事故物件検索サイトの管理人がレクチャーする“事故物件の見分け方”「風呂場で自殺があった場合、そこだけ新品になっていたり……」
「一人挟めば二人目には言わなくて大丈夫」は都市伝説!?
大島:
もう一つだけお話ししておきたいのが、定期借家契約。事故物件であるということを正直に言うと、どうしても安くさせられるわけですよ。告知する義務は法的にありますけれど、値下げは義務ではなくてビジネス上の判断。
事故物件を気にしないという方はいますけど、それはあくまでも「安ければいいよ、いくらになるの?」ということですから、安くさせられるわけですね。安い家賃のまま事故物件でも気にしないという人に永遠に住まれたら、家賃があまり入ってこなくて困るわけですよ。
大島:
ですから、事故物件であると正直に言って家賃を安くする、だけど契約期間を短めに1年にするとか。あるいは契約期間は2年のままだけれども、更新をできないようにして出て行ってもらうわけですよ。そうすると次の人が住む時にはもう2人目だから言わなくていい、と。
二人目だから言わないというのが法律に書いてあるわけじゃないんですけれども、二人目だから言わなくていいやと判断してその時に元の家賃に戻して、その人は当然何回でも更新できるようにするというやり方をするんですよ。
ありがとうぁみ:
有名な話だと、「一人挟めば二人目には言わなくて大丈夫」っていうのは法律の話じゃないんですね。
大島:
まあ、私はそれ自体都市伝説によるものだと思ってるんですけれども(笑)。一人目から言わないところよりは一人目は言おうって方がマシですし……二人目、三人目であっても言うという親切なところもあるんですけれども、ただ多い所は一人目はまずいけど二人目はもういいでしょう、という判断をしているわけですね。
これはルールでもなんでもないんですけれども、主流ではあるわけです。
ありがとうぁみ:
定期借家契約って、事故物件じゃなくてもこういう制度を取り入れてる理由ってあるんですか?
大島:
元々は事故物件対策のための制度ではなくて、例えば二年経ったら解体するとか、あるいは二年間限定でその間海外に転勤して帰って来るとか、期限が来たら必ず出て行ってもらわないと困るというときに使える制度として導入されたわけです。ただ事故物件と定期借家契約を絡める業者さん、オーナーさんっていうのは一人目にはちゃんと言ってるわけですから、私は全然悪いとは思わないです。
事故物件サイト『大島てる』を作った理由
ありがとうぁみ:
そもそもなぜこのサイトが始まったんですか。
大島:
このサイトは11年半前に立ち上げました。当時は私が不動産業にどっぷりと浸かってました。その時に「事故物件は嫌だ」っていうお客さんが、「ここは曰く付きの物件なんじゃないの?」ということを聞いてくるんです。
大島:
そこで嘘をつけばいいじゃないか、という考え方もあるかもしれないんですけれども、私としてはそんなことしてバレて後でトラブルになっても嫌ですから(笑)。そもそも仕入れる段階で事故物件を避ければいいだろう、というふうに思ったんです。だけど、そういう情報自体がオープンになってないので、自分たちで集め始めたわけです。
ありがとうぁみ:
なるほど。じゃあ大島さんは事故物件は好きではない?
大島:
……嫌ですね。
ありがとうぁみ:
「事故物件楽しいぜ〜!」で集めているわけではないというわけですよね。
大島:
違います(笑)。ですけど今のサイトも私のやり方を押し付けて、事故物件を避けるためにこんな怖いんだって言いたいわけではなくて、安いんだったら事故物件に住みたいという人の役にも立てればと思っております。