飲み屋で知り合ったM男に「私、SMに興味があるんだけれど…」──世界的に活躍する美人緊縛師がSMに足を踏み入れたきっかけが刺激的
ミュージシャンの西川貴教さんらが「学ぶ」をコンセプトに「身近で当たり前の事だけど詳しく知らないモノ、事」をテーマに深掘りしていく番組「西川学園高等学校、略してN高!」。今回のテーマは「緊縛」。講師を務めるのは、緊縛師の芙羽忍(ふわしのぶ)さん。
芙羽さんがプライベートでSMプレイをはじめるようになったきっかけや心得、現在はフランスで緊縛道場が誕生するなど、ヨーロッパでジャパニーズカルチャーとなりつつある現状、江戸時代の忍者がルーツといわれる緊縛の歴史を土屋礼央さん、星田英利さん、ミクロマンサンライズ!!!さん、手島優さんに語りました。
美人緊縛師が緊縛グッズを紹介。麻縄、カラビナ、裁ちばさみetc…緊縛用の縄は「しなやかになるまで30人ぐらい縛らないと」
「痛くない?」「性的な興奮はあるんですか?」 ベールに包まれた緊縛の世界“縛られる側の人”に色々聞いてみた
高校卒業後、プライベートでSMプレイを開始
土屋:
緊縛師になるきっかけといいますか、生い立ちというのをご覧いただきましょう。「高校卒業後、プライベートでSMを」。まず、これはどういうことですか?
西川:
普通に趣味なんですね(笑)。
芙羽:
普通に趣味です。
星田:
それは彼氏と?
芙羽:
いえいえ。そこらへんにいる、野良のM男くんと。
星田:
え、野良のM男くん!?
西川:
でもそれってどういうふうに見つけてくるんですか。こいつそうじゃないかなって見極めるんですか?
芙羽:
飲み屋さんですね。
一同:
あ~。
星田:
やっぱり見たらわかるんですか?
芙羽:
わかりません。
土屋:
まずはそこから試しにいたぶってみて……みたいな?
芙羽:
「私、SMに興味があるんだけれど」っていうところからいきます。
ミクロマンサンライズ!!!:
普通にそうやって話かけるんですか?
芙羽:
そうです。だって18、9の女の子が「SMしたい」って言ったら、やりません?
西川:
今、いろいろな意味で「うん」とは言えない世の中ですけれど(笑)。
土屋:
最初はそういうプライベートで行って、20代の後半で上京してSMクラブで女王様として働くということですが、どうやってSMクラブに入店されたんですか。
芙羽:
普通に求人を見て行きました。インターネットに求人が載っているんです。
星田:
面接から「あんたのところで働いたるわ」みたいな感じで行くんですか(笑)?
芙羽:
違います(笑)。
西川:
でも働いているやつもそうやったら「いいわよ!」「採用してやるわよ」って(笑)。
星田:
S同士で(笑)。
西川:
わけわからへんようになる(笑)。
土屋:
面接のときはSとMの関係はどうなんですか。みんなSなんですか。
芙羽:
3軒行ったんですけれど、2軒は普通の風俗店でした。3軒目はすごい有名な女王様で、すごい面接を3回くらいしました。SM観まで全部話して……。
ミクロマンサンライズ!!!:
SMクラブと風俗店って全然違うんですか?
芙羽:
一緒なんですけれど体制というか、男性が仕切っていて適当に行ってこいというところと、ちゃんと教育するところと。
星田:
なるほど。本物の女王様を育てると。
芙羽:
そうです。
西川:
SMって勘違いしちゃっている人がいて、相手が男性だった場合、到達させるということを全然しないパターンもあるんですよね。
芙羽:
はい。必要に応じてすることもありますけれど。
土屋:
先生、ここにムチがありますけれど。
芙羽:
はい。私物です。
西川:
このムチ、ガチで痛いやつやん。
土屋:
一回バチっとやってもらっていいですか。
西川:
広さがあるから無理じゃない?
星田:
だってインディー・ジョーンズのやつやもん、あれ(笑)。
西川:
ロウソク消したりするやつやん(笑)。
星田:
うわ、最後の返り。顔が(笑)。
手島:
顔がすごかった!
「縄はUSBケーブルみたいなもの」。似て非なるSMと緊縛
土屋:
「緊縛師として活動をはじめて、SMクラブを引退」。そこは別なんですか?
芙羽:
そうです。似て非なるものというか。被っている部分もあるんですけれど。全然違いますね。
西川:
SMクラブの中でも、それができる人って限られてくるじゃないですか。逆に言うとオプションが付いているから有利な気もしたりしますけれどね。
芙羽:
いや、SM用の縄と緊縛用の縄って全然違うんですよ。
土屋:
きょう俺は亀甲縛りをやってもらったんだけれど、これは緊縛ではあまりやらないらしいです。
ミクロマンサンライズ!!!:
それ家からやってきたんですか?
土屋:
ちゃうわ(笑)! 先生にやってもらったんですけれども、SMと緊縛は似て非なるものということで、緊縛とはどういったものなのかを先生で一言で表現してもらいました。それがこちらです。
土屋:
どういうことですか。
芙羽:
さっきやったものではなく、私はよく「魂を削って縛る」という言い方をするんですけれど、真剣に向き合って縛るときって、感情とかその日のコンディションとか全部共有することがあるんですね。
星田:
同調するみたいな?
芙羽:
そうです。だから体調悪い人を縛ると具合が悪くなるのでやめますね。無理しちゃったりとか。
土屋:
お互いのデータのやり取りじゃないけれども、コミュニケーションとして同期させるような……。
芙羽:
そうですね。
土屋:
僕を縛ってくださった方も、縛るだけじゃなくて縛られることもやってたって。どっちもやるんだって。
西川:
SとMを両方やっているみたいな。
土屋:
両方楽しいというところがUSBケーブルということですが、いろいろやっている方が増えている中で、先生が緊縛する中で一番大切にしてることがこちらでございます。
土屋:
それはやっぱり事故が多いものなんですか?
芙羽:
多いですね。
西川:
間違って首とか入ったりすれば、あっという間にね。
星田:
SMプレイ中にロウソクとか使うから、火事とかになったらちゃんと解いてくれるかなって思います。吊るされて先に逃げられたりして(笑)。
西川:
でも緊縛とロウソクも違うんじゃないの。
芙羽:
緊縛をやったりする人でもロウソクをやったりします。
星田:
重なっているところやね。
土屋:
どこを縛るかによっては神経麻痺とかもあるので、ちゃんと医学的な知識がないとだめだということです。そういう勉強もされたんですか。
芙羽:
しました。
ミクロマンサンライズ!!!:
知識がないと危ないということなんですね。
土屋:
だから感情と感情のコミュニケーションとなっているわけです。
緊縛のルーツは江戸時代の忍者の捕縄術から
土屋:
続いてのテーマはこちらです。
緊縛イコール縄でございます。縄と人間の歴史というものを辿っていこうかなと。まずはこちらです。
西川:
縄文土器やん(笑)。
土屋:
縄文土器の縄は「縄」ですよね。人間はずっと縄で生きてきたと。要は結界にも縄が使われていると。
西川:
神社もご神木とか縄でつながれたりしていますからね。
土屋:
精神的なものとして縄を使っていたということで、ここから密接な関係があるという中で、緊縛につながっていくわけですが、こちらです。ここからが緊縛のルーツ。先生、忍者ということですが。
芙羽:
捕縄というか、捕縛術がもともとの緊縛の元になったもので、このときは罪人を護送するために使ったのが緊縛。
西川:
手足を拘束して暴れないようにっていうことか。
芙羽:
そうです。動いただけで首が締まるとか骨が折れるとか、ちょっと危険な縛りです。
星田:
それは今も伝わっているんですか?
芙羽:
各藩で縛り方が全然違うんですね。なので、非公開なんです。資料が残っていないんですよ。
土屋:
お互いにライバルだから。解き方がわかっちゃったら……。
西川:
ここを緩めたらいけるんじゃないかとかね。
芙羽:
私は伊賀の末裔のお姉さんから教えてもらったんですけれど。
ミクロマンサンライズ!!!:
伊賀の末裔に会ったことがあるんですか。
芙羽:
テレビとかに出ていますよ。その方が「今の緊縛は刑罰、警察から流れているので、甲賀の忍術の捕縄から来ているんだろうね」って言っていました。
西川:
それこそ甲賀は我が地元ですけれど、今、警察のいろいろな拘束術とかあると思うんですけれど、縛り方とかを伝えたのは甲賀の人が伝えていたんですか?
芙羽:
そうみたいです。今の警察の元は甲賀から来ているので……体術とかの話ですけれど。
土屋:
罪人を捕えるというのが緊縛でございますが、これが進化を遂げるとこうなりました、こちら。先生、これはどういうことですか?
芙羽:
これはエロいのが好きなおじさんが作った感じですね。
土屋:
春画と言われるもの。男性が女性を折檻するというのに、「縛られてみるか」というプレイをする人が出てきたということですね。でもこの頃は女性は罰として……?
芙羽:
わからないですね。吉原の折檻とかよく映画でありますよね。ああいう意味合いのほうが強かったんじゃないですかね。