日本に漂着する北朝鮮のボロ船は工作活動のためなんですか? 元・朝鮮総連職員にストレートな疑問をぶつけてみた
北朝鮮の潜入ライターとして活躍するニポポ氏が、2月21日放送の「北朝鮮スリーパーセル問題から犯罪まで「北朝鮮の車窓から」【ニポポのニコ論壇時評】」にて、北朝鮮出身の父と在日韓国人二世の母を持つライター・安宿緑氏と、日本にやってくる“不審船”について言及。
「日本へ工作員を送り出すために漂着させている」など、憶測が飛び交う北朝鮮の不審船について、安氏は「工作活動は絶対にない」と切り出し、併せて「堂々とあんなボロい船で来ない」と説明しました。
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漁業中に日本に流れ着く北朝鮮の漁船
ニポポ:
そうそう、お船についてなんですけど。
日本に流れ着いて来ている、とかいうお話があったりしますけれども、ああいうのは何なんだろうかと。例えば、単に漁業の最中に、ちょっと行き過ぎちゃって流されちゃったのか。それとも北朝鮮を脱出したい人なのか。はたまた北朝鮮からではない人たちなのか。ないしは工作活動に来ているのかとか、いろいろ考え方あるかと思うんですけれども。
安:
まず工作活動は絶対にないと思うんですよ。堂々とあんなボロい船で来ないと思うんです(笑)。
ニポポ:
命がけすぎるだろっていうね(笑)。
安:
やっぱり北朝鮮の漁民っていうのは結構生活がめちゃくちゃ苦しいんですよね。
ニポポ:
あ、そんなもんなんですね。
安:
すごく危険を冒して、ちょろっと魚を捕るみたいな、そういった立場の方々ですし、船もそんないい船をもらえないんですよ。10年ぐらい働いて、ようやくショボいモーター付きの船をもらえて。それがもう、家を買うぐらいの財産みたいな感じなんですけど。
ニポポ:
なるほどね。船は買うんじゃなくて、頑張った人がもらえるものなんだ。
安:
いや、買うんですけど、本当に10、20年働いて、ようやく小銭を貯めて、みたいな感じ。なんかうまく手に入れる人もいるんですけど、そういうレベルなので。ただ本当にショボい船なので、ちゃんと使えないわけですよ。
ニポポ:
エンジンにガタが来てたりね。
安:
沖まで行かないと捕れないから、ちょっと無茶しちゃうとかいうのもあるじゃないですか。で、やっぱり全然捕れないから無茶しちゃって、その結果収拾つかなくなって、日本まで来ちゃって。
ニポポ:
流れて来ちゃったよ、みたいなね。
安:
というパターンじゃないかなと思ったんですけど。そうしたら北朝鮮の専門家の方々も結構同じようなことをおっしゃられてたんで、やっぱりそうなのかなと。
ニポポ:
そりゃそうだなと思いますよね。
北朝鮮の漁業事情
ニポポ:
ちなみに北朝鮮の釣り事情としてはあまりよろしくないのでしょうか。お魚、全然捕れないみたいな。
安:
海域によります。羅津・先鋒っていう経済特区があるんですけど、そこは羅津エビ、羅先エビっていうのがあって、そこのエビは一応名物っていうふうには聞いてましたね。
ニポポ:
そうか、じゃあエビとかは結構捕れたりして。僕、ハマグリのイメージが強くて、ガソリン焼きっていうのがあってね。あれ名物ですもんね。あれも適当な焼き方ですね(笑)。
安:
そうですね。ガソリンが中に入っちゃうんじゃないのってみんな思いますもんね。
ニポポ:
いや、入ってるんですよ(笑)。
安:
実際ちょっとは入ってる感じですよね。
ニポポ:
本当はハマグリを並べて裏か表をちゃんとやると入らないのであって、身が下になるか身が上になるかわからないんだけど、うまいことやるとガソリンが全く入らないはずなんだけど、適当にやるもんだから混入する、みたいなね(笑)。
安:
せめてガソリンじゃなくて他の食用油でやってほしいですけどね。
ニポポ:
ダメなのかね、本当にガソリンじゃなきゃ。
安:
あれは引きますよね。
ニポポ:
ガソリンだって高いだろうし。なかなか手に入らないんじゃない? 今。
安:
わかんないですけど。
ニポポ:
今、もしかしたらガソリン焼きやってないかもしれないよね。
安:
向こうの人が言うには、つなぎ目の方を上にしてるからガソリンは入らないんだって言い募るんですけど、でもやっぱり開けたとき、ちょっとガソリン臭いんですよ。
ニポポ:
しかも相手がイルボンだから、適当に(笑)。
安:
ひどいイルボン差別ですね(笑)。
ニポポ:
そうなんですよ、ガソリン食わされますからね。