北は切り石、南は赤いレンガと2つの表情を持つ福岡の「内田三連橋梁」を見に行ってきた! デコボコに積まれたレンガで景色がギザギザに縁取られるのも素晴らしい
今回紹介したいのは、ニコニコ動画に投稿された『デコボコデコボコ編。【バーチャルいいゲーマー佳作選】』というウスイさんの動画です。

福岡県道418号を南へ向かって走る投稿者のウスイさん。


右手に見える土手は平成筑豊鉄道田川線の軌道で、走っていると「内田駅」を通過。非電化路線なので直上に開放感があるとのこと。


家々と軌道と田んぼと遠くに山が見えるのどかな景色が続き、やがて右に分岐が出現しました。



分岐から先は歩きで。案内看板があることを示す案内看板の先に、トンネルのような橋のようなものが見えてきます。


ここでちょうど列車が通過。

こちらは橋の北側側面で、グーグルマップの登録名は「内田川橋梁」。


ただ、現地の看板の表記は「内田三連橋梁」で通称は「みつあんきょ」だとか。



さらさらと流れる水が真ん中のアーチを通って南へと抜けていきます。

構造は3つのアーチがあるアーチ橋梁でいわゆる眼鏡橋です。それぞれのアーチは左から平場、水路、車道となっていて、違った役割を果たしています。。


側面は切り石を積んでいます。レンガでいうイギリス積みのように、長い石と短い石が交互になっていますね。

北側は上流にあたるので、アーチ基部の中央二か所には水切り石が。防災意識の高さを感じる構造です。

手前には古そうですが折り目正しい法面が。おそらく谷積みとのこと。

アーチ石は交互に奥行きが異なり、赤レンガのアーチがそれを出迎える構成に「かっこいいなぁ~」とウスイさん。


きっちりと積まれた石とレンガで構成された中の構造もとても素敵ですね。


そして反対の南側に出るとレンガがデコボコになっています。南と北で表情が全く異なる。これがこの橋の最大の特徴です。

設置されていた看板によると、このレンガの美しい凹凸は線路が複線化されたときに拡張できるようにしたものと考えられているとのことでした。



下の方の石材もデコボコになっていますし、アーチの根元あたりもスゴイ状態です。それでも建造から130年経ってもレンガの状態も相当に良く、綺麗に保たれています。


ウスイさんによると、この路線は他にもこういうデコボコのレンガを有する橋梁が見られたり、明らかに複線化したかったという幅の橋脚があったりするとのことです。

この構造により、橋の下から見た景色がギザギザに切り取られているのが素敵ですね。

そして、路面に落ちる影までもが素晴らしい。


登録有形文化財であり、近代化産業遺産であるのも納得の美しい橋です。


ちなみに、ウスイさんが調べたところによると平場は農道という記述が。しかし現在は草藪により封鎖されています。昔はどこかへ通じていたのでしょうか。




最後は車両で橋を通行するウスイさん。


石造りの眼鏡橋が多い地域ではあるものの、それでもやはり稀有な橋だと感じたそうです。来歴と意匠の由来の看板が現地にあるのも、丁寧に扱われている感じがして嬉しかったとか。
北側と南側で全く違う印象を与える橋。電車が走り、3つのアーチは異なる役割があり、実は複線化を目指して作りかけと情報が盛り沢山。
詳細に興味を持たれた方はぜひ動画をご覧ください。のどかな景色と美しい橋がとても素敵です。
視聴者のコメント
・かっけえ
・これはエモい
・これはいいですね
・アーチが3つに電車も通る欲張りセットすぎる
・歯車のギミックありそう
・拡幅への確かな野心を感じる
・ふく線未回収
▼動画はこちらから視聴できます▼
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