2Dアクションゲーム『添丁の伝説』のモデルになった“台湾のネズミ小僧”廖添丁(りょうてんてい)の武勇伝を解説
今回ご紹介する動画は、世界史の探求者 色即是空さんの投稿した『台湾の鼠小僧「廖添丁(りょう てんてい)」[色即是空]【動画で語る世界の歴史】【ゆっくり解説』です。
投稿者メッセージ(動画説明文より)
今回は、先日ゲーム化された「台湾の鼠小僧」こと「廖添丁」のご紹介です。
日清戦争後日本の統治下に入った台湾において、日本警察を煙に巻いた怪盗として、演劇が上演されドラマ化され漫画化され小説化されるなど、台湾ではヒーローとして大変有名なのだそうです。
台湾のねずみ小僧「廖添丁(りょう てんてい)」。
廖添丁は、日本の江戸時代に活躍した義賊「ねずみ小僧」と同じく、日本統治下の台湾で義賊として活躍した人物です。廖添丁は抗日運動の象徴ともなった人物です。
今でこそ親日として有名な台湾ですが、日清戦争後に日本が台湾を支配した当時は日本軍がかなり苛烈な支配を行ったため、地元の人々の抵抗運動も激しいものでした。
そんな当時、台湾で数々の窃盗を繰り返していたのが廖添丁です。たった100年ちょっと前の出来事ではありますが、彼の活躍は実のところあまりはっきりしていません。
史実としては日露戦争の1909年に、統治者である日本の警察から銃や弾薬などを奪い、大恥をかかせたということです。
それまでも「捕まらない男」として、地元民や日本警察の間で話題になっていたかなり凄腕の窃盗犯だったようですね。走行中の電車の中で警察に見つかり、そこから飛び降りて谷底に落ちたものの生き延びたというエピソードもあるようです。
その派手さから、欧米では「台湾のロビン・フッド」と呼ばれているようです。
結論としては廖添丁が実際にどのような活躍をしたのか、確実な話はほとんどありませんが、日本に統治されていた台湾では一部の役人に汚職がはびこっていました。彼は、日本警察と手を組んであくどい手段で財を成した金持ちから財宝を奪い、高い窓から飛び降りたり、屋根伝いに逃げ回ったり、ときには老婦人に変装するといった英雄としての活躍が伝えられています。といっても、フィクションとノンフィクションが色々と混じっているようではあります。
廖添丁が亡くなったあと日本人が経営する劇場で彼を題材にした演劇が上演され、大好評だったことから彼の人気ぶりがうかがわれます。
彼の墓にはお参りの人が絶えず、供え物で墓があふれかえり、お線香を立てるスペースもなくなったりしたぐらいだったそうです。
しかし、統治する日本警察にしてみれば憎き盗人の墓。ついには線香を立てることを禁止しますが、それがかえって台湾の人々の心に「抗日の英雄」として廖添丁のイメージを強く植え付けることになりました。
廖添丁は、ねずみ小僧のように盗んだ金品を貧しい人に配ったということはありませんが、彼が英雄視されているのは、日本の植民地支配に不満を抱いていた人々が、日本警察を翻弄させた彼を抗日的な英雄に昇華させたためではないかと言われています。
第二次世界大戦後に廖添丁を祀る寺院設立の計画が立ちましたが、彼の活躍については歴史的な根拠がないとして却下されます。その代わりに、三国志の英雄である関羽を祀る寺院を建設し、廖添丁を副祭神として祀ることになりました。彼は指名手配された犯罪者から、崇拝される神様となったのです。
ロビン・フッドもねずみ小僧も、実際のところは義賊としての活躍は記録に残っていないそうです。その意味では確かに廖添丁は台湾のねずみ小僧そのものといった感じですね。
視聴者のコメント
どの国でも義賊はいるものだな
えらく出世したな
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『台湾の鼠小僧「廖添丁(りょう てんてい)」[色即是空]【動画で語る世界の歴史】【ゆっくり解説』
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