ビットコイン 儲けたあとは 納税だ。“仮想通貨の納税”について公認会計士にいろいろ聞いてみた
通貨はすべて仮想化するのか
小飼:
その逆の可能性もありませんか。世の中の通貨のほとんどが仮想通貨化されるという。元々通貨は仮想なものじゃないですか。その意味で、ビットコインなどは、より純粋に通貨なわけですよ。
山路:
世の中の通貨が仮想化されるというのは、発行主体がなくなるという意味ですか。
小飼:
そういうことです。帳簿のやり取りだけで。
山路:
それは結局、国家が持つ通貨の発行益みたいなものというものは?
小飼:
なくなりますね。そして、税金も取りにくくなります。
山路:
その権利を手放すとは思えない。
小飼:
だから、喧々諤々はしますけれども、実際に通貨が通貨として成り立つのに国家が必要かと言ったら実例として、そうではないというのはありますね。例えば香港は、通貨の発行主体が3つあります。中国銀行、香港上海銀行、スタンダード・チャータード銀行。要は、十分に信用がある人が「これは通貨です」と言って、みんながそれを信じてくれれば、それは通貨になるんです。
山路:
ただ、中国の元に関して言うならば、その三者が連動というか連絡しあっていますよね? それぞれ完全に自由ではないですよね?
仮想でも為替があれば通貨になる
小飼:
為替さえ成立するのであれば、どんなものだって通貨になっちゃいますよね。
山田:
なっちゃいますね。要は基軸通貨がどこか、という問題だけであって、多分今まで通り、円やドルやユーロがあって、その中にビットコインやイーサリアムが普通に並んで、この併存の状態が、しばらく続くだろうなという感じはしますね。そんなに円やドルが、すぐなくなるかと言われると、やはり裏付け、担税力という国民の税金を強制的に徴収できる力というのは、ドルや円とか、そういうものしか持ってないので。
山路:
結局、暴力装置という、力を持っているところが通貨のパワー、信用の裏付けになっているところというのがありますね。
山田:
だから、最終的な裏打ちはどこだというのは、ありましたけれども、多分、イスラム教国だろうなあっていう気がします。一番結束力がありそうで、一番アッラーにお布施するのはイスラムじゃないかというね。そういう宗教とかも全部絡んで、話が進んでいくんだろうなというのが、これから多分50年100年の話になっちゃうんでしょうけどね。
山路:
熱狂的な信者に支えられている通貨は強くて、値下がりしないというのは面白いですよね(笑)。
山田:
だって、「これが、アッラーが作ったお金です」という話があって、イスラム教的にお金というのは、禁則のものですけど。
山路:
利息をつけちゃいけないみたいな。
小飼:
ただ、手数料は取っていいんです。そこがイスラム金融のツボになっているんですよね。
山田:
10%取っていいとか。