実在する“別れさせ屋”の恐ろしすぎる手口「下調べに1~2週間、成功率は最初の10分に。あとはホテルまで一直線」【語り:元探偵ファイル山木陽介】
「別れさせ屋」の特徴
ニポポ:
「別れさせ屋っていうのはどう?」みたいなコメントも視聴者からきてますよ。
山木:
そりゃ当然ありますよね。
ニポポ:
じゃあ、その別れさせ工作のためにストーリーを書いて……で、あるカップルを別れさせる。これ、結構パワー使いそうな気がしますけど。
山木:
別れさせ屋は、本当に博打の世界です。別れさせることはできても、そのあと依頼人と付き合うかどうかっていう問題もあるし、事件にもなりやすいので(笑)。
ニポポ:
事件になっちゃうこともあるんですね。
山木:
やらないに越したことはないです。警察からのやらないでくださいっていう指導もあります。結果的にやったことが別れさせになっちゃったとかそういうのはあるんですけど。テレビとかで話題になる別れさせ屋の工作員が対象者に近づいて、対象者と工作員とが何とかなっちゃってとか、あれは、結構簡単なパターンですよね。
ニポポ:
そういえば僕、セクシー女優さんの友達が何人かいるんです。今から7、8年前、まだ別れさせ屋という言葉がない時代に、「いろんな仕事をしている」って言うセクシー女優さんの友達に、「どんな面白いことやってるの?」と聞くと、「別れさせる」ということやっている子がいましたよ。
山木:
セクシー女優さんだったらそのあたりのハードルは低いでしょうからね。
ニポポ:
それが、「面白いようにできる」って言ってました(笑)。
山木:
男はバカな生き物ですから、7、8割ぐらいの男はどんなに心に決めた女性がいても、バーで横にいた女に気を許すんですよ。
ニポポ:
そう、いっちゃう(笑)。
山木:
これが残りの2割の流れない男になってくると結構難しいんですよ。別れないんで。
ニポポ:
流れるくせに別れないやつもいますからね(笑)。一番扱いにくい。
山木:
あと、実際、男性も女性もそうなんですけど、好みの異性を見つけるのがまた難しいんです。胸元全開の香水ぷんぷんのっていうのを嫌う男性もまたいるんで。実際に自分なんかそうなんですけど、バーとかでそんな感じで女がきたら工作だと思う。
ニポポ:
すごい人生歩んでますね(笑)。
山木:
誰かの工作か、あるいは何か後ろで糸を引いてるやつがいるに違いないと、絶対に思います。
とりあえず名前を聞いて、Googleで検索をかけるんですよ。それでSNSに出なかったらおかしい。今、25歳から35歳ぐらいの女性が、SNSを何もやってないなんていうことはまずないですよ。
ニポポ:
そこに出てこないっていうことは、「これ、偽名か?」みたいな?
山木:
でも、やってないのと隠しているのはまた違うから。大概そんな承認欲求の塊みたいな女がSNSをやってないわけもないし。やってなきゃやってないで、逆に「Facebookとかインスタやってる?」と聞くんです。やってないっていうふうに言ったら、「何でやってないの?」っていう話に当然なるし、そんな会話になる、ならない以前に、なぜ横にいる俺に話かけてくるんだ? っていうことですね。
ニポポ:
(笑)
山木:
でも、実際に酔っ払ってると、男性も女性もその辺の警戒心が下がります。成功率は、やっぱり最初の10分にかかってるんですよ。最初の第一印象がとにかく重要で、5~10分話し込んで自分に興味を持たせること、それにすべてかかってるようなものですね。
ニポポ:
すごい。
山木:
だから最初の接触までに1~2週間、調査の時間がかかるんですよね。そして、そこにお金もかかるんですよ。
ニポポ:
下調べであったり?
山木:
そうです。あとはもうホテルまで一直線なんで、簡単なんですよね。そこに至るまでが難しくて。
ニポポ:
その対象者がラッキーと思える状況を作り込めばいけなくはない?
山木:
あと、接触できる場所に行かない人も困るんですよ。今、バーでのお話をしましたけど、お酒を飲まない人ならどうするの? 飲まなくても飲んでも、いわゆる人と接触する場所に行かない人はどうするのかと。1週間ぐらい尾行して、趣味が一つも二つもある人だったら楽ですよ。
例えば、お酒は飲まなくても趣味がボルダリングとかいう人だったら、同じジムに入会すれば楽ですし。映画を見るとかだったらわざと隣に席なるようにとか、あとは、何度も何度も面識ができるようにすれ違うとか、いくらでもそういう方法はあります。ただ、これが家でずっとFXやるような方だと、どう接触するの? という問題があります。
ちなみに、こういったハニートラップの着手金は100万円からですよ。女性工作員の報酬も当然高いです。あと、事前調査にもすごい時間がかかります。
ニポポ:
確かに。そこも割り切ってしっかりとお金をためてから頼もう。
山木:
200万円ぐらい請求されて、払おうにも払えないとかいう人もいますから。
▼記事化箇所は57:12から視聴できます▼
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