いま話題の“稲作”進化の歴史をおさらいしてみよう。 最新のゲノム解析により判明した「4200年前の出来事」が日本米に与えた影響とは?
今回紹介する、アルファベータさんが投稿した『4200年前の寒冷化がお米に進化をもたらした【ゆっくり解説】』では、音声読み上げソフトを使用して、ニューヨーク大学を中心とした国際研究チームが発表した米の進化について紹介していきます。
4200年前の寒冷化現象がアジア全体の米の進化をもたらした
霊夢:
4200年前に起きた地球規模の寒冷化現象が、お米の進化を促し、稲作がアジア全体に広がる要因になったことが、最近の研究でわかってきたよ。
霊夢:
お米は世界で最も重要な作物のひとつで、世界の約半数の人たちの必需食料となっているよ。約9000年前に中国の楊子江中流地域でお米の栽培がはじまり、その後アジアへと稲作が広がっていき、中東、アフリカ、アメリカにも到達したとされているよ。
魔理沙:
一番はじめの野生稲は、今の稲とだいぶ違っていたのかな。霊夢:
徐々に世界中に広がっていく過程で、お米はそれぞれの地域の環境に適応するために進化し、いろいろな品種が生まれたよ。魔理沙:
日本のお米にもいろいろな品種があるよな。霊夢:
だけど伝わったルートや時期、環境要因などはよくわかっていなかったよ。ニューヨーク大学の今回の研究では、ジャポニカ種やインディカ種を含む、約1400種のイネの仲間の遺伝子を解析し、地理や気候のデータをもとに、お米の歴史的な移動について調べてみたよ。魔理沙:
日本だけでも500種類以上のお米があるらしいな。霊夢:
最初の4000年は、お米の栽培は中国に限られていて、この頃に育てられていたのはジャポニカ種の原型だったよ。
魔理沙:
中国が起源なんだな。霊夢:
だけど4200年前に大規模な寒冷化が起きると、その影響は広い範囲に及び、楊子江デルタ地域に栄えていた文明が突如として消えてしまったよ。魔理沙:
その後、約300年にわたり文明の空白期間があるんだよな。霊夢:
この時期にジャポニカ種の分化が起きて、熱帯ジャポニカと温帯ジャポニカに分かれていったよ。
魔理沙:
温帯ジャポニカは一般的には水田栽培向きの品種で、熱帯ジャポニカは畑作向きの品種だとされているみたいだな。霊夢:
温帯ジャポニカは中国北部や朝鮮半島、日本へと伝えられていき、熱帯ジャポニカは東南アジアへと広がったよ。研究チームの遺伝子分析によると、4200年前の寒冷化と温帯ジャポニカの登場は、同じ時期に起きた現象であることがわかってきたよ。
魔理沙:
突然の寒冷化に適応するために、新しい稲が誕生したのかな。霊夢:
さらに寒冷化は稲作文化が東南アジアへともたらされた原因になったというよ。魔理沙:
熱帯ジャポニカは南の暖かい地域に移動していったってことか。霊夢:
熱帯ジャポニカは活発な交易により、人々とともに移動し、約2500年前に東南アジアの島々に到着したよ。インディカ米の歴史は結構複雑で、4000年前のインドに起源を持ち、そこから周辺地域に広まったと考えられているよ。
魔理沙:
インディカ米は粒が細長く、ピラフやチャーハンとして食べられることが多いみたいだな。霊夢:
お米の多様性に最も影響を与えるのは、降水量と水質だとされてきたけど、気温も重要な因子であると研究チームはいうよ。魔理沙:
お米作りには水が大事だって聞いたことがあるけど、気温も大きな影響を与えるのか。霊夢:
お米の伝播の歴史と環境要因を解明することは、将来地球の環境が変化した時の食料問題に対処するための手がかりを与えてくれるかもしれないよ。魔理沙:
地球の環境が変わってもお米は食べたいな。
普段、私たちが当たり前のように口にしているお米ですが、その歴史にはまだまだ謎が多いとされています。今後さらなる研究調査が楽しみですね。解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。
▼動画をノーカットで楽しみたい方は
こちらから視聴できます▼
―あわせて読みたい―