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「ゴミ山の下に腐った死体」「腐乱した犬の死骸があった隠し部屋」…“不動産執行人”が実際に見たヤバすぎる現場の数々

 潜入ライターとして活躍するニポポ氏@tongarikids)がMCを務めるniconico公式番組「ニポポのニコ論壇時評」。10月24日の放送では、“生きてる人間がいちばん怖いSP”と題して、“怪談”について特集。

 無類の怪談好きのキャスター・徳光正行氏をゲストに迎え、人間が一番怖いと思う怪談を紹介。

 本記事では、不動産執行人をしているニポポ氏が見た、「ゴミ山の下に腐った死体があった部屋」や「腐乱した犬の死骸があった隠し部屋」など、実際にあった悲惨な現場の様子について語りました。

左からニポポ氏徳光正行氏

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おじいさんが保存していた物とは?

ニポポ:
 不動産執行という仕事をしていて、所謂、「人に関わる物」を集める人というのは、一定数いるなと、思うところがあるんです。

 某駅前なんですけど、おじいちゃんが暮らしていたんですよ。このおじいちゃんは、別にローン支払いが滞ったんじゃなくて、家を買ったんですけど、そこが集合住宅の一室なんですね。集合住宅の一室って、みんな買ったら、その後は自分のもの、という感覚が強いじゃないですか。

 だけど、実際は管理費も払わなければいけないし、修繕積立も払わなければいけないんだけど、「買ったんだから。俺のものだから、俺が管理すればいいだろう。別に払わねえよ」と言って、溜め込んじゃって、差し押さえになるわけですよ。

 そこのおじいちゃんの所にいったんですよ。そうしたら、家に入る前に玄関に立っている。珍しいケースなんですよ。そこで、持論を展開するんですよ。どれだけ自分が、修繕積立と管理費を払わない正当性みたいなのを展開するんですけど、僕らは荒立てないように一応聞くんですけど、「じゃあ、ちょっと中いいですか」ということで、中に入るんですけど、もちろんゴミ屋敷ですよ。

 ゴミ屋敷なんですけど、そのキッチン周りだけ、えらい綺麗なんですよ。やっぱりこだわりがあって、小瓶がズラーっと並んでいるんですよ。それで、全部に日付がふってあるんですよ。何年何月何日。何が入っているのかと思ったら、ひげ! ひげが全部取っておいてあるんですよ。

徳光:
 自分の?

ニポポ:
 そうです。

徳光:
 伸びたら剃って入れて?

ニポポ:
 普通に長いひげの方なんで、多分切っていらっしゃるんですよ。なんでしょうかね。仙人みたいな方なんですよ。

徳光:
 それをちゃんと保存なさって?

ニポポ:
 保存されているんですよ。

徳光:
 でも、キッチン周りだけ綺麗であると。

ニポポ:
 綺麗にやっていますね。

徳光:
 おそらく、彼らの線引きってのがあるんですよね。

ニポポ:
 (コメント)「一つだけで執着する人っているよな」って。本当に、何かに固執する方というのは、やっぱりいらっしゃるんだなと。

徳光:
 こだわりって、実は、結構いい解釈で使われること多いけど、あんまりいい意味じゃなかったりするというのも聞きますけどね。

図面にない部屋にあったのは……?

ニポポ:
 図面の通りになかったという事例が本当にあるのかないのかというお話をすると、所謂、建て売りであったり、自分たちはこういうお家を作りましたということで、国であったり、提出する図面であったりあるんですよ。その通りに建てられているお宅というのは、もちろんあるんですけど、そうでないお宅というのは、はっきり言って15軒に1軒くらいの割合であります。

徳光:
 結構な確率。

ニポポ:
 図面を提出した段階では、国は本来はノータッチなんですよ。だから、僕らが調査するのも30年前に登記された家なんだけども、行ってみたら全然違う。

徳光:
 それは何の目的で違うようにしているのですか?

ニポポ:
 例えば、固定資産税です。

徳光:
 それは分かりやすいですね。

ニポポ:
 分かりやすい事例としては、固定資産税を安く抑えたいということで、国の調査が入ったあとに、例えば、ソーラーパネル付けるとか、あとは3階を増設するとか、屋根裏を人が住めるようにしちゃうというのがあるんです。

 僕、この仕事を始めて数ヶ月という時に、x県の凄い閑静な住宅街で、そこは、バブル後半ぐらいに造られた新興住宅地で、当時のお金持ちが集まってた。その中でも、一番日当たりのいい一角に大豪邸があるんですよ。そこに行ったんだけれども、入ったら吹き抜けがドーンとあって、シャンデリアで、むちゃくちゃ綺麗なんですよ。

徳光:
 Vシネマに出てきそうな?

ニポポ:
 本当にハウススタジオなんじゃないかというぐらい凄いところで、「これ、もったいないですね」って言いながら、みんなで話して入っていったんですよ。図面通りにチェックしながら、「ここ、同じですね」って言って、傷みもどのくらいかって調べていくんですけど、見渡していると、平屋建てなんですけど、図面上2階があるんですよ。

徳光:
 しっかり見てもないんですか?

ニポポ:
 ないんですよ。

徳光:
 階段というのは?

ニポポ:
 階段がないんです。

徳光:
 山の牧場みたい。

ニポポ:
 (笑)。そうそう、平屋建ての。ところが、「これ、しっかり調査しましょう」ってなって、押入れ開けたり調べてみたりしてたのですが、一部の壁がベニヤの厚さで……って分かります? 5㎜ほど浮き出ているんですよ。まさに、ここに茶色い板があるんですけど……。

徳光:
 これですね。

ニポポ:
 この感じで、90㎝ぐらいが階段とかの「半間」と言うんだけど、上がっていくサイズなんだけど、その半間ぐらいが5㎜ぐらい浮いているわけですよ。「これ、もしかして」と言って、叩いてみるとやってみるとバスンバスンというんですよ。これはやばいな、と。

 「これ、どうします? 剥がします?」と言って、やらなきゃ仕方ないから剥がしたんですよ。そうしたら、剥がしている時点から物凄い強烈な臭いがして……。

 臭いがバーッと来た時点で、僕らがまず心配するのって、死体があるんじゃないかという。

徳光:
 そう思いますよね。俺はそっちを想像しましたね。

ニポポ:
 その臭いと同時に上がってきたのが、動物の毛だったんですよ。これはやばいと思って、でも、調査しないといけないんで、こういうことになると、スリッパは即捨てになっちゃうんですけど、「仕方がない」と言って上がっていくんですよ。そうしたら、階段を上がっていくにつれて、臭いがどんどんきつくなっていくんです。

 2階の床がベリベリに剥がれているんですよ。「なんだ、これは」と。奥に部屋があるんですけど、その部屋に入ると、人間がするぐらいのサイズの糞が部屋中にぶわーっとあったんですよ。「これ、一体なんだ」と思って、それでも調査しないことにはいけないので、調査するんですけど……。

徳光:
 仕事ですからね。

ニポポ:
 仕事ですから。そうしたら、どうやら大型犬がここに軟禁されていたみたいで。

徳光:
 かわいそう。アフガン・ハウンドとか、セント・バーナードとか。

ニポポ:
 可愛がられていた子だったんでしょうけど、そこの部屋にベッドが1個だけあるんですよ。そこに毛布と同化するぐらいぺちゃんこになって死んでいたという。

徳光:
 かわいそうですよね。それだったらペットショップに売るとか、保健所に持っていくとか。

ニポポ:
 実は、ペットを飼育放棄してしまう、「ペットネグレクト」と言うんですけど、この他にもめちゃくちゃ多いんですよ。例えば、今年10月までと考えても、もう5軒ぐらい。それの参考がてら見せてしまいます。

徳光:
 えぐい?

ニポポ:
 まぁ、えぐいですね。

※ショッキングな内容が含まれるため、画像に加工を施しています。元の画像は放送ページよりご覧ください。

 黒く点々しているのが全部糞です。

徳光:
 これ、猫ちゃんの糞ですか?

ニポポ:
 そうですね。このキャットタワーというのは、動物たちもストレスで逃げようとして倒しちゃったり、壁の方にもかなり上のほうまで登りたかったんだろうな、というような爪痕が残っていたり。あと、キッチン周りに通気口があるんですけど、通気口って、外の空気が来るじゃないですか。あそこから何とか逃げ出そうと思っていたらしく、凄い掘り下げられていたりとか、そういったことがありますね。


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