「商売のルールを中国に勝手に作られている」中国との商売に“軍事込みの圧力”が必要な理由を自民党議員が解説
中国とは「ルールを作ってからでないと、商売をしてはいけない」
山本:
きょう、青山さんと対中関係でお話をしたかったのは、ミサイル防衛をめぐる韓国と中国のやり取りを見ながら学ぶべきは一つだと。つまり中国ととにかく付き合っていかなければいけない。だけど生殺与奪を絶対に握られてはならない。
青山さんはご存知かもしれませんが、昨年韓国で流行った映画で『南漢山城』というのがあるのですが、1600年代にホンタイジが李氏朝鮮に攻めてきて、すぐ逃げて南漢山城に籠城して、負けて屈辱的な和議を結ばれると。
あそこから韓国の意思はなかなか変わっていないから。あまりにも輸出に依存しているから、嫌がらせでGDPが0.5%減るわけでしょう。化粧品いりません、韓流スターいりません、団体客いりませんと。こうなったらアウトでしょう。まるで属国みたいな扱いじゃないですか。
いまは日本にとって最大の貿易国は中国。中国にとっても二番目の貿易国。日本の技術とかマネジメントを経済を高度化するために欲しがっている。こういうのは決して失ってはいけないと思うのですが、いかがでしょうか。
青山:
たとえば、五百旗頭さんが仰る、日米同盟をさらに強化すると同時に中国とも“協商”という言葉をお使いになったんですよね。“協調”じゃなくてね。つまり、商売を一緒にやりましょうという意味ですね。五百旗頭さんと僕は実は対中観は違うのですが、“協商”という便利な言葉を使ってもらっちゃ正直困ると思ったんですよ。
本当は協商路線というのは、チャイナにとっては非常に都合のいい話なんですよね。ビジネスのつもりが全部盗むということになりますよ。
だから安倍総理はよくわかっていらして、中国とちゃんと商売をやろうと思ったら軍事込みで圧力をかけておいて、商売じゃない話をゴリゴリでやってからでないと、しちゃいけない。それをするということは、一太さんの得意な分野だと思うのですが、ちゃんと政治の力でルールを作る。
どんな商売、どんなディテールでも全部ルールメイキングをしてしまってからでないと、商売をしてはいけない。だから先に商売人が日本はほとんどルールを作ろうとしないから、それに甘んじてどんどんチャイナに商売をしていただくと手のつけようがなくなっていくんですよ。
そういう面で韓国は目立っているけれども、日本は全体の経済力が強く、特に円の信頼度が高いから目立たないだけで、相当中国に勝手にルールを作られてしまっていますからね。僕は政治部の記者の前は経済部の記者だったのですが、その時代にチャイナに行けということで、自由民主党が日本の企業を後押しして行かせたんですよ。いまはとんでもない目にあっていますからね。撤退できないですから。
チャイナのルールのテーブルの上に乗っかって行ったから、もし撤退するなら何十億円を払えとか、人民武装警官がやってきて、机まで売っ払われて、その金を労働者に渡して、そこから労働者の大ストライキが起きたり……。これは報道されていないけれど、本当に起きちゃうわけですからね。
だから中国と商売をしようと思ったら、まずゴリゴリの政治でルール作らないと。それが日本はできていないですよ。簡単に“協商”という言葉が出てきているから、危ないと思っています。
山本:
基本は力を信奉する国だから、そこを絶対に忘れてはいけないし、五百旗頭先生も仰っていた韜光養晦【※】。
※韜光養晦
中華人民共和国の国際社会に対する態度を示す言葉。
とにかく力を蓄えるまでは頭を低くしてっていう、鄧小平の韜光養晦を習近平が乗り越えたと。「新しい段階に来ている」と言っていましたから。あえてできないと思ってるかやらないのか、気がついていないのかよくわからないんですけど、こういうことをやったら中国がいろいろ言ってくるとか、そういうことをやらないですよね。彼らがやっていることですらやらない。これは最悪ですよね。外交でも経済でもルール設定ってすごく大事じゃないですか。
青山:
推測込みですが、中国はいまどこへ行って良いのかわからないんですよ。一帯一路【※】ってすごいことをやっているようでも、本当はあんなに戦線を拡大しちゃって、残念ながらかつての我が陸軍の前線みたいに伸びきる状態で、軍港をインドを囲みながら作って、維持はどうするのか。
※一帯一路
2014年11月に中華人民共和国で開催されたアジア太平洋経済協力首脳会議で、習近平総書記が提唱した経済圏構想。
技術力も足りないし、ギリシャまで届いたとして、そこから何をするのか。たとえばインターネットを共産党はコントロールしてきたけれど、もうコントロールできなくなっているので正当性が失われてきているんですよね。
中国は行き場を失っている?
青山:
江沢民さんが反日でやろうとしたらそれもだんだん通用しなくなってきた。なぜかと言うと、懐があたたかくなって外へ遊びに行きたいっていうのがあんまり強くなってきて、フタをしようとすると暴動になるから、沖縄県にわざわざ翁長雄志さんという知事を作ってね。
これは僕は中傷誹謗しているのではなく、実際の記録で見ているのですが、福岡ドームの目の前に中国総領事館があるんですけれども、あそこは抗争拠点であそこから総領事が降りてきて、いまの総領事と前の総領事と両方共が降りてきて秘密会議を開いて、沖縄にいる華僑の方を無理やり集めて、「前の知事は帰化人だと思ったけど、愛国者だからだめだ」と。
「中国の言うことを聞くやつを探せ」となったら、那覇市長だった翁長さんが自由民主党沖縄県連幹事長だったけれど、そのときに密約したのが、「中国から定期チャーター便を飛ばしてやるから」と。「その保証に李克強首相まで出てくるから大丈夫だ」「その代わりちゃんとチャイナの言うことを聞け」と。観光客を入れて、沖縄観光をドンと膨らましてやると。それが沖縄県政の実態なんですよ。だから翁長知事は「政府」とは言わないで「日本政府」って言うんですよ。
たとえば東京都の小池百合子さんが「日本政府」って言いますか。群馬の知事が「日本政府」って言いますか。翁長さんだけなんですよ。中国っていうのは、そういう戦略をとっているからしたたかに見えるけれども、常に民衆の不満をどこにはけ口を作るかばかりを考えていて、本当は行き場を失っているんです。
だから、中国が悪いと言っているのではなく、本来国というのは民のためにあるのであって、我が天皇陛下は民のために尽くしてこられたんだという国の道筋、本来国家というのは中国の革命の歴史とは違って、京都御所が何も襲われる心配がない唯一の帝王でいらっしゃる。それはどうしてか、という理念として教える日中外交がまず一番だと思うんですよ。
中国共産党は意外にも、どうやったら生き残れるかを探しているからアメリカが教えるわけがないんですよ。
フランスですか、イギリスですか。あるわけないんですよ。日本しかないわけです。そういうところでまさしく、聖徳太子が理念に掲げられたように、政治哲学としてイコールな状態にすると案外僕の知り合いのゴリゴリの保身の中国共産党の人とか軍の人でも、人の話を聞くんですよね。そういうところはやっぱり老子や孔子を生んだ国ですからね。