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声優・緑川光が語る、セリフ一文字にも感想をくれるファンが気づかせてくれた“自分の魅力”――「『おはよう』の『よ』が良かった! って凄くないですか!?」

■分岐点3:「安定する発声」に切り替える決断をしたこと

――では最後の、3つめの分岐点は?

緑川:
 そうですねえ……よく取材で話すことですが、『勇者特急マイトガイン』で、雷張ジョーというクールな美形キャラを初めて演じて、そこでディレクターの千葉耕一さんの公認で、それまでやったことがないようなボソボソとした芝居を試したんです。

画像は『勇者特急マイトガイン』公式ホームページより。

 今だとマイクにポップガードがあるので、近づいて芝居をするのは普通ですけど、当時は違って、マイクに近づくと吹いた音が乗ってしまうのでよくないと言われていました。そこを千葉さんは、マイクに近づいて、あえて外すようにしてやってみてほしい、と。
 そうやってジョーを演じながら修行したものが、のちの流川楓やヒイロ・ユイでの芝居に繋がっていった。
 そこは大きな分岐なんですよね。そもそも自分はカッコいい美形の役をやれると思っていなかったんです。

――そうなんですか?

声優・緑川光が語る、セリフ一文字にも感想をくれるファンが気づかせてくれた“自分の魅力”――「『おはよう』の『よ』が良かった! って凄くないですか!?」

緑川:
 声質から考えると、元気な少年役しかやれないと感じていたんですよ。
 そうしたら『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』でいきなりすごいイケメンの、新条直輝役に選ばれて、「どうしよう!?」って思った。
 その前に美形を演じたのはちょっとした端役だけでしたし、そもそも『サイバー』が初めての番組レギュラーだし。
 しかももらったキャラクターデザインには、いのまたむつみ先生【※】のサインが描いてあるんだけど!? と(笑)。

※いのまたむつみ
ゲーム『テイルズ オブ』シリーズなど、数々の人気作でキャラクターデザイン・イラストを担当してきた、人気イラストレーター。キャリアの始まりはアニメーターで、『プラレス3四郎』『幻夢戦記レダ』などのキャラクターデザイン・作画や、アニメ誌での描き下ろしピンナップを通じ、その華やかな絵柄の魅力で80年代・90年代のアニメファンから絶大な支持を集めた。他の代表的な仕事に『宇宙皇子』『風の大陸』『ブレンパワード』など。

――アニメ雑誌を読んでいた立場からすると、とてつもないスター・アニメーターの名前が(笑)。新条は当時も人気がありましたし、ハマり役だと考えられていたように思いますが、緑川さんとしてはまだそこでは、自分の美形役に手応えがなかったんですか?

緑川:
 思っていなかったんですね。新条くんがレースで苦戦して荒れる回があって、そこで覚悟を決めはしたんですけど。その回はセリフも多かったし。
 これは余談になりますが、チェッカー杉本役をやられていた事務所の先輩の塩屋浩三さんが、そのアフレコの前日に、いつもだったら飲んでいるはずの大好きなお酒を止めてくださっていたと、あとから人づてに聞きました。
 「うちの若い緑川ががんばるから、俺もがんばらなきゃな」と。
 ありがたいな、期待してくれているのかなって、うれしかったですね。

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――素敵ですね。

緑川:
 でも、そうだなあ……そうした大きい分岐がいくつかあって、どれも大事なんですが、今の自分に繋がるような、さらにその先にあった分岐点と考えると……「芝居が変わったとき」になるかな。

――「芝居が変わったとき」ですか?

緑川:
 常に自分の芝居をより良くしたくて、いろいろと研究しているんですけど、よく「喉でやる芝居はよくない」というじゃないですか。

――口先でコントロールするな、腹でやれ、みたいな話はときおり耳にします。

緑川:
 とはいえ、完全に喉声じゃないですけど、声優には喉で芝居をやるときもあるんですよ。そこってあんまりコントロールできないんです。
 お腹でやってるほうがコントロールできるんですけど、感情が乗ってくると、自然と喉声になるときがある。

声優・緑川光が語る、セリフ一文字にも感想をくれるファンが気づかせてくれた“自分の魅力”――「『おはよう』の『よ』が良かった! って凄くないですか!?」

 自分の中で、それがなんか安定しないな、いまいち決めたいときに決められるときと、決められないときがあるなあ……とぼんやり考えていた時期が、声優としての仕事が長くなってきたころにあったんです。
 それがあるとき、「こういう発声にしたら、安定するかもしれないな」と、ふと気がついたタイミングがあったんです。
 仕事の現場とかではなくて、自宅の風呂場とかですけど(笑)。

――それくらい、日常的に考えておられた。それで変えようと?

緑川:
 そのやりかたにシフトすると、前のお芝居ができなくなる気がして、いきなり切り替えるのは躊躇しました。
 でも、喉に頼った芝居を続けていると、喉によくないことはわかっているのだし、今の俺はそっちに行くべきかな……と。
 そう判断して、一生懸命練習して発声を変えたものの、結果、当時演じていたキャラクターの声のトーンが低くなっている気は、やはりしました。
 ただ、前の発声だとあまりコントロールできなかったお芝居が、新しい発声だと細かくコントロールできる。
 トーンの違いはあっても、芝居のさじ加減はものすごく細かくなったんです。
 安定して、狙った芝居ができるようになった。だから結果的に、そこで切り替えたのは良かったのかなと思います。

――出来事というより、自分の中での大きな気付きが分岐点。おもしろいです。

緑川:
 声優さんって、いろんなタイプの方がいらっしゃるんです。
 中には「絶対にこのセリフはこの演技です!」って譲らない人もいる。それも間違いではないと思います。お芝居のやり方に正解はないので。
 でも僕は、人が求めているものを、いかに求められているものに近い形で出すことができるかが大事だと思っているんです。
 それだけの声のコントロールができるのが「声優」だと思っている。そのための技術を手に入れられたのは、よかったなと。

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 人って年齢と共に、当時と同じ気持ちで同じセリフを言ったとしても、絶対にトーンが変わるんです。
 この仕事を長く続けていると、いかにそれを昔と同じところまで戻せるのかが重要になってくる場面も多いです。
 それはディレクターさんに言われないとわからない部分もあったりするわけですよ。
 自分としては気持ち良くやれているけど、もうちょっとピッチが……というところがある。
 言っていただければ、それは調整できる。そうした共同作業も、声の芝居には必要かなと思うんですよね。

――分岐点を経てからも、声の調整は現在進行形で、その姿勢はずっと変わらない。

緑川:
 そうですね。やっぱりファンの意見だったり、いろんなところから情報をゲットしてきて、「今、どういう状況に自分の声はあるのかな?」みたいなことを考え続けたい。
 難しいんですよね。昔と声が違っていても、いい芝居をしたら結果オッケー、って部分もあるじゃないですか。
 でも、当時と声質が近いほうがうれしい部分もあって、でも、トーンを調整している時点で、その演技は純粋じゃないんです。
 気持ちは純粋でも、声は調整されたものになっていて、自分の中から自然と気持ちに合わせて出てくるものじゃない。

声優・緑川光が語る、セリフ一文字にも感想をくれるファンが気づかせてくれた“自分の魅力”――「『おはよう』の『よ』が良かった! って凄くないですか!?」

 でも、聞いてくれる人が、その調整した声をいいと思ってくれるなら、そこで演者の気持ちを優先するのはエゴであって、間違っている気もする。
 そういう一つひとつの場面で、求められるものに細かく対応していける声優でありたいな……という気持ちはありますね。
 「声優」というよりも、「声の職人」でありたいなと。
 自己満足じゃなく、ファンの方はもちろん、原作者さんだったり、監督だったりが望んでいるものをなるべく出したいと思っているんです。

――となると、声優としてのお仕事に、緑川さんご自身の「エゴ」はない?

緑川:
 自分が「喜ばせたい」と狙っているポイントに、ファンの方が上手くハマってくれたときに、「……ヨシ!」と思います。
 だから普通のセリフを言うときも、さりげなく自分ならではの何か、緑川節のようなものを芝居のエッセンスとして入れているところはあるでしょうね。具体的にどこがどうというのではなく、そこかしこに、自分でも気づかないくらいの感覚で。
 もちろん、必要以上にはやらないですけど。それがあえていうなら、「エゴ」の部分じゃないかと。

声優・緑川光が語る、セリフ一文字にも感想をくれるファンが気づかせてくれた“自分の魅力”――「『おはよう』の『よ』が良かった! って凄くないですか!?」

 もともと自分の魅力に気付かせてくれたのはファンの方なので。
 さっきお話ししたファンレター以外にも、たとえば「『おはよう』ってセリフの、『よ』がすごくよかったです!」 みたいな感想をいただくことがあるんです。
 凄くないですか!? ひとつのセリフとか、単語レベルならまだしも、「よ」ですよ?

――精密な聴き方ですね。

緑川:
 そこまで反応してくれるの!? って、本当に驚きました。
 だったらそういう、喜んでもらえるところを理解した上で、意図的に、それでいてさりげなく出していきたい。
 そうやって使いこなせたら、役者としての強みにもなるのかなと考えています。

■「オートプレイの周回を待ちながら、台本のチェックを」緑川さんのゲーム事情

――そうしたターニングポイントを踏まえて、2023年の緑川さんが、現在注力していることはなんでしょう?

緑川:
 「健康」ですね。健康であれば、他の何か問題があっても、なんとかカバーできそうなので。
 あと、健康じゃないと、やっぱり声を上手くコントロールできないんですよ。
 普通だったらここまでの音域が出せるのに、出ないときのストレスって、大きいんです。
 それによって計算が全部狂っちゃうから、芝居が不自然になるんですね。
 風邪を引いたら、芝居に限らずとにかく自分の声が聞きたくなくなるというか、日常生活ですらしゃべりたくなくなりますもん。

声優・緑川光が語る、セリフ一文字にも感想をくれるファンが気づかせてくれた“自分の魅力”――「『おはよう』の『よ』が良かった! って凄くないですか!?」

――健康のために特別に気を使われていることはありますか? 何か運動をされるとか。

緑川:
 そんなに積極的に運動はしてないです。
 そうですね……毎日鼻うがいはしていますね。
 去年、新型コロナにかかったんですけど、実は治ったあとも後遺症で少し苦労していたんです。
 そんなときに助けてもらった病院で、鼻うがいを勧められて、それからずっとやっています。

――地道な健康管理ですね。しかし鼻うがいって痛くないですか?

緑川:
 やり方次第だと思いますよ。
 たしかに僕も上手くできなかった時期があったんですけど、薬局である商品を教えてもらって、それを使うようになってから快適にやれていますね。

――緑川さんといえばかなりのゲーマーのイメージもあって、ゲームと健康管理の両立はどうされていますか? 実は自分は、ハマると16時間くらいぶっつづけでゲームをやってしまうようなタイプなのですが……。

緑川:
 ぶっ続けは体調悪くなりそうですね(笑)。
 年齢とともに、そうじゃない方向のプレイスタイルにシフトしていったほうがいいかもしれない。
 あと、ゲーム中はずっと同じ姿勢ですか?

――基本的には。

緑川:
 それは絶対によくない。僕は整体にも通っているんですけど、注意されるポイントですね。
 ずっとゲーム画面を観ているのもそうだし、とにかく同じことを続けるのは負担が大きい。
 ゲームが好きで、どうしてもやめられないなら、変えられる部分を変えたほうがいいです。
 そういうものの魅力も当然わかってるんですけど、年齢とともに、体に害をかなり及ぼす危険性があると思うので。
 先輩としてアドバイスしておきます(笑)。

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――ありがとうございます! ……って、すみません。取材なのに、こちらの悩みを聞いていただいて。ちなみに、最近の緑川さんのゲーム事情は?

緑川:
 仕事で関わらせていただいたものを中心に、関係ないものも完全に趣味としてやっています(笑)。
 タブレットの二画面にできる機能が便利なんですよね。ふたつのゲームが同時に進められる。
 オートプレイの周回やスタミナの回復を待ちながら、同時にスマホで仕事の台本のチェックをしています。
 やる場所は基本、外ですかね。自宅にもゲームはあるんですけど、モニタ の前にいられる時間があまりないし、部屋に籠もってばっかりいると嫁に怒られるし(笑)。
 昔は一緒に『ラグナロクオンライン』をやったりしていたんですけど、嫁はそこまでゲーム好きでもないので、今はそういうこともなく。

――ご自身が出演されたゲームをプレイされるのは、キャラクターの理解をより深めようとか……。

緑川:
 いや、ただオタクだからですね(きっぱり)。
 自分が演じたキャラクターとともにゲームをやることもありますし、そうじゃない形でパーティーやデッキを組むこともあるんですが、やっぱりもともと好きだったゲームの世界観に自分の声が付いたキャラクターが実装されたときの「来た!」って感覚は、うれしいものです。
 誰もが味わうことができるものではないですし、たまらないものがあります。

――ぜひそのうち、ゲームをテーマにあらためて取材させていただきたいです(笑)。

緑川:
 仕事関係のチェックは、絶対ゲームをやりながらしますからね。
 僕の場合、逆にやってないとはかどらないんです。
 ものすごい量のチェックするものがあるから、それだけに集中してやろうとすると、かえって飽きたり、疲れたりしまう。
 でも逆にゲームばかりやっていると、こっちはこっちで罪悪感がわくんです。
 両方を同時に進めることで、良い感じの心地よい緊張感が保てるんですね。

――はてなブログを拝見すると、ご自分の関われた作品のコラボイベントにもマメに足を運ばれている。プライベートと仕事のあいだで、素晴らしいサイクルを構築されている印象です。

緑川:
 コラボの場所に行くのも、楽しいからというのももちろんですけど、常にどういう世の中か知っておきたいな、という意識もあるんです。
 ネットを調べたりするのもそうですね。知っておくことでファンの求めているものもわかるし、後輩のやっていることを見て、「いいものを持っているな」と思ったら、そのやり方を盗もうと思う。
 もちろん、先輩からだって刺激を受けます。そうやって常日頃からリサーチをかかさないことで、あまり古い人間になりたくないかなと。

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 年齢を重ねる中で、ナレーションだとか、他のジャンルの仕事にシフトして、アニメに出なくなる声優さんもいます。
 でも僕は、幸いにも大好きなアニメにずっと携わることができている。
 それどころか、若い声優さんたちに混じって、未だに高校生の役を演じたりもしているんですよね(笑)。

――声優という仕事の醍醐味のひとつですね。

緑川:
 そういうときに、発想や芝居に柔軟性がないと置いて行かれると思うし、そもそも先輩面したいと思わない。
 演技に「正しさ」なんてないですからね。そのときどきのディレクターさんが求めているものを、きちんと表現できればいいと、僕は考えています。
 だから自ずと考え方が変わっていくんでしょう。
 たとえば、「素人っぽい芝居」というものを否定する人がいますけど、それが作品の中で求められる状況はある。
 「こうあるべきだ」という考えを持ち過ぎないほうがいい。
 僕はその点、許容範囲が広いんですよ。なんでも「別にいいんじゃない? 人それぞれだよね」と思えるんです。

――最近の若手で、特に「この人はすごい!」と感じた方はいらっしゃいますか?

緑川:
 若い人はみんなすごい(笑)。皮肉でもなんでもなく、本心でそう思いますね。
 だから「この人」というのはないです。むしろ、そういった意味で意識するのは、今生き残っている同年代の人かな。
 子安武人さん【※1】とか、伊藤美紀さん【※2】とか。そういう人たちの名前を目にするたびに、「あの人もまだがんばっているから、俺もがんばり続けたい」と強く思います。
 あんまり現場で一緒にはならなくなってきているけど、活躍は目にするというか、耳にするというか、バリバリですよね。じゃあ、負けられないな、と。

※1 子安武人
ティーズファクトリー代表取締役。声優。代表作に『ジョジョの奇妙な冒険』ディオ・ブランドー役、『銀魂』高杉晋助役など。

※2 伊藤美紀
大沢事務所所属。声優。代表作に『ひぐらしのなく頃に』鷹野三四役、『Fate/stay night』藤村大河役など。

――これからの未来に向けた、お仕事の上での何か目標はありますか?

緑川:
 ないですね。ただ、時代がどんどん変わって、VRなり、いろいろな新しいものが出てきているじゃないですか。
 そういう最先端のものに声優として関われる機会をいただけるなら、どんどん新しいものにチャレンジしていきたいですね。
 メディア的に面白いものをやっていきたい……っていうのはあります。
 声優の可能性を広げたい。何年か前なら、「そういうことまで声優さんはやらないだろう」と思っていたことまで、どんどん仕事の領域が広がっていったじゃないですか。
 これから先もそういうのがあるだろうから、そのときに声優という職業として、何かお手伝いできることがあれば、積極的にしていきたいなって思っています。

――演じてみたい役柄はどうでしょう? といっても、既にとても幅広い役を演じておられますが……。

緑川:
 そうですね(笑)。普通の仕事でもそうだし、ラジオとかで普段はやってないようななこともやれているので、「こういう役がやりたい!」というのはそんなにないです。
 ただ、自分が思ってもいないような配役をされたら、「どういう意図でこの役になったんだろう!?」とびっくりして、考えて、何かを引き出そうとは考えるでしょうね。

 そういう、その役に出会ったおかげで新しい演技の引き出しができたみたいな、いい出会いがこれからもできたらありがたいなと思います。
 依頼してくださる方が、「こうしたら、緑川の新しい何かを見られるんじゃないか?」と、ご自身の先見の明を示すような気持ちで役に選んでいただけることがこれからもあったら、うれしいですね。

声優・緑川光が語る、セリフ一文字にも感想をくれるファンが気づかせてくれた“自分の魅力”――「『おはよう』の『よ』が良かった! って凄くないですか!?」

 「人生における3つの分岐点」の連載では、これまでに多くの声優にインタビューを実施してきたわけだが、その中で「ファンから背中を押された」というエピソードが登場することは少なくない。
 本記事で緑川さんが紹介したのは、セリフの一文字にも思い入れを持つ熱烈なファンからのメッセージだったが、何気ないファンからの言葉が人生の分岐点になることもありうるだろう。
 そうした多くのファンの存在があるからこそ緑川さんは、人気声優となった今もストイックに声の職人であろうとし続けているのかもしれない、そう思った取材だった。

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