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命の危機を感じるほどの食中毒は、里芋と間違えて有毒の「スイセン」を誤食して起こった そっくりな見た目から取り違えて起きた事例の紹介

 今回ご紹介するのはゆっくりするところさんがニコニコ動画に投稿した『【2024年】『見分けがつかない毒草』里芋と間違い、有毒植物「スイセン」を味噌汁にして食べた結果…【ゆっくり解説】』です。

投稿者メッセージ(動画説明文より)

引用・出展・参考文献(視聴者提供資料など
新潟県
https://ishort.ink/stJp
新潟県報道資料
https://ishort.ink/nzaf
厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル
https://ishort.ink/uFGJ

※この動画は過去の事件を知り、現在でも同じことが発生する危険性を再認識、関与しないように促すための動画であり、視聴者を扇動、動揺を誘うためのコンテンツではありません。

 キノコ以外にも身近に潜む毒を含むものは意外とあります。そんなのなかなか誤食することなんてないだろうなんて、思うものですが、意外と誤食事件というのは起こっています。
 今回は今年、2024年に発生した誤食事件をゆっくりするところさんが解説します。


■朝食後に命の危機を感じるほどの体調不良が……

魔理沙:
 今回紹介するのは一般家庭で発生した有毒植物による食中毒事例だぜ。

 食中毒というのは、細菌やウイルス、真菌、寄生虫といった病原体に汚染された食べ物、飲み物を摂取することによって腹痛や吐き気、下痢などの症状を発症する感染症の一つだが、それらとは別に人体に対する有毒な成分を含有する自然の植物を喫食することによっても発症する。

霊夢:
 山菜狩りとか、キノコ狩りとかでもそういう食中毒って結構起きるわよね。

魔理沙:
 トリカブト、チョウセンアサガオなどが特に有名だが、中には食用にできる野草にそっくりなもの、根の部分など一部が野菜と判別が非常に難しいものも多い。

魔理沙: 
 それじゃ早速本題に入るんだぜ。

 新潟県上越保健所は11月、「市内に暮らす男性が有毒植物を食べ、食中毒を発症して入院中」と発表した。

 午前8時半過ぎ。上越保健所所管の医療機関より、上越保健所に「有毒植物を喫食し食中毒を発症したと思われる患者一名を診察した」という連絡が入った。
 患者は市内に暮らす60代の男性「Aさん」。 早朝6時半頃、朝食としてご飯とおかず、そして里芋の味噌汁を喫食したという。

魔理沙:
 ところが、それから約1時間ほどが経過した頃、突然これまで経験したことのないほど強い吐き気を感じ、我慢できずにトイレでもどしてしまった。

霊夢:
 うぅぅ……もう絶対その朝ご飯が原因じゃないの……。

魔理沙:
 猛烈な吐き気はしばらく続き、Aさんはトイレから一歩も出られなくなってしまった。
 さらに症状はそれだけではなく腹痛、激しい下痢の症状までもが現れた。

魔理沙: 
 命の危険を感じたAさんは少し症状が落ち着いた頃を見計らって、自宅から最も近い医療機関を受診し、助けを求めた。

 担当した医師はすぐに検査を行い嘔吐と下痢による脱水症状が出ていたため輸液措置を施し、Aさんはそのまま病院に入院することになった。

 そして医師はAさんの症状と発症するまでの経緯などを聞き取った結果、彼が喫食していた朝食の中に「有毒植物が入っていたのではないか?」と考え、保健所に通報を行っていたんだ。

霊夢:
 そういう経緯だったんだ……。でも何が原因だったわけ?

■なぜ、こんな事態に?

魔理沙: 
 通報を受けた保健所は、直ちに職員をAさん宅に派遣し、朝食の残品の中から有毒植物の球根とみられるものを発見。
 残品を専門家の元に送り、鑑別を依頼したところ、有毒植物である『スイセン』の球根であることが判明した。

霊夢:
 す、スイセン!? スイセンってあの綺麗なお花の?

魔理沙:
 ああ、スイセンはヒガンバナ科、スイセン属の多年草で、ヨーロッパや地中海沿岸、北アフリカ、そしてアジアに広く分布する球根植物の一種だ。
 花色は白や黄色、花の大きさは直径が1cm足らずのものから、5cmを超えるものまであり、葉っぱはグリーンで幅が細く、ラインを描くようにスッとしたフォルムが特徴だ。

魔理沙: 
 観葉植物として非常に人気が高く、観賞用に全国で栽培されるほか、関東地方以西の本州の暖地海岸に野生状態で生育している。
 スイセンは学名『ナルキッソス』といい、その由来は、ギリシャ語の『麻痺』という意味の『ナルケ』という言葉が語源だと言われる説もある。

霊夢:
 麻痺……。

魔理沙:
 花弁、葉、球根など全ての箇所に『リコリン』、『タゼチン』といったアルカロイド系の毒素を含有しており、人が摂取してしまうと、その量にもよるが約30分ほどで悪心、嘔吐下痢、よだれ、汗が止まらなくなる、頭痛などの症状が現れ、その時の状態によっては低体温や昏睡などの重篤な症状が現れることがある。死亡例も稀だが存在する。

霊夢:
 アルカロイド系って植物の話でよく聞く毒成分よね……。

魔理沙:
 ああ、アルカロイドはもともとは植物由来の窒素を含む有機塩基類のことで、強い生物活性を有する化合物群と定義されていた。
 しかし、現在ではアミノ酸や核酸などの別カテゴリーに入る生体分子を除いた、広い意味での「含窒素有機化合物」として呼ばれる場合が多い。

 また 古くから医薬、農薬として使用してきた化学物質の一つで、有名なものではモルヒネ、アトロピン、アフェドリン、ベルベリンとして現在でも医薬品として活用されているが、極少量で人の身体や動物に強い作用を示す特徴があり、含有している植物を誤食してしまう事故が多く発生している。

霊夢:
 こわぁ……でも、なんでそんなものを食べちゃったのかしら?

魔理沙:
  Aさんの自宅のキッチンには里芋が保管されていたが、その近くに植える前のスイセンの球根が保管されており、Aさんはこのスイセンの球根を里芋だと勘違いし、味噌汁の具材として使ってしまっていたんだ。

霊夢:
 そんなバカな……て思ったけど、これは間違うのも無理はないかも……。

魔理沙:
 よく観察すると里芋とは違う特徴があるんだが、同じ場所に保管されていたら見分けるのは難しいかもしれない。
 この事故は里芋を保管する入れ物のすぐ近くにスイセンの球根を置いていたことで起きた、誤食による食中毒だったんだ。

霊夢:
 そういうことだったんだ……。

魔理沙:
 新潟県でスイセンの球根による食中毒が発生したのは2024年は初めてのことだったが、昨年はスイセンの葉を『ニラ』と間違えて食べてしまった食中毒事例が報告されており、地域自治体、保健所は注意喚起を行っていた。

霊夢:
 確かに葉っぱがニラに似てるといえば似てるわね……。

魔理沙:
 こういった毒草の誤食による食中毒を防ぐためには、まず判定ができない植物を絶対に『採らないこと』、『食べないこと』、『売らないこと』、『譲渡しないこと』が重要だと言われている。

 また今回のケースがまさにそうだが、食用の植物・野菜と形状などの特徴が酷似しているものが多く、特に球根は野菜、根菜と似ているものが多いため、観賞用の物を購入した際は、絶対に食用野菜と同じ場所に保管せず、一目でそれが毒草だとわかるようにして、別の場所で保管する、そして調理前には念のためにもう一度確認するなどの対策が必要だ。

霊夢:
 確かにそれくらいしないとダメかもね……。特に素人が判別するのが難しそうな分野だし。

魔理沙:
 そうだな。「食用キノコと毒キノコの判別は難しい」というのは、広く一般に認知されているため、うかつに野生のキノコを食べる人は少ない。
 しかしその一方で、身近な植物に毒性があることはキノコに比べてあまり知られていないのが現状だ。
 だが実際は観葉植物などは、毒性のある成分を含有しているものも多い。

霊夢:
 たしかスズランとかも毒があるのよね……。

魔理沙:
 ヒガンバナ、ヨウシュヤマゴボウなどもそうだな。毒草の中には食用野菜や山菜と似ているものも多く、基本的に「素人には見分けがつけられない」くらいに考えておいた方がいいだろう。

 ちなみに、観葉植物をペットが食べてしまい、食中毒を発症するような事故も起きているので、ペットを飼っている人は自宅に植える植物にも注意した方がいいかもしれないな。

霊夢:
 そっか、草だったらワンちゃんとかネコちゃんが食べちゃうこともあるわよね……。

 

 今回は意外と身近に潜む毒のある植物スイセンを誤食してしまったがために起きた事例の解説でした。よく見れば気づけそうですが、もし万が一混ざってしまったら……これは注意が必要ですね。
 フルバージョンでの解説をご覧になりたい方はぜひニコニコ動画でご視聴ください!


▼動画はこちらから視聴できます▼

【2024年】『見分けがつかない毒草』里芋と間違い、有毒植物「スイセン」を味噌汁にして食べた結果…【ゆっくり解説】

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