金鯱がきらめく尾張徳川家の「名古屋城」へ! 紋様が刻印された石の集まる場所や石垣の美しい曲線など城好き視点で解説してみた
今回紹介したいのは、ニコニコ動画に投稿された『【城郭登城祭第二陣】琴葉姉妹のお城さんぽ 金鯱煌めく尾張の居城! 名古屋城【VOICEROID旅行】』という湯飲みの茶渋さんの動画です。
投稿者メッセージ(動画説明文より)
琴葉姉妹が難しい話はほどほどに、巨大な天守に金鯱が煌めく名古屋城へ行ったようです。 何かと行ったことある人多そうなので、城好きの定番スポットをご紹介!! みなさまの応援のおかげで無事に二回目の城郭登城祭を開催出来ました!というわけで 城郭登城祭第二陣!楽しんで参りましょう!

お城関連の動画を投稿している湯飲みの茶渋さんが名古屋城を訪れました。名古屋城は徳川家康が築城し、約260年間「尾張 徳川家」の居城となったお城です。

名古屋城駅を出てすぐ目の前にある、深い空堀に湯飲みの茶渋さんは早くも興奮。絶対敵に近寄らせないという強い意志を感じるのだとか。
空堀は堀の中に水を入れていない構造で、中世から近世の山城などでよく使われていました。名古屋城には水堀もあります。


東門から入場。案内図が金色なところが名古屋城らしいです。


入場してすぐに見えたのが重要文化財の東南隅櫓(とうなんすみやぐら)。築城当時から現存するとされている貴重な櫓だそうです。少し先に同じ頃に建てられた西南隅櫓もあるのだとか。

次にチェックしたのは「清正公石曳きの像」。熊本城を築城した加藤清正は、石垣造りの名手として名古屋城の天守台の石垣を築く役目を任されたそうです。これは築城時に自ら石の上に登って音頭を取った様子の像とのこと。

表二之門をくぐり本丸へ向かいます。湯飲みの茶渋さんによると、「狭い橋の先に左右の狭間に守られた鉄板で防御力が底上げされた門」で、「これは簡単に突破しづらそうで実にグッドな造り」なのだとか。こちらも重要文化財です。


そうしてたどり着いたのが本丸御殿。徳川と言えばの葵の御門が沢山施されています。外観は比較的落ち着いた雰囲気が、中はとても豪華だそうです。


御殿の裏に回った先にあるのが湯飲みの茶渋さんのお気に入り撮影スポット。御殿の向こうに天守がそびえるこの場所は現代的なものがほとんど無いので、江戸時代にタイムスリップした気分になるとのことです。



続いては名古屋城といえば外せない場所だからと、本丸の前に清正石へ来ました。

この清正石は表面積が約八畳、推定重量10トンでこのお城最大の巨石なのだそうです。清正公が音頭を取って曳かせたと伝わることからこの名が付いたとのこと。

しかし先の説明によると、加藤清正が任されたのは天守台の石垣。実際にこの辺りの石垣を担当したのは黒田長政とされているそうです。

いよいよ本丸を見ていきます。こちら側から見る名古屋城天守は、天守台を含めて約48mなので、約55mある大阪城天守閣に次ぐに二番目の大きさの天守とのこと。

ただしこの向こう側には空堀があり、その堀底の天守台の真の根元から計測すると約56mとなり、僅差で大阪城を抜かすそうです。

青空に映える天守の頂の金鯱。その下の屋根は緑色をしていますが、これは銅瓦が酸化した緑青(ろくしょう)の色です。緑青は腐食を防いだり抗菌の役割を果たすので、赤サビとは違い良い効果をもたらすものなのだとか。

お次は本丸御殿の中に入ります。



中はあちこちが金色にきらめき絢爛豪華でした。この本丸御殿は当時の工法や材料を用い、9年かけて忠実に復元されたとのこと。江戸時代の文献や戦前の写真や実測図が豊富に残っていたからこそできたのだそうです。

そんな中で虎の隣に豹が描かれていました。当時の人たちは豹を虎の雌個体と認識していたことによる表現だそうです。



続いては不明門をくぐり空堀を渡った先へ。ここの石垣は刻印が付いた「刻印石」が多く観察できる場所です。

石を奪ったり取り合いにならないよう判別するために付けたという説があるとのこと。その紋様は家紋や名前、図形を組み合わせたようなものなど様々です。名古屋城はここ以外にも刻印石があちこちにあり、また名古屋城以外の場所でも見かけることがあるので探してみると面白いそう。
この石垣の裏が湯飲みの茶渋さんのお気に入りのフォトスポット第二弾だとか。

そのお気に入りがこちら。手前の空堀越しに不明門と二匹の金鯱が見える大天守という構図が素晴らしいですね。これには「不明門の裏側、わかる!」「かっこいい」「斜め下から煽る構図は迫力がある」などの声が視聴者から寄せられます。


天守台石垣も注目ポイントです。高さによる迫力と曲線による美しさを兼ね備えています。「この綺麗な扇の勾配の石垣が実に清正公」と湯飲みの茶渋さん。


先の場所では石に紋様が彫られていましたが、こちらは隅石に「加藤肥後守 内 小代下総」と、加藤清正とその重臣の小代親康によるものだと示す銘文が彫られていました。


見たかったところを一通り周ったところで城内にある「きしめん亭」へ。名物きしめんをいただきます。鰹節の香りが食欲をそそるきしめんは魚介と醤油の風味を感じるお出汁は濃いめのお味。つゆが浸み込んだお揚げからジュワッと旨味が広がってとても美味しかったそうです。
丁寧かつ熱意を感じる解説と共に見る名古屋城は、改めて魅力を感じる場所でした。湯飲みの茶渋さんによる解説の詳細に興味を持たれた方はどうぞ動画をご視聴ください。お城の見所だけでなく、名古屋城の歴史などについても説明があります。
視聴者のコメント
・美しい…
・いい眺め
・石垣おっきい
・要衝だけあってビッグネームだらけだ
・自然のコーティングやね
・装飾すげえ
・加藤清正「私が作りました」
・長政も名前書いておけば
▼動画はこちらから視聴できます▼
『【城郭登城祭第二陣】琴葉姉妹のお城さんぽ 金鯱煌めく尾張の居城! 名古屋城【VOICEROID旅行】』
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