『YouTuberヒカル』VALU騒動に“VALUリードエンジニア”がコメント「愉快犯に対する備えというのは率直に言ってなかったです」
「タイムバンク」はAKBグループの握手会に近い?
山路:
ちなみに最近タイムバンクという時間を売り買いするようなサービスがあるじゃないですか? ちょっとVALUに似たようなところもありますよね。
小飼:
あそこはVALUよりもさらに厳しい審査をしているみたいですね。
山路:
まだ数人ぐらいしか時間を売ってないですよね。
茂木:
それってどういうこと? 誰かの時間を買うの?
山路:
そうですね、何秒でいくらみたいな形で値がついています。
茂木:
それで何をするの?
山路:
時間を会員内で売買したりできる。
茂木:
行使するときは?
山路:
対面のカウンセリングを受けたりとか。
茂木:
じゃあそれってもう、AKBの握手に近いよね?
山路:
そうですね。
小飼:
タイムバンクの方がコントラクトに近いかもしれないです。だから買われた時間というのは実際に買った人に対して尽くさなければいけないという意味では、タイムバンクの方がより厳しい。別の言い方をすると、より既存の法律に抵触する可能性が高いと思います。
茂木:
クラウドファンディングなんかの場合には、まだなんとなく我々の今までの既存のメタファーでいけたんだけど、VALUとかタイムバンクって、どんどんわけがわからなくなる。
山路:
やりとりできますからね。
茂木:
それに取引もできたら、本当にわけがわからなくなる。
小飼:
だからやりとりを続けていくことだと思うんですよね。やりとりを続けていくうちに、「あれはこういうものだったんだ」って理解が出てくる。
山路:
お金みたいな感じで?
小飼:
そうです。だから実は我々がお金を使えるっていうのも、すごいことですよね。
茂木:
まあ、そうですよね。
小飼:
それをすごいことだと思わないっていうのは、我々が物心ついてからお金に対して日々接しているからなんですけれども、実はまだ市場ですらそこまで至ってないんですよね。
山路:
市場ですら至ってないというのは?
小飼:
ほとんどの人というのは、定価でしか物を買ってないんですよ。
山路:
つまり市場で値段をせめぎ合って決めて買うみたいなことをしているわけじゃないっていう。
小飼:
そうそう。ヤフオクとかメルカリのおかげで日本でもオークションで値をつけることに慣れた人が増えてはきましたけれども、2割いきますかね。残りの8割の人は、物には売り主が決めた値段があって、それを払って手にいれるか諦めるかのどちらかですね。
タイミングが良かった? YouTuberヒカルのVALU騒動
茂木:
俺、現実がメルトダウンしてる気がして、楽しくてしょうがない。
一同:
(笑)
山路:
なんですかそれは?
茂木:
いや、VALUはかなり画期的な……。
山路:
なんかイカれてる感じしますよね。
茂木:
完全にイカれてる(笑)。
小飼:
あまりにイカれてるんでイカれたままで壊れないようにするには、どうしたらいいかって、僕なりに考えた。一番いいのは、「そうか、中の人になってしまえばいいんじゃない?」 と。
山路:
だってVALUに入る前って軽くディスっていたところですもんね。「VALU信用できないよな」みたいなことを言って、その2週間後にリードエンジニアに就任みたいな(笑)。
小飼:
でもそれを言ったら、あれですよ。Mitoさんという、VALUのパロディサービスであるNILU【※】というサービスを作った人も来てもらったんですけども、一番の批判者に中に入ってもらうっていうのは、プロジェクトが健全に進んでいる証拠だと思います。
※NILU
VALUと違い審査はない。仮想株式を発行でき、売り買いもできるが、売買に使う仮想通貨「ノットコイン」(NTC)はサイト外では無価値。
山路:
やってみないと結局どうなるかわからない。
小飼:
だから実績を積み上げていくしかない。その意味ではヒカルさんの一連の出来事は、いいタイミングで出てきてくれたかなと。あくまで結果論なんですけど。我々も一応、仕手筋的な価格操作は、ある程度想定していれば検知できるだろうし。
山路:
株の持ち合い的なやつですか。
小飼:
そうそう。だからこういう処分を下せるだろうと思っていたんですけど、あの場合は愉快犯でしたからね。愉快犯に対する備えというのは率直に言ってなかったです。
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