意味が分かると怖すぎる名画…バレリーナの背後にいる黒ずくめの男の正体とは? 「これ教科書に載せたらあかんやつ」
今回紹介する動画は、かやさんの投稿した『意味が分かると怖いすぎる絵【VOICEROID解説】』です。芸術の秋。少し違った視点からアートを解説しています。
こちらの絵はドガ作『踊りの花形』です。中央にいるのはバレリーナ。舞台の上には顔の見えないおじさんがいます。斬新な構図、見事な光の表現、絶妙なタッチが魅力な絵で、ドガ随一の人気作です。
一体この絵のどこが怖いのでしょうか? バレエというと、裕福な家庭の子供達の稽古事というイメージを持つ人が大半だと思いますが、過去の歴史の中ではそうでもないのです。
劇場、とりわけオペラやバレエを上演するオペラ座は、ドガがこの絵を描いた19世紀当時において社交場という性質が強くありました。
裕福な貴族や紳士たちが定期的に席を予約し、見合いの場や毎シーズンの社交の場として利用されていました。
彼らの利用した桟敷席は飲食自由で、カーテンを閉じればそこで何をしようと構いませんでした。また。これらの高額桟敷席を持つ客は、上映中であっても自由に楽屋や舞台袖に出入りする権利を持っていたのです。
つまり当時のオペラ座は上流階級の男たちのための娼館だったわけです。もちろんその娼館に常駐している娼婦は踊り子です。当時のバレリーナは、娼婦と紙一重とされていたわけですね。
もともとオペラはバレエの添え物で、ほんの一握りの突出したバレリーナを除き、誰も彼女たちを芸術家と考える人はいませんでした。踊り子たちにとっても、バレエ芸術を極めるよりは、まず良いパトロンを捕まえるのが先でした。桟敷席を利用する男たちもそれは承知の上。両者の思惑が一致すればパトロンとなり、貴族は愛人のために無理を通したのです。
さて『踊りの花形』の舞台袖で踊り子を見つめる男は、踊り子のパトロンです。彼女の首に巻かれたリボンの色が紳士の服と同じ黒であることも、それを暗示しています。
ドガ自身も上流階級出身。踊り子に対する偏見も持っていたことでしょう。彼は他にも多くの踊り子を描いていますが、どの絵の踊り子も同じ様な顔、無個性な顔をしています。
この絵の怖さは、華やかな舞台裏で渦巻く金と愛欲にまみれた闇と、そんな現実をただ淡々と美しい絵に仕上げた画家がいたことと言えるでしょう。
この動画では、他にもブロンツィーノ『愛の寓意』にまつわる「怖い話」をご紹介しています。
ぜひ、全編動画でご覧ください。
視聴者のコメント
教科書には載せたらアカンやつ
他のバレリーナが喰われてるように見える
ちょっと絵上品なキャバレーみたいなもんか
▼動画はこちらから視聴できます▼
―あわせて読みたい―
「『6歳児が指で描いたみたい』ヘタウマ画家ルソーはなぜ人々の心をつかむのか? ピカソが彼を絶賛した理由が深い」」
「“バベルの塔”が建てられた理由は洪水対策だった! 旧約聖書に書かれていないユダヤ教の伝承から、驚くべきヒミツをゆっくり解説してみた」