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意外と知らない「黄砂」の危険性を解説 呼吸器系への影響のほか、心疾患のリスクを上昇させる可能性も

 今回ご紹介するのはゆっくりするところさんがニコニコ動画に投稿した『春になると砂漠から届く『黄砂』の危険性 移動中に毒性が高まり日本に飛来 交通事故や呼吸器疾患などのリスク 対策法は?【ゆっくり解説】』です。

 毎年春になると花粉注意報と一緒に耳にすることが増える「黄砂」ですが、実のところこの黄砂が、どうして注意報がでるほどのものなのか、という事は知らない方も多いのではないでしょうか。
 今回投稿者のゆっくりするところさんが「黄砂」がどのように危険であるかについて解説します。


■「黄砂」とはなにか、その危険性について

魔理沙:
 ところで霊夢、「黄砂」というものを知っているか?

霊夢:
 知っているわよ。天気予報なんかでも見かけるもん。まあ、具体的にどんなものなのかはイマイチ分かってないけど……。

魔理沙:
 そういう人も多いかもしれないな。黄砂が日本に飛来するのは主に3月から5月あたりまでの春季だ。
 黄砂は健康被害などを引き起こす可能性があるので、気象庁や民間の気象サービスでは、必ず黄砂警報を発表しているな。

霊夢:
 洗濯物を外に干さないように、とか言われることあるもんね。

魔理沙:
 今回はこの黄砂とはなんなのか、どういった危険性があるのか、対策などについて解説したいと思うんだぜ。
 まず最初に、そもそも黄砂とは何なのか、についてだ。

 黄砂の主成分はケイ素化合物である「シリカ」やアルミニウム、鉄を含む粘土鉱物でできた、微細な砂粒のことだ。

霊夢:
 アルミなんてはいってるんだ……。

魔理沙:
 粒子の大きさは数マイクロメートルから、数十マイクロメートル程度と非常に細かく、黄色っぽい色が最大の特徴だ。

霊夢:
 ニュースの映像とか見ると、先が見えないくらい空気が黄色くなってたりするもんね。

魔理沙:
 発生源はモンゴル南部から中華人民共和国のゴビ砂漠、新疆ウイグル自治区のタクラマカン砂漠、中国北部の黄土高原など、主に中華人民共和国の方面から日本に飛んでくる。

霊夢:
 砂漠の砂だったんだ……。
 中国は近いと言えば近いけど、ニュースで注意しなきゃいけないほどどうやって飛んでくるのかしら?

魔理沙:
 黄砂が日本に飛んでくる仕組みは、自然の気象条件、地理的条件が噛み合わさった結果だ。
 発生源である砂漠などの乾燥地域で発生した、強風や砂嵐が砂塵を宙に巻き上げ、対流や乱気流によって上空へと運ばれる。

 黄砂は前述したように、その辺に落ちている砂とは違い、微細なパウダー状をしているため、上空で滞留しやすく、それがどんどん上空へと巻き上げられ、高度約10km近くを流れる高速の西風「ジェット気流」に乗って日本に飛んでくるんだ。
 このジェット気流の速度は、時速約100kmから300kmと非常に早く、巻き上げられた砂塵は中国から3日、早ければ1日で到着し、時に韓国を超え、北米西海岸に届くようなこともある。

霊夢:
 そ、そんなに遠くまで……。

魔理沙:
 春はジェット気流が東アジア上空で特に強く、安定していることで黄砂が運ばれる最適条件が整ってしまうんだ。

霊夢:
 だから春になると飛んでくるわけね。
 でも話を聞いていると、基本的には砂漠の細かい砂ってだけでしょ?
 天気予報で注意喚起しなきゃいけないほど危ないものなのかしら。

魔理沙:
 その砂が地上にあったときと同じ状態で、そのまま飛来してくるのなら、そこまで毒性は高くない。
 しかし黄砂は中国の工業地帯などを通過する際に汚染され毒性が高まるんだ。

 大気汚染自体は国境を超えるため、この汚染については、一概に中国だけの影響とは言い切れないものの、主に中国、インド、中央アジアからの汚染物質が要因とされており、日本に到達するころには、鉛、カドミウム、PM2.5、硫黄酸化物、窒素酸化物などのさまざまな汚染物質が含まれているため、健康被害を引き起こす可能性があると言われているんだ。

霊夢: 
 なるほど……砂そのものじゃなくて、砂に汚染物質がいっぱいついてくるんだ……。

魔理沙:
 2010年代の研究では、黄砂に含まれる硫酸塩や硝酸塩の濃度が、中国の大気汚染地域を通過した後に急上昇していることが確認されている。

霊夢:
 中国って、確か、大気汚染で都市の空気が不透明になった、みたいなニュースやってたこともあるくらいだもんね。

魔理沙:
 ああ。中国の大気汚染は都心部では特に深刻で、急激な経済成長、近代化、都市化による工業活動、排気ガス、石炭を使ったエネルギー生産などにより大気が汚染され、北京などでは大気汚染の影響で景色がかすみ、「世界最悪」と言われるほどだった。

 これを受け、2010年代から環境対策を行い、主に汚染源である工場を郊外に移し、段階的に排ガス規制などをおこなったことで、当時よりは改善はされているものの依然として深刻な社会問題となっているからな。

 これは2024年の情報だが具体的に言えば、例えば北京のPM2.5平均濃度は世界保健機構(WHO)の目標値の6倍にあたる数値となっており、地域の学校では大気汚染の状況によって、野外活動を制限するような日もある。

霊夢:
 そ、外で活動しないほうがいいレベルってよっぽどねそれ。
 そこを通過する黄砂が汚染されるのも当然ね……。
 それで、黄砂って吸い込んだりするとどんな危険があるの?

魔理沙:
 黄砂による健康被害はまだ未知の部分もあるが、現段階で報告されているのは、主に呼吸器への影響、アレルギー、心血管系へのリスク、皮膚への刺激、視界不良による事故リスクが主なものだ。
 吸い込んでしまうと、黄砂に含まれる微粒子が肺の奥深くに侵入し、そこで炎症を引き起こすため、咳、息切れ、のどの痛み、喘息の悪化などを引き起こす。

 九州地方などでは、黄砂飛来時に喘息患者の受診率が増加したという報告もあり、2007年には呼吸困難を訴える人が増加し、学校の野外活動が中止になったような例もある。

霊夢:
 かなり具体的な被害も出てるんだ……。

魔理沙:
 また、黄砂の微粒子は非常に細かいため、それが血流に入り込み、血管に負担をかけるほか、汚染物質が混じっていることで、心筋梗塞や、脳卒中のリスクが増加する(黄砂濃度がが高い日に心臓疾患の発症率が上昇したという研究も)。

 そのほかには洗濯物などに付着した黄砂が肌に触れることで、かゆみ、アレルギーなどを引き起こしたり、濃度が高い日には、視界不良による事故リスクの増加も懸念されている。

 通常、黄砂単体で即座に死に至るような強い毒性はないが、濃度が高い場合、短期的な呼吸困難、目、のどの刺激を発症するケースが報告されている。
 日本に到着するまでに黄砂濃度は低くなるので、現段階では自動車や、洗濯物の汚れに対する注意喚起程度にとどまっているが、近年は黄砂が人の健康へ与える影響についての関心が高まっている。

霊夢:
 それは感じるわね、よく報道されているし。
 でも、喘息を持ってる人とか、皮膚疾患がある人は気を付けた方がいいわよね。

魔理沙:
 そうだな。特に気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者については、症状悪化に伴う入院、受信数の増加との関連が報告されているので、対策は必要になってくるだろう。

霊夢:
 花粉の時期とも被っているしね……。
 対策って、外に洗濯物を干さない、とか?

魔理沙:
 そうだな、対策としてはマスクの着用、野外にいる時間を短くすること、洗濯物の外干しは控えること、そして、帰宅後すぐに入浴し、衣服を選択することなどがあげられるな。

霊夢:
 基本的には花粉対策と似ているわね。

魔理沙:
 ああ。だが、九州や西日本などの地域では、肉眼で物を見分けられる距離、「視程」が10km未満になるところもあるので、視界不良による交通事故などにも注意したほうがいいだろう。

霊夢:
 花粉症の人にとってはかなり厳しい時期だけど、みんなも気を付けてほしいわね。

魔理沙:
 そうだな、明確に「黄砂だけが原因だ」とは言い切れないが、黄砂が原因となり呼吸器系疾患やアレルギーを発症したと考えられる事例は国内で報告されているからな。
 過度に恐れる必要はないが、危険性や影響を正しく認識して、対策を取ることは大事なことだな。

 

 春の時期にジェット気流に乗って飛んでくる「黄砂」の危険性についての解説でした。花粉症と合わせて悩ませられる「黄砂」その仕組みや危険性について気になった方はぜひニコニコ動画でフルバージョンをご視聴ください!


▼動画はこちらから視聴できます▼

春になると砂漠から届く『黄砂』の危険性 移動中に毒性が高まり日本に飛来 交通事故や呼吸器疾患などのリスク 対策法は?【ゆっくり解説】

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