“イワシの群れ”はたった3つのシンプルなルールで泳いでいる!? イワシの動きをシミュレーションで作ってみた!
今回紹介するのは、ニコニコ動画に投稿された『イワシの群れの物理学』というアンモナイトさんの動画です。
群れで行動する回遊魚である「イワシ」。大量のイワシたちがつかず離れずな距離で泳ぎます。
まるで統率している魚がいるかのような動きをしているイワシですが、 実は物理学および理論生物学によって一匹一匹が簡単な法則に従って動くだけで群れ全体の統率のとれた生み出せることが明らかになったそうです。
今回は投稿者のアンモナイトさんがイワシの群れが生まれる原理を分かりやすく知るため、プログラムを使ってイワシの動きをシミュレーションしていきます。
電子の海を泳ぐイワシは近くに仲間がいない時はうろうろと彷徨うだけですが、仲間を見つけると群れを作るために決められたシンプルなルールに従って動きます。そのルールですが、たった3つしかないそうです。
1つ目のルールは「仲間と近づきすぎたら離れようとする」。これはイワシ同士がぶつからない為のルールです。
2つ目のルールは「近くに仲間を見つけたら同じ向きに進もうとする」。群れ全体が1つの向きを目指すためのルールです。
3つ目のルールは「遠くに仲間を見つけたら近づこうとする」。群れ全体が1つの場所にまとまるためのルールです。
これらを踏まえると、1匹のイワシの周りには3つのエリアが存在することになります。
以上のルールに従って100匹のイワシの動きをコンピューター状にでシミュレーションしていきます。
シミュレーションではこのエリアの大きさを変更した際にどのような動きになるか調べます。
初めは「2つ目のルール」のエリアが比較的狭い場合、イワシの群れはゆらゆらしながら一か所にとどまっています。
次に「2つ目のルール」のエリアを少しだけ広げてみました。するとイワシの群れがグルグルと渦を巻き始めました。
さらにエリアを広げると、今度は群れ全体が一方向に移動し始めました。
このように群れの中にいるそれぞれのイワシがシンプルなルールに従って動くだけで群れ全体の特徴的な動きを再現することができます。
群れ全体の形を知らなくてもリーダーからの指示がなくても、それぞれのイワシが自分の周りだけを見て進む向きを自分で決めることで群れとしての見事な集団行動が実現できました。
ちなみにイワシの群れに限らず各個体の動きはシンプルなのに集団を作ると自発的に思いがけない動きをするものがあり、たとえば「街中で出来る人混み」「道路を走る自動車の渋滞」「体内で働く細胞の集団運動」などがあるそうで、こういった動きを研究する「アクティブマター物理学」という学問があるそうです。
そんな電子の海を泳ぐイワシたちのシンプルな動きを映像で確認したい方は、ぜひ動画をご視聴ください。
視聴者のコメント
SNSに似てますね
スイミー
出来るだけ少ないプログラムで複雑な処理をしたい時みたいだぁ
野生のNHK
▼動画はこちらから視聴できます▼
『イワシの群れの物理学』
https://www.nicovideo.jp/watch/sm42980169
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