不動産鑑定士が解説する『クソ物件オブザイヤー2017』にノミネートされた物件が全体的にヤバい
全国宅地建物取引ツイッタラー協会が主催する『#クソ物件オブザイヤー2017』が12月13日に発表されました。2017年度は約30名の不動産関係者を中心に、『カーサ桜上水』や『ツーブロックゴリラ』、『積水ハウス地面師』など不動産に関する話題で注目を集めたエントリーが300件以上投稿されました。
2017年度の優勝は『カーサ桜上水』のエントリーに授与されましたが、ニコニコ生放送『#クソ物件オブザイヤー2017 が決定!魅力的なクソ物件を実況解説』では不動産ライターの栗林篤さん、不動産鑑定士の浅井佐知子さんが他のノミネート物件についても詳細な解説を行いました。
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今年の不動産のニュースを振り返る
浅井:
今年は不動産業界はいろいろなことがありました。今回の77件のノミネートは面白いなと思う物件がたくさんありました。
栗林:
これだけのエントリーがあったということは、不動産市場が活況である裏返しということですか。
浅井:
そうですね。
栗林:
ではここからは77件のノミネート物件を振り返っていただきたいと思います。エントリーNo.01『大東建託24ヵ月契約なし社員クビで従業員が訴訟に踏み切る』ということですが、大東建託はアパート業界の大手です。
浅井:
地主様の土地でアパートを建てるという点においてはトップクラスです。
栗林:
相続税対策というのもあるでしょうか。
浅井:
営業するトークとしては相続税対策でしょうね。とはいえ、どこにでもアパートを建てたらいいというものではありません。
栗林:
そうすると、新築アパートを建てるにしても立地ということが重要なのですか。
浅井:
重要です。私の主人の実家が四国の田舎なのですが、そこにも大東建託があって、田んぼの中にアパートが建っているんです。
栗林:
会員の方のTwitterの投稿にもこのようなものがあります。
浅井:
地主さんにとって人気あるみたいです。私、大東建託のパーティーに顔を出したことがあります。
栗林:
どのような対応でしたか。
浅井:
この写真よりも小さい会場だったのですが、お食事がすごいです。めちゃくちゃ豪華。美味しくてたくさん食べました(笑)。おみやげもすごかったです。地主さんも来ていて楽しくお食事会をするというのが、毎月あるみたいです。
マンションの駐車場に新築戸建て!? 「カーサ桜上水」
栗林:
続きましてエントリーNo.03『カーサ桜上水』です。今年を象徴する不動産事件の一つですね。
栗林:
後ろのマンションと新築戸建てが密接していますので、1階2階に住まわれている方が日が当たらないじゃないかという日照権が懸念されております。
浅井:
元々は駐車場だったんですか。
栗林:
駐車場として使用されていたのが、地主さんとの交渉が決裂した結果、戸建てが建ってしまいました。
浅井:
私としては、今後あの戸建てが売れるかどうかということ、とくにいくらで売れるのかということに興味があります。
栗林:
新築の戸建てが売れるのかというのが注目のポイントということですね。この物件はなぜこんな事になったのでしょうか。
浅井:
なんで、こんなことになったのか、私が知りたいくらいなんです。きっちりとはじめに借地権だったところで……普通そこに立てちゃいけないなんてことは言わないですし、なんでこういう形になったのかということはわからないですね。
栗林:
非常に不可解だということですね。借地権を持っている方と住民の方のコミュニケーションがうまくいかなかったのかなと、そういうところが原因がかと思います。
浅井:
マンションの住民の組合がなんらかの契約を結んでおけばよかったんですよね。
栗林:
きちんとした契約を結んでおけばこんなことにはならなかった?
浅井:
借地権の中に組み込んでおけばよかったのに、なんでそこを借地契約しなかったのか不思議じゃないですか。
栗林:
続きましてエントリーNo.04『堺市西区通せんぼハウス』です。
栗林:
こちらも非常に話題になりました。これが通行妨害の瞬間でしょうか。
栗林:
私道の所有権を持つと思われる男性が通行する人に対して抗議をしているものです。
浅井:
私道って自分のものだと思っている方が結構いらっしゃって、道路の幅が4メートルに満たない場合はセットバックするじゃないですか。
栗林:
セットバックというのは、建築基準法では道路の幅が4mないといけない。4mに満たない場合は建物を後退させる必要があるんですよね。
浅井:
ですからそこは自分の土地ではあるのですが、元々は道路なんですよね。しかし自分の土地だからといって、自分の所有物を置いている方々は結構いらっしゃいますね。
栗林:
続きましてエントリーNo.06『隅切りの石』です。
浅井:
これは何ですかね(笑)。
栗林:
角地は隅切りをして車の往来をスムーズにするという規則だと思うのですが、土地所有者のささやかな反抗といいますか……。
浅井:
先ほどのセットバックの話と同じですね。所有者として1平米メートルでも取られたくないという思いがあるんですね。都内だとあまり見ないですよね。
栗林:
解説がありますね。
栗林:
続きましてエントリーNo.08『大宮アートヒルズ』。
栗林:
非常に外壁のインパクトが強いですね。大宮の歓楽街の一角に昇り龍を背負った物件が完成しました。
浅井:
これは太陽光なんですかね。
栗林:
太陽光にすることで一部売電収入を得ているようですね。
浅井:
でもそうすると、たとえば地震とか起きても太陽光で大丈夫なんですかね。
栗林:
非常に災害に強いという側面もあるかもしれませんね。
浅井:
でもちょっと派手ですね(笑)。
栗林:
これは別角度から見たものなんですが、蜘蛛と卓球のラケットということで非常に独創性の高い外観になっています。
続きましてエントリーNo.09『ハウスドゥする』というスキャンダル系のエントリーです。ハウスドゥという業者さんがあって、そこの社員が相次いで不祥事を起こしたというものです。
栗林:
この事案を受けて業界の中では「ハウスドゥ」というのが動詞化しまして、「ハウスドゥする」といわれるようになりました。