仮想通貨の“儲け話”だけじゃない可能性「海外旅行で両替不要」「振り込みが簡単に」「アートに利用」etc… 専門家が初心者に優しく解説
仮想通貨初心者のお笑い芸人のアンテナタロウさんと、タレントの立花はるさんが仮想通貨について学ぶ番組「仮想通貨noばぁ〜 仮想通貨の最前線を探る!」。
仮想通貨が使用できる店舗を紹介するサイトを運営するかいとぅさん、『仮想通貨リップルの衝撃』の著者である四條寿彦さん、仮想通貨をアートの側面から振興するねむぐまさんをゲストに迎え、仮想通貨の将来展望について語りました。
ビットコイン相場の乱高下やコインチェック騒動により、投資として仮想通貨がメディアで話題になっているなかで、仮想通貨がより身近になることを目指した活動には、どのようなものがあるのでしょうか。
「あいつが儲かるなら俺も儲かるはず」仮想通貨ブームは“日本人の習慣”によって巻き起こった? 【話者: 津田大介×東浩紀×夏野剛】
「ビットコイン」「ネム」「リップル」etc…仮想通貨のメリットとデメリットを素人でもわかるように解説してみた
投資等に関係なく、自分の好きな通貨を選んで応援できる
ねむぐま:
僕、学生向けにネム【※】ってこういうものよっていう体験型のイベントをやっているんです。高校生が7人くらい集まって、デスクの前でMacbookを開いて。普通に運用している子たちはざらにいらっしゃって。
※ネム
NEM。2015年3月31日に公開された仮想通貨。新しい経済圏を作ることを目的として開発された多機能プラットフォームとしての性質を持つ。
たとえば20代後半の人に「仮想通貨って何ですか?」と聞かれて、なんとなく説明すると「それって儲かるの?」っていう話になってしまうんですね。それだと脳が止まっているというか、次に進めなくて説明が難しくなるんです。
学生の子たちってすごい真剣に吸収しようと思うので、ここから2020年くらいになった時に、この人たちがガンガン使いはじめるので、とにかくこの子たちを無料でいいから教えてあげると、この界隈も盛り上がるなっていうのは肌で感じましたね。
立花:
今のお金みたいに、歳の隔たりなく持てるようになったらいいですね。
アンテナタロウ:
上の年配の人はさすがに……?
四條:
見たことあるのは、70歳過ぎの方。その方は一番最初は投資目的というか、老後の資産を増やすためにっていうので買ったのですが勉強熱心な方だったので、どんどん詳しくなっていらっしゃいますね。
アンテナタロウ:
やっぱり好奇心旺盛な人っていいですね。
ねむぐま:
ブロックがない人っていいですよね。面白いと思ったらすぐに飛びつく人のほうが面白いですよね。
アンテナタロウ:
投資だけではない仮想通貨の動きについて教えてもらえますか。
立花:
投資というか、上がり下がりというイメージで……。
四條:
みなさん、値上がりに左右されちゃうというのも結構ありますし、テレビで報道されるのも儲かったという話ですし、暴落で明日から生活どうしようっていう人だったり、センセーショナルなシーンを撮りたいので、テレビ側もそういうので組みやすいんですけれども、やっぱり本当は今まであった技術をより集めて、新しい技術ができたのが仮想通貨なんです。
どんな新しいことができるのかというのを、通貨を通してチャレンジしている最中だと思うんですよね。これからどんどんいろいろなものが新しくなっていくと思っていて、僕が応援しているリップルに関しては、いろいろな銀行と提携をしていて、日本で61の銀行と連合みたいなものを組んでいます。
立花:
銀行ってお堅いイメージがあるから、そういうのはちょっと……みたいなイメージはあるんですけれども。
四條:
リップルはRipple社が発行しているんですけれども、銀行とかの送金を改善していこうという目的があって、中央銀行だったり、いろいろな金融機関に対話を続け、一つ一つ問題をクリアして、今のリップルの形を作って提供しています。日本の銀行もそれに賛同して61の銀行が集まりました。
「内外為替一元化コンソーシアム」っていう長い名前があるんですけれど、そこは新しいアプリを開発して、Money Tap(マネータップ)というアプリケーションが夏頃に出ます。相手の電話番号がわかれば、すぐに送金ができます。
立花:
電話番号だけですか!?
四條:
そうです。本当にすぐにそこまでのところに来ています。
立花:
ATMに行って、お金を下ろしてみたいな。他の銀行からこっちの銀行に移してみたいな。
四條:
そんな必要はなくて、3、4回タップするだけで送金ができるものが夏にリリースされます。
アンテナタロウ:
いい夏になりそうですね(笑)。
一同:
(笑)
ねむぐま:
投資とか全く関係なく、自分の好きな通貨を選んで、それを応援できる。それって歴史上あるんですかね、通貨を応援するって。それが可能になる。
立花:
今、気にかけていた通貨が2、3年後にメジャーになっていたら「俺が育てた」みたいな(笑)。
ねむぐま:
そういう目線を持って楽しめると思うんですよね。たとえば応援している球団が負けている時に応援したくなる気持ちでやると、そこまでダメージはないのかなと個人的には思います。
中には詐欺的な通貨も……。「規制は正しく進めていくべき」
立花:
コメントでは「ルールが……」とか「規制が……」とか言われてますが、どうなんですか。
四條:
G20という国際的な会議があったのですが、そこではじめて仮想通貨の規制が話題に上がったのですが、今回は見送り。まだ様子見という状態が続いています。ただ、日本の金融庁とか、中国の取締を行っている当局とかは、規制をはじめているところもあります。
結構、国によっても考え方が違います。通貨の種類によっても、これは大丈夫だけど、これはちょっとやめてほしいという判断をしたりとか、一概にどうとは言いづらい状況ではあります。国サイドも探りさぐりのまま進めているので、これから1、2年ではっきりとした方針が出てくるのではないかと思います。
立花:
ルールができたほうがわかりやすいし、使いやすくなるかな。
ねむぐま:
おっしゃる通りです(笑)。
四條:
雑多に出ているので、仮想通貨が流行っていて「お金が増えるから」とはじめる人が多いんですよ。
立花:
そういう面で見られることが多いですよね。
四條:
詐欺的な通貨もあったりするんですね。そういう面でも規制は正しく進めていくべきだなと思います。これからはもっといろいろな場所で使われはじめて、通貨以外の機能、契約情報を書いたりとか、そういった付帯する機能だったりとかも、結構活きてくると思うんですよね。
立花:
通貨だけじゃないんですね。すごいな~。
アンテナタロウ:
海外に行った時も便利そうな感じがしますね。
立花:
海外でも普及しているんですか。
四條:
海外でどれくらい普及しているかはわからない状況ではあるのですが、突然海外から来てもビットコインを持っていれば、ビットコインで支払いができるところであれば、わざわざ両替する必要がない。元々国籍がない通貨を持っていれば、その国で使える通貨であればそのまま使うことができるという利点もありますね。