『ペルソナ』シリーズコンポーザー目黒将司と『龍が如く』総合監督の名越稔洋が対談「仕事が楽しくて帰るのが嫌だった」
『龍が如く』シリーズ総合監督の名越稔洋さん、タレントの椿姫彩菜さんがMCを務めるゲーム情報バラエティ『セガなま~セガゲームクリエイター名越稔洋の生でカンパイ~』。特別企画として『ペルソナ』シリーズでサウンドコンポーザーを務める株式会社アトラスの目黒将司さんをゲストに招き、名越さんとのスペシャル対談が実現しました。
『ペルソナ5』の英語版が、海外のゲーム評価サイトで高得点を獲得したことを受けて「まずはゲームが受け入れられた事が嬉しい」と謙虚に語る目黒さん。『ペルソナ3』では戦闘曲にボーカルを取り入れるなど、新たな試みだった当時の心境を伺いました。
ノウハウがない中でのスタジオ・作詞家のブッキング
椿姫:
私のイメージですけど、『ペルソナ』は、世界のゲーム業界の中でも、オシャレでスタイリッシュだと思います。“ザッツ・王道ゲーム音楽”を求める人が多かった印象もあるんですけど、当時、今の路線のようなゲーム音楽を作るときに色々な意見はあったりしたんですか?
目黒:
『ペルソナ3』くらいから、社内では「目黒さんには何言っても、しょうがないよな……」って(笑)。1999年から橋野(橋野桂ディレクター)とやらせてもらってるんですけど、信頼していただいているというか。突拍子がないことをやっても「いいんじゃないですか?」で済ませてくれたりします。
椿姫:
信頼関係があってのことですね。いきなり戦闘中にボーカルが流れてびっくりしたというくらい、当時はボーカル入りの曲は珍しかったですよね?
目黒:
当時のゲーム音楽を作られている作曲家の方は、「ボーカルを入れよう」っていうのは、アイデアとしてはあったんじゃないかなと思います。
椿姫:
確かに、スーパーファミコンではできなくて、プレステになったからやってみたいっていうのは、聞いたことがあります。
目黒:
ゲーム会社で、ボーカルを入れるってことのノウハウがまずないのと、ウチみたいに小さい会社だと、どうやったらいいかっていうのと、レコード会社さんとなかなかツテがなかった。僕自身、当時の自分を褒めたいところは、勇気をもってそこを一歩踏み出したこと。自分でスタジオのブッキングから、作詞家のブッキングまでやりました。誰もやる人がいなかったんです。