「ゴミ山の下に腐った死体」「腐乱した犬の死骸があった隠し部屋」…“不動産執行人”が実際に見たヤバすぎる現場の数々
見落としていた、猫サイズのネズミがいた現場
ニポポ:
地方都市の飲み屋街があって、人口減の波って今凄くて、もうバンバン人が出ていくんですよ。
徳光:
結構、シャッター商店街にみんななっちゃっていますもんね。
ニポポ:
数年前まで繁盛していた飲み屋街が、パブやスナックだってあるところがまったく機能してなくて、地方都市のゴールデン街みたいなところに、1戸だけ小さな平屋建てがある。そこが不動産の差し押さえになると、我々が行くわけなんだけど、そこ行ったら、その日が雨で。雨の不動産執行、嫌なんですよ。
徳光:
湿度があって、夏場だったら臭いもあるでしょうしね。
ニポポ:
あと、虫。室内に集まってきちゃうから。
徳光:
虫はキーワードになってくよね。
ニポポ:
オーナーさんと連絡がつかない時って、鍵開け事件と言って、鍵を強制的に開けちゃうんですよ。
徳光:
開けていいんですね? 権利があるということなんですよね。
ニポポ:
そうなんですよ。公務なので。
(コメント)「ガラス弱いし」って、我々は、破壊はしないんです。さっき話していたベニヤを剥がしたのが唯一の事案。これも、もしかすると数年後には変わってくるかもしれない。というのも、鍵が凄い特殊になりつつあるので。
話がそれちゃいましたけど、鍵を開けたら「ゴミ屋敷になっていますね。気をつけてください」と。鍵を開けてくれた方はそのまま中に入って、玄関を開けてくれて、中に入ったらゴミ屋敷で。もう臭いが酷いし、膝丈ぐらいまでずっとゴミで。
徳光:
なるほど。
ニポポ:
さらにハエと蚊。もうこれが凄くて。
「これ仕方ないけど、行きましょう」と言って。あまり酷い家とかって、土足であがっちゃうんですけど、そこの家はたまたま全面畳敷きだったんですよ。ちょっとゴミはあるけど、畳敷きだからスリッパで入りましょうと。スリッパで入るんですけど、ゴミの上を歩くんですよ。
早く終わらせたいという思いがみんな強くて、しかも雨も降っていますし、家の中は雨漏り。これ、酷い環境だなと思ってやっていたんですけど、この不動産執行のリーダーというのが、執行官という裁判所の方がやってくるんですけど、その執行官が早く終わらせたいあまりに、どんどん先に行くんですよ。そして、どんどん先に行っていたら、凄い叫び声が聞こえたんですよ。
何の叫び声かと思ったら、「ネズミーー!」と言って。もうドラちゃんですよ。
徳光:
ゴミ屋敷なのに、ネズミは駄目なんですね。
ニポポ:
そう。ここでみんなゲラゲラ笑って、凄いダンディーな人だから「何やってるですか」みたいな(笑)。
それで、僕らも奥の部屋に行ったんですよ。そしたら、その人が叫ぶのが分かるぐらいのネズミ。ネズミなんだけども、猫ぐらいのサイズがあるんです。
徳光:
結構、栄養たっぷりだったんですかね。
ニポポ:
ゴミの下でガサガサいってるし、めっちゃすごいスピードで動く。これ、確かに怖いなと思って。
「これ、怖いですね」と言って、調査をしたけど、とにかく価値のない物件だったんで、撤収しましょうと。執行官からも「恥ずかしいところ見せちゃって」と。本当は家と家との境界線のトラブルを調べに隣家とか行くんですけど、今回行けなくて、「後回しでいいですよ、帰りましょう」と言って、その夜帰ったんですよ。
その執行官が、次の現場で、慌ててやってきて、「どうしたんですか?」と言ったら「あのネズミの現場覚えています?」「いや、もちろんですよ」
そういう話をしていると、「あそこのゴミの中から死体が出てきた」って。
徳光:
うわぁ。じゃあ、気がつかなかったんですね?
ニポポ:
全然、気がつかなかった。僕らもゴミ屋敷に入って、虫がいたり臭いが酷かったりという現場はあるのに、ネズミがいるということを見落としていて。本来、ネズミがちょっと多いという案件で察するべきだったんですよ。分かんなくて、しかもみんなで走り回っちゃったもんだから、執行官が「言いにくいんだけど、死体が出てきた。相当崩れていたらしいよ」と。
徳光:
死体を踏んでいたかもしれない。
ニポポ:
あれはちょっとグッときましたね。
徳光:
ネズミがいるということは、まだ餌があるということだからね。虫とかだったら、そうじゃなくてもいるけど、ネズミは餌がないと生きていけない。
ニポポ:
しかも、それが大量にいたという。
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