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「どうしてスポーツって付くの?」「いつからやっているの?」今さら聞けない『eスポーツ』のあれこれを細かく解説

 今回ご紹介するのは、このさきれむさんが投稿した『eスポーツとはなにものか?【Steamひみつ探偵団19】』という動画です。

 昨今、インターネット上でよく目にするようになった「eスポーツ」という言葉。「大きなゲーム大会」というおおまかなイメージは持たれているかもしれませんが、実際の規模はどれくらいのものなのか。また、そもそもの起源は何なのか。

 本記事では、そんなeスポーツの詳細について、このさきれむ霧雨魔理沙がゆっくり音声を使用して詳しく解説した動画を、画像を交えて紹介します。


「eスポーツ」の起源は40年以上前から存在していた

霧雨魔理沙(以下、魔理沙):
 eスポーツはなんかラーメン屋っぽい感じの人たちが集合写真を撮ってるイメージしかないです。最近、急速に話題が増え始めた気もします。

このさきれむ:
 最近になってバズってるようなeスポーツですが、その伝統は、意外なほど古いものとなっています。

 総務省のeスポーツ産業に関する調査報告書によると、最古のeスポーツ大会は、1972年にスタンフォード大学で開催された『Spacewar!』のものであり、その結果が、雑誌『ローリング・ストーン』のスポーツ欄に記載されたとのことです。

魔理沙:
 日本でゲームが普及する前から、そういうことは行われていたんですね。

このさきれむ:
 その後、アーケードゲームやファミコン、メガドライブなどゲーム機の普及に伴って、ゲーム大会そのものは一般に広く普及していきました。

 1990年に任天堂は、人気ファミコンタイトルの大会『Nintendo World Championships』を企画し、北米39都市を回る大規模なツアーを開催。この時に使用されたカートリッジにはプレミアが付き、今でも超高額で取引されるほどの伝説となっているのです。

「スポーツ」とは「気晴らし」という意味である

このさきれむ:
 また、日本のゲーム大会においては、対戦格闘ゲームが大きな役割を果たします。1991年に発売された『ストリートファイターⅡ』を皮切りに、『NEOGEO』や『バーチャファイター』などの対戦格闘ゲーム大会が、至る所で開催されるようになりました。こうしたゲーム大会の文化が、現在のeスポーツ産業の礎になっていると、総務省は考えているようです。

魔理沙:
 それはいいけど、なんで普通のゲーム大会が「スポーツ」扱いになったんですか? そのあたりに疑問を持っている人は、世の中にも多い気がします。

このさきれむ:
 実にいい質問ですね。

 もともとスポーツの語源は、ラテン語の“deportare”とされています。これは「荷を担わない、働かない」という意味の言葉であり、古代フランス語では“deporter”、「気晴らし」という意味を持つようになりました。

 現在でも、海外ではスポーツの範疇に、チェスなどのボードゲームが含まれているのは、そうした本来の意味に基づくものですね。

魔理沙:
 まさに今の時代のゲームにぴったりの言葉という気がしますね。

このさきれむ:
 ですが、かつては「気晴らし」というものは、ほとんどが体を動かすものが主体でした。そのため、伝統的なスポーツ競技の多くが、体を激しく動かすものが中心であり、「スポーツ=体を激しく動かすもの」あるいは、戦前の教育から続く伝統により、いわゆる“スポ根”のように苦しいものでなくてはならないという、本来の言葉の意味から大きく逸脱した、低能なスポーツ観が広まってしまっているのです。

 しかし、本体の言葉の意味に照らせば、「ゲーム大会はスポーツである」ということが完全に理解できるのだと思いますね。

魔理沙:
 なるほど、これなら堂々と「ゲームはスポーツだ」と言えるようになる気がしてきました。

このさきれむ:
 1990年代後半以降、ゲームの世界は著しく進化を遂げ、海外においてはオンラインゲームが急速に普及しました。その中で、競技性の高いゲームである「リアルタイムストラテジー(RTS)」や、「ファーストパーソンシューター(FPS)」のゲームを中心に、国際的な大会が開催されるようになり、徐々に注目が高まるとともに、賞金やスポンサーも導入されていくようになります。

 この頃から、一流のゲームプレイを行う職業「プロゲーマー」が登場し、その大会も、より本格的なものに発展していくのです。

 2000年代にはいると、本来のスポーツの語源に照らして、こうした競技が「eスポーツ」と呼ばれるようになり、現在のeスポーツの基盤が整えられていきました。

魔理沙:
 最近出てきた言葉だと思っていたら、割と前から普及していたんですね。

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