AV女優の発言を無断掲載した書籍『名前のない女たち』が映画化で炎上。著者「中村 淳彦氏」について吉田豪らがコメント
ルポライターの中村淳彦さんが企画女優や企画単体のセクシー女優たちをインタビューした書籍『名前のない女たち』が炎上し、話題となっています。
女優側に印刷前の事実確認を行わなかったことが問題の発端でしたが、AV出演強要問題が取り沙汰されるようになり、弁護士が『名前のない女たち』を参考資料として取り上げ始めたことにより、さらに影響が広がっています。
9月9日放送の『タブーなワイドショー』ではこの話題を取り上げ、アダルト業界の裏側について吉田豪さん・久田将義さん・Kダブシャインさんが語り合いました。
『名前のない女たち』に非難殺到
久田:
これ、ご存知ですか。
吉田:
事実確認だけの問題じゃなくて、ギャラももらっていないとか、なおかつ差別的な扱いをされているとか、みんないろいろな怒りが……。
Kダブ:
これはセクシー女優の中の格差の問題ですか。
吉田:
そうですね。例えばなんだろうな。
Kダブ:
「恵比寿☆マスカッツ」とかは文句言っていない?
久田:
言っていないですね。
吉田:
あの辺は取材していない。
Kダブ:
企画ものじゃないですもんね。単体ですもんね、彼女たちは。
久田:
僕、自分のニュースサイト・東京ブレイキングニュースにも書いたんですけど、これ出た時ってちょっと遡っちゃうんですよ。永沢光雄さんというもう亡くなった方が『AV女優』という本を出していたんですね。
吉田:
プロレス関係もやっていた方でしたね。
久田:
酒飲みでね(笑)。『ビデオ THE ワールド』で有名女優のインタビューをして、それで掘り下げたインタビュー集がヒットしたんですよ。
吉田:
ものすごいブルージーな文章を書く人で、自分もだめでAVの人もだめで、だからだめなところに共感したりしながら、泣ける文章を書く人だったんですよ。
でも中村さんは突き放すんですよ。お前らはだめだ、という感じのスタンスで書く人ですね。
Kダブ:
AVで説教するタイプ。
吉田:
なおかつ文章も作っちゃうタイプで、だから書かれた人がみんな怒って。
久田:
永沢さんも作っているんですけど、永沢さんの経歴として、永沢さん、本橋信宏さん、東良美季さんみたいな人たちがいるんですよね、AVライターなんですけど、だからみなさん文章めっちゃうまいんですよ。その系列の中で、永沢さんの『AV女優』は名前出ている方なんだけど、いわゆるキカタン(企画単体)というやつですかね。
そのインタビューなんですが、出た時にAV業界のライターの人に聞いたんだけど、初めはシャレ半分だろみたいな感じだったんですよ。注目され始めたのはAV強要問題あたりで、『季刊 SEXUALITY』という雑誌がありまして、弁護士とかがこの本を参考資料にして、やっぱり良くないだろ、ということになったんですよね。
久田:
吉田君が言った通り、ゲラ(校正用に出力した紙)のチェックなしで書いたということになれば事実誤認ということになるじゃないですか。弁護士がこの本を資料にしているとなると、この『名前のない女たち』自体が誤りになるので、ちょっとやばいかな、というような雰囲気になっている。
吉田:
その後、この人が介護関係の本とか出したことで世間のイメージが結構社会派になっちゃったんですよ。AV業界の狭い世界でやっていれば、コップの中の嵐で済んだのが社会派の人としては、「あなたちょっと何やってんの?」みたいな感じがすごい出てきて。
Kダブ:
怒っているわけですね、彼女たちが。
久田:
怒っていますね。
著者・中村淳彦さんの評判
吉田:
ちなみに僕が『BAND LIFE』というバンドマンのインタビュー集を出しているんですけど、実はあの雑誌の連載1回目というのは、中村淳彦さんがニューロティカというバンドのインタビューをしていたんですよ。それがちょっとアレだったと言うので、2回目から僕に変わったという経緯があるんですよ。
久田:
ちょっと整理しなきゃいけないんですけど、元々評判が悪い人なんですね。
吉田:
非常によく聞きますね。
久田:
だからこの時こういう問題が起きて、乗っかると言うと言い方が悪いんですけれども。
Kダブ:
今時ルポライターという名前が胡散臭いですよね(笑)。
吉田:
そこから噛みつく(笑)。
Kダブ:
ルポって。
久田:
まあライターでいいんじゃないですか(笑)。
Kダブ:
エロライター。AVライターね。
久田:
AVライターだと思うんですけどね。それがちょっと炎上しているんですけど。
吉田:
ちなみにちょっといい話と言うとあれですけど、北条かやさん【※】という人がいるんですよ。交流があって、インタビューとかしている。
僕が取材していた時にぽろっと漏らした話があって、北条さんは中村淳彦さんと対談とかしていたんですけど、ちょうど現場でその話をしていたんですよ。「本当に中村淳彦さんはすごい信用のおける方で」と言っていて、さすが北条かやさん、と思ったんですけど(笑)。
※北条かや
社会学者。民間企業勤務を経て、『キャバ嬢の社会学』を刊行。吉田豪氏との対談での「顔、身体は全部コンプレックスなので、勘違いブスみたいな人を見るとうらやましくて」等の発言が話題を呼んだ。
Kダブ:
これみんなTwitterで結構、ブーブー言っていたんですか。
吉田:
昔取材された人とかが次々と声を上げている状態ですね。
Kダブ:
じゃあみんなここで名前のある女たちになったということですね。
一同:
(笑)
吉田:
そういうことですね(笑)。
久田:
うまい(笑)。そういうことになりますかね。
吉田:
名前を出して文句を言い始めた。
Kダブ:
Twitterのアカウントでね。じゃあフォローしておきます、僕が。
一同:
(笑)