史上2番目の巨大ダイヤモンドのオークションが成立しなかった“意外な理由”とは? 歴史的な経緯を解説してみた
今回紹介したいのは、ニコニコ動画に投稿された『【ゆっくり解説】歴史的な巨大原石の発見が相次ぐカロウェ鉱山とは? その1』というスカイ三平さんの動画です。
投稿者メッセージ(動画説明文より)
史上2番目の大きさという巨大な原石が発見され、品質もトップクラスということで業界は驚きましたが、オークションでは売れませんでした カロウェ鉱山と巨大原石の関係、巨大原石がなぜ売れなかったのか、その後どうなったのか解説します
宝石にまつわる多数の動画を投稿しているスカイ三平さん。史上2番目という大きさのダイヤモンドを産出した鉱山と、そのオークションについて解説動画にまとめました。
アフリカのボツワナにあるカロウェ鉱山は、2012年に操業を開始した比較的新しい鉱山です。しかしたった11年の間に1000カラット以上の歴史的な原石を4つも産出しています。
そんなカロウェ鉱山の操業開始から3年後の2015年11月、1111カラットという当時史上2番目の大きさのダイヤモンドの原石が見つかりました。1905年に南アフリカで発見された3106カラットのカリナンに次ぐ大きさです。しかもカリナンと同じタイプIIaという貴重なダイヤモンドでした。
ダイヤモンドは含んでいる不純物でタイプ分けをします。画像の上2つがわずかに窒素原子を含んでいるタイプIで、左のaは薄く黄色に見え、右のbは濃い黄色や褐色系に見えるとのこと。これらタイプIがダイヤモンドのおよそ98%になるそうです。
対するタイプIIaはそういった不純物をほとんど含んでいず、無色透明か薄いピンク色になるので非常に価値が高いのだとか。全体の0.1%しかない貴重なダイヤモンドだそうです。
この原石はツワナ語でレセディ・ラ・ロナ(私たちの光)と名付けられてロンドンで開催されたサザビーズのオークションに出品されました。予想落札価格は4000万ドルから6000万ドル。最低落札価格は6100万ドルだったのですが……
成立せず。
という結果になりました。5000万ドルからオークションはスタートしたものの、最低落札価格を上回らなかったそうです。
貴重なタイプIIaで、史上2番目の大きさでありながらなぜオークションが成立しなかったのか。これは「強気すぎたのと場所と時期が悪かった」とスカイ三平さん。まず強気という点は、予想落札価格より最低落札価格が高かったことです。
次に場所と時期が悪いというのは、オークションの場所がロンドンで、当時のイギリスがEU離脱を決めたことだそうです。
オークションが開催される6日前、国民投票の結果イギリスのEU離脱が決定。このときポンドが暴落しました。
サザビーズは基本的にドル決済。場所がロンドンということで、価値が下がったポンドをドルに両替して払います。0.13ドル下がった時に最低価格6100万ドルを払うと、793万ドル余計に払うことになるわけです。これが売れない大きな理由になったとのこと。結局、翌年2017年にイギリスのグラフという宝石商により5300万ドルで買われたそうです。
歴史的なタイミングにより、高品質な巨大原石でありながら売れ残り業界のびっくりニュースとなったというダイヤモンド。その顛末の詳細や、カロウェ鉱山やダイヤモンドについて興味を持たれたという方はどうぞ動画をご視聴ください。
視聴者のコメント
・でけぇ
・ああー美味しそう
・今までも巨大なダイヤ原石があったが、採掘の際に機械で粉砕してたんだとか
・ツワナ語の名前付けられるの良いな
・デカくて高すぎるのか
・本当に最悪のタイミングだったんだなぁ
▼動画はこちらから視聴できます▼
『【ゆっくり解説】歴史的な巨大原石の発見が相次ぐカロウェ鉱山とは? その1』
https://www.nicovideo.jp/watch/sm43336735
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