃんと見せないといけないと思うんですよ。地方アイドルのトップのNegiccoも僕のインタビューで毎回言っているけれども、一人暮らしできるほどのお金は貰えていない。あれだけ誠実に運営をやっていても、新潟で実家暮らしをしているから成立しているんですよ。
久田:
実家だからということか。
吉田:
あの位置でそうなんですよ。他がビジネスとしてみんなが食えるくらいに払えるのは、相当困難なわけで。
久田:
ピラミッドで言うと、一番上は48と坂道だとするじゃないですか。ちょっとその下にNegiccoとか、しゃちほこ……。
吉田:
チームしゃちほこはちゃんと大手事務所ですから。
戦慄:
スターダストですよね。
久田:
なるほど(笑)。分かった、たこやきレインボーさんは?
戦慄:
それもスターダストですね(笑)。
一同:
(笑)
吉田:
スターダストが各地に作ったんですよ。
戦慄:
SKE48とかNMB48みたいな。
久田:
まあ、メジャー。
戦慄:
そうなんですよ。
吉田:
スターダストなら、まあ生活は大丈夫でしょうね。
戦慄:
スターダストはプロデュースがすごいから。決まっているじゃないですか、売れるって。ある程度。
吉田:
そういう状況なので、アイドルやっている側から見たらどう思うかなと思ったんですけれど、この報道があった後で、たぶん見方が変わりますよね。地方アイドルの現実もたぶん見えただろうし。