暗黒時代を乗り越えたプロ野球チームたち…64年近鉄の100敗、05年楽天の初年度最下位や広島の解散危機など敗戦の歴史を振り返ってみないか?
今回紹介する、George/動画投稿さんは自身が投稿した『[プロ野球]パワポケの「どんなに弱いチームでも3割は勝つ」は本当か調べてみた!![ゆっくり雑談]』という動画では、音声読み上げソフトを使用して、同人ゲーム『東方Project』の霧雨魔理沙(きりさめ まりさ)と博麗霊夢(はくれい れいむ)のふたりのキャラクターが、ゲーム『パワプロクンポケット』内の「どんなに弱いチームでも3割は勝つ」というセリフを、過去の歴史と照らし合わせていきます。
■勝率3割以下になるにはペナント100敗ペースが必要
霊夢:
今回はチーム勝率について語ろうと思うんだけど。魔理沙:
「どんなに弱いチームでも3割は勝つ?」霊夢:
これは『パワプロクンポケット』で実際にあったセリフで、今回はこれが本当なのか調べていきます。そもそも勝率3割って、どれくらい負けないといけないのかを計算してみるよ。今年は違うけど、今のプロ野球は143試合あるから……。
魔理沙:
勝率3割ってことは、143×0.7で100敗必要ってことか。霊夢:
これは真中監督がガッツポーズした2019年のヤクルトスワローズでも、真中監督がシャワーが長いと文句を言われた2017年のヤクルトスワローズでもできなかったよ。最近はシーズン80敗も珍しいからね。96敗とか、ぶっちゃけ歴史が動いたと言っても過言ではないね。
霊夢:
ほかに勝率3割を切ってそうなイメージがあるのは、2010年前後のTSBベイスターズだよね。多くの選手とファンが絶望した5年。魔理沙:
セ・リーグの最下位が聖域扱いされたり、ある意味絶対王者と言われたとか、これは1回ぐらいは3割きっててもおかしくない。
霊夢:
ところが1回も切ってないんだな。
■勝率3割以下のチームは意外といる
魔理沙:
ただあんなチームでも100敗いかないのなら、もう100敗するチームなんて存在しないんじゃないのか。霊夢:
いや、実は存在するんだよ。1964年、今は存在しない近鉄バファローが36勝103敗1分という、ある意味すごい成績を残しているよ。勝率3割以下のチームは実在したんだ。この年はシーズン140試合、1週間で6試合しても週に勝てるのは1回か2回。当時のファンはどう思っていたのだろうか。
魔理沙:
ちなみに勝率3割以下のチームは近鉄バファローだけなのか?霊夢:
それが意外にも結構いるんだよね。1958年の近鉄パールス、1937年のイーグルス、さらには2005年の楽天イーグルスも3割を切っているよ。
魔理沙:
結構最近だな。霊夢:
この年は楽天が新規参入した直後の年だから、仕方ない面もある。魔理沙:
というか、やっぱりパワポケのポニテの子は嘘を言っていたんだな。
■勝率3割以下なら解散!? 広島カープがあわや解散危機に
霊夢:
確かに勝率3割以下のチームは実在したけれど、パワポケのポニテの子の言っていることが本当だった時代があるんだよ。魔理沙:
つまりどういうことだってばよ。霊夢:
1952年、当時のセ・リーグは8チームも所属していたんだけど、8チームは多すぎるからという理由で、シーズンのチーム勝率が3割以下のチームは消滅することが決まったんだ。実際、この年の松竹ロビンスが勝率2割8分8厘で解散しているよ。つまり勝率3割以下のチームはチームでなくなる。それを言い換えると、どんなに弱いチームでもチームとして存在する限り、3割は勝つということなんだね。
魔理沙:
それでポニテの子は、「どんなに弱いチームでも3割は勝つ」なんて言ったのか。霊夢:
時代が全然違うから、それが本当とは言えないけどね。あとさらにもうひとつ。今でこそ3年連続リーグ優勝するぐらい強い広島東洋カープだけど、実は1952年の8月までは勝率3割を切っていたんだよね。もしこの年のカープが勝率を3割切ったままだったら、今のカープは存在しなかっただろうね。
魔理沙:
真中監督の96敗より、こっちのほうがよっぽど歴史が動いた出来事じゃねーか!
勝率3割以下を切るのは、よほどの暗黒時代が到来しないとなさそうな感じではありますね。今年は年間120試合に縮小されたプロ野球ですが、贔屓の球団が勝てるように、みなさんもステイホームで応援しましょう。
解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。
『[プロ野球]パワポケの「どんなに弱いチームでも3割は勝つ」は本当か調べてみた!![ゆっくり雑談]』
ーあわせて読みたいー
・明治時代の野球は風当たりがキツかった!?「盗塁はペテン」「キャッチボールは脳に悪影響」知識人によるトンデモ野球批判『野球害悪論』の正体
・スペースコロニーで野球ってできるの? 落下地点がずれてキャッチャーフライがホームランに!? ボールは壁面へ激突…物理の知識を総動員して計算してみた