事故物件多発地帯を大島てるが解説 新宿歌舞伎町・横浜市寿町etc…「この時代だからこそ、事故物件情報は役に立つ」
住人側が有利な時代の今、事故物件情報はどんどん役に立つ
大島:
先ほどもコメントで正確に覚えていないんですけれど、「今時事故物件なんか珍しくない」とか、「そのうち事故物件だらけになって、サイトが炎アイコンでいっぱいになるんじゃないか」とか、そういうコメントがいろいろ目に付いたんですけれども、ちょっと堅い話をさせていただきますけれど、今、日本全国でアパートとかマンションとかが余ってきているわけですよ。
空き家問題というのがどんどん顕在化しています。それなのに、どんどんアパートが作られているので、結局、終戦直後の雨風さえしのげられればいいなんていう時代から変わって、今はとにかく住む人がわがままを言える状態になって来ています。
一言で言えば余っているので、選ぶ側、住む側、借りる側、買う側が「駅から近くなきゃ嫌だ」とか「日当たりが悪いのは嫌だ」とか、いろいろわがまま言うとそれがちゃんと通用するような時代になってきているわけです。やっと不動産業もお客様が神様っていう世界になりつつあります。
松原:
昔は逆だったんですね。
大島:
はい。借りる側が礼金を払ったりしていました。お礼を払うという。
松原:
礼金って今でも払うでしょう。
大島:
でもそれが、だんだんなくなる方向に。ようやく少しずつですけれどね。
松原:
敷金礼金が当たり前なのは大阪だけですかね。
大島:
東京ももちろん。住宅難だったんですけれど、今は人口も減っていますし、住む人のわがままが通るようになってきてるわけですよね。そのひとつとして、事故物件が嫌だという考えがあれば、「事故物件じゃないのがありますよ」と不動産屋さんが言ってくれるような状況になって来ているわけですから。
松原:
礼金は法的になくなった?
大島:
もともと法的には何もないですけれど。ですから、この時代だからこそ、事故物件情報はどんどん役に立つというのが私の考えです。一番困るのは、バレたくないからそもそも値下げもしないということで、安くない正規の家賃のまま事故物件に住んじゃっていたという。それは何も嬉しくない話ですよね。
ホテルというのはそもそも宿泊客に「ここで前に泊まられた方が自殺しました」とか言う義務はもともとないわけですよ。安くする理由もないわけですよ。なので、何も得しないわけですよ。タニシさんみたいな強者でも、何もホテルの料金を割り引いてもらえないんです。
松原:
もちろんね。
大島:
それは嫌じゃないですか?
松原:
だからもう、本当に変態ですね。
大島:
(笑)
松原:
そこで人が亡くなった部屋、お化けが出る部屋に行ってみたいって、変態だけ。
大島:
だけど事故物件の魅力というのはやっぱり安いことなわけで、安くない事故物件なんて誰が……。
松原:
これを見ている中には変態の方が、僕を含めてになりますけれど幽霊に会ってみたいとか中にはいますから。
大島:
タニシさんは最初はどうなんでしたっけ。同じ家賃でも事故物件のほうが企画の関係で住むつもりだったんですか。それともやっぱり安くなければ嫌だというのはありましたか。
松原:
両方ですね。本当に経済事情もありますので、高い事故物件はやっぱり住めなかったですね。
大島:
今はベストセラー作家で。
松原:
そんなことないです(笑)。僕なんてまだまだです(笑)。