ボカロP・可ラッカによる涼やかなギターが印象的な1曲『鬼』。レトロなテイストの少女絵と不思議世界観のMVに「後ろ気になりすぎる」の声
2021年にボカロPとしてデビューし、軽やかでポップなギターロックを十八番とする可ラッカ。
これまでにもボカコレ2023春ルーキーに投稿した「かえるくん」や「ぱらいそ」などで、ツウなリスナーたちから着実な支持を受けてきた彼が、今年7月に最新ナンバー「鬼」を投稿した。
文/曽我美なつめ
今回MVが公開された作品は、2025年4月に発売された4th Album『QURUGURU』収録の1曲となる。
従来より、軽やかでポップな作風のギターロックに定評があるボカロP・可ラッカ。
今作も例に漏れず、夏に聴きたくなるような素朴さと爽やかさのあるサウンドが楽曲の大きな魅力ともなっている。
その中でも一聴して特に印象的なのは、やはり浮遊感と透明感のあるギターリフだ。
曲のイントロを彩る、コーラスエフェクターの効いた涼やかなギターの音とかわいらしいシンセサイザー音の絡み合うフレーズに、つい耳を傾けてしまった人もいるはず。
00年代の平成バンドカルチャーを知る人の中には、ともすれば懐かしいと思う人や、具体的なバンドの存在をその音像の背景に感じ取る人もいるのではないだろうか。

ボカロPデビュー当初こそボーカルには初音ミクがよく起用されていたものの、近年の可ラッカ楽曲では可不の使用も多い。
こと今曲に関しては、従来作に比べても透明感・浮遊感のある軽快なバンドサウンドと、かわいさの中にもアンニュイさを孕む可不の声は相性も抜群だ。

また楽曲制作のみならず、曲MVのイラストや映像制作も可ラッカ自身が手掛けている点も見どころのひとつ。
脱力感あるラフなタッチの絵と不思議な世界観の映像は、彼自身の曲の雰囲気にもとてもよくマッチしている。
今作「鬼」に関しても、力の抜けたレトロ感あるテイストの少女の絵と、シンプルな造りながらもシュールさ漂う映像が、曲のムードをより魅力的に引き立てている。
今回のMVで初めて曲に出会ったリスナーも、すでにアルバム『QURUGURU』で曲に馴染みのあるリスナーも、どちらも楽しめる一作となっているだろう。

先述の4thアルバムのみならず、今曲投稿の同月7月にはSingle『河童と天麩羅』も発売。
シーンに多くのボカロPがいる中でも、可ラッカはマイペースでありつつ精力的な活動をコンスタントに続けているクリエイターの一人とも言える。
その今後の活躍・動向に、大きな期待を寄せるリスナーもきっと大勢いるに違いない。
■楽曲配信情報

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「The VOCALOID Collection」 公式サイト
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