元日なので天皇陛下がお乗りあそばされる『御料車』の知られざる歴史を解説してみた
御料車が手に入る……!? トヨタ自動車が発表した「新型センチュリー」のデザインが、天皇陛下御用達の車両「トヨタ・センチュリーロイヤル」に近づいたと話題になりました。
値段は1000万円前後と高級車にしては控えめですが、なんでも“選ばれし者”しか購入できないのだとか。
これを受けて、政治評論家の竹田恒泰さんが自身の『竹田恒泰チャンネル』において解説を行い、「値段が安くてすごい」、「しかしビーチ前川には買えないだろう」とコメントしました。
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トヨタの“超高級車”は採算度外視で作られている!?
竹田:
これはちょっと私としては注目したいニュースなんですけども、トヨタがですね、最高の一番ハイクラスな車種としてですね売っているものがセンチュリーですよね。トヨタのセンチュリー。
これは最高の車種なので、もちろん値段も一番高いですよ。天皇陛下もトヨタセンチュリーに乗っていらっしゃいます。ちなみに御料車【※】として使われてるものは、トヨタ・センチュリーロイヤルという、通常のセンチュリーよりもさらに上のグレードのものなんです。
竹田:
トヨタのセンチュリーはとてもすごい車なんですね。たとえば、車の部品とかを作るラインがいろいろあるじゃないですか。トヨタのセンチュリーだけは採算度外視で部品を作ってるらしいんですよ。部品の性能を比べてみても、次元が違う究極のパーツを使ってるので、車そのものの価値が他と車種と全然違うと言われています。
そしてトヨタのセンチュリーだけは生産ラインが別で作られていて、ここは別に儲ける必要はないというんですよね。
そして何より、値段がそんなに高くない。1000万円いくかどうかくらいかな。ベンツとか、いろんな高級車をみてみるとね、2000万、3000万、5000万みたいな値段の車もあるじゃないですか。
センチュリーはトヨタが出してる最高級車種だから、もっと高くてもいいと思うんだけども、それを日本の企業の重役が会社の公用車として買えるレベルっていうことで落としてるわけ。もしこれを3000万円にしてしまうと上場企業の社長乗れないでしょう?(笑)
竹田:
これはステータスなんです。上場企業の社長はほとんどセンチュリーですからね。レクサスに乗ってる人はちょっと違うのよ。やっぱりセンチュリーなんです。
だから1000万円ぐらいに落としてるっていうのはそういう思惑があるんだと思いますよ。普通はあの車、1000万ちょっとじゃ手に入らないから、買える人は買った方が得なのよ。採算度外視で良いものを、いい意味で安く売り出して、多くの日本の加恩の人達に乗ってもらいたいというコンセプトの車なわけですね。
選ばれし者だけが購入できる車
竹田:
ちなみに、いくら価格が手頃だからとはいえ、お金を持っていたら買えるとういうわけではありません。これがやっかいなんですよ。たとえばね、2000万、3000万、4000万のスポーツカーって、誰でも買えるのよ。何ならヤーさんでも買えるわけ。ほんと誰でも買えるの。
ところが、トヨタのセンチュリーを新車で買おうと思ったら、トヨタの販売店から買うしかないんです。審査があるんですよ。要するにこの車に乗るのにふさわしい人かどうかの審査が入るんです。
ちゃんと審査が入って、犯罪歴がないかなどの素行調査を全部クリアして初めて買えるんですね。トヨタ側がお客さんを選んでるわけよ。
だからセンチュリーを所有してる人はいちいち審査しなくても、与信枠付けてあげてもいいぐらい。「あっ、よく審査とおりましたね」って。
トヨタがお客さんを選んでいるんですよ。「この人には乗ってほしくないな」ってなったら、「いや5000万積みます」、「いや結構です。お金の問題じゃないんだから」と。この車には、ただの金持ちではなくて、本当に日本の良い顔の人にしか乗ってほしくないっていうね。
ビーチ前川【※】が買えるか? 二重の意味で買えないね(笑)。
竹田:
あの人素行悪すぎだから。「ラブオンザビーチ」に通ってるのにこんな車で行かれたらたまったもんじゃないね。そんな金もないでしょうし。
天下りで散々あちこちから金取ったから金はあるかもしれませんけど、ビーチ前川は審査で撥ねられるでしょうね。分かりませんですけども(笑)。私がトヨタの担当者だったら間違いなく撥ねますよ(笑)。
とにかく金があっても買えない車なんですよ。だからこそこのセンチュリーというのはもう日本の最高ステータスの車なんです。だからクレジットカードがブラックカードだとかなんとかっていうじゃないですか? あれよりももっと難しいですからね。この車を持つ方が。
※ビーチ前川
日本の元文科官僚・前川喜平のこと。加計学園問題や、いわゆる「出会い系バー」に繰り返し赴いた、と報道されたことでも話題となった人物。
歴史的瞬間? 史上2度目のフルモデルチェンジ
竹田:
そしてこのセンチュリーがこのたびですね、フルモデルチェンジをすることになったんですよ。フルモデルチェンジをした結果どうなったかといったら、雰囲気が天皇陛下の御料車に近づいたんです。もちろん別物なんですけども。
天皇陛下の御料車は「センチュリーロイヤル」という特別仕様なんで、雲の上すぎて考えることも不敬なレベルなんですよ。でも、もともとセンチュリーという、天皇陛下が乗ってらっしゃるセンチュリーロイヤルに近い雰囲気の車があるんですけども、フルモデルチェンジをしたことによって、より御料車っぽくなったんですね。その写真がこれでございます。
竹田:
センチュリーを知ってる方はですね、ちょっと角ばった感じで天皇陛下の御料車っぽくなったなということがお分かりいただけると、ちょっとサイズとかこの写真からじゃ分かりませんけども。私的には非常に印象は良いですね。
トヨタセンチュリーが持つ文化的価値。トヨタ自動車が新型センチュリーを発表した。トヨタの創業者である豊田佐吉氏の生誕100年にちなんで名付けられた初代モデルが1967年に販売せれて以降、国家元首や最高経営責任者らに愛用される日本最高峰のラグジュアリー・カーだ。御料車として使われるなど選ばれしものだけが手にすることができる。
フォーマルで風格があり深い伝統を感じさせるセンチュリーは、誕生から50年でフルモデルチェンジは2回目にすぎない。一般的に6~7年でモデルチェンジを繰り返す自動車業界では想像できないほどの間隔。イギリスロールスロイスのファントムでさえ12年程度で世代交代している。一目見ただけでは新旧の違いを見分けるのは難しいだろう。これは意図されたものだ。文化的価値を持つ車はそれが瞬時に認識されなければならない。新車の投入で先代を古く感じさせたり、連続性がないと思わせてはならない。
日本車サイト・ジャパニーズノスタルジックカーの開設者で編集責任者のベン・スー氏は「東京はおそらく世界のどの都市よりもトレンドやファッションが変わっていくが、日本人が伝統として重んじる厳選されたものがそこにはある」と指摘。「センチュリーはその一つだ。全体的なデザインはほとんど変わっておらず、最先端のスタイルに左右されない」と語った。
センチュリーは走行中の静粛性の高さで知られている。先代は国産車としては唯一12気筒エンジンを搭載していたが、新型では環境規制に沿う流れで8気筒エンジンとモーターのハイブリットシステムが採用された。実はセンチュリーはこれまでアメリカ市場で入手できなかった。しかしコレクターや車好きがアメリカに持ち込もうとする動きは阻止できない。アメリカの規制上、最先端の外車は輸入できないが25年以上前に発売された自動車なら持ち込み可能。20年前の1997年に登場した2代目センチュリーは無理だが92年の初代は現在人気が高まっている。
スー氏は「センチュリーは絶対にコレクションすべき自動車でアメリカ国内にも何台かある。日本車界での特別な存在に気づくアメリカ人が増えるにつれもっと見かけるようになるだろう」と述べた。
フジサンケイ ビジネスアイの記事より
ということです。