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鏡音レン×重音テトが駆ける賛歌『どうせ、狂った世の中だ。』実写×アニメを織り交ぜたMVに「アニメのOP感」の声

 今回は、sabioさんが2024年5月26日に投稿した「どうせ、狂った世の中だ。」を紹介する。

 技術の発展が進むこの時代にあっても、現代人が忘れていけないことはなにか?そんな根本的なテーマをユーモア溢れる素材を交える中で、アンサンブルの演奏に乗せて提唱しているのが、本作だ。変化していくメロディーに寄り添うストーリーを、鏡音レンと重音テトの力強いボーカルが牽引していく。

文/小町 碧音(こまち みお)


 実写の犬や猫や漫画風の擬音<ゴゴゴ>や<ドーン!>などの素材をコラージュしたアニメーションとリアルな風景を織り交ぜたミュージックビデオが、曲名にもなっているサビの冒頭<どうせ狂った世の中だ!>という言葉を鮮烈に描き出しているのが見どころ。

 万華鏡を想起させるサイケデリックな映像で視聴者を幻惑したかと思えば、唐突に挟まれる実写の料理コーナー「sabioくんの美味しいナポリタンの作り方」が、ふっと肩の力を抜いてくれる。このギャップこそが、本作にぬくもりという調味料をひと振りしていると思う。

 クールダウンから徐々に手拍子が加わるパートで熱量を溜め込み、ラスサビで勢いよく解放されるサウンドのスケール感は圧巻だ。すべてを飲み込むほどの巨大な波を音に宿していて映画のエンディングさながらの感動が押し寄せてくる。

 始まりはアニメのオープニング曲を想起させるコミカルなサウンドである一方、最後にかけては、壮大な音の層が連なっていく。そんなドラマティックな展開にグッとくる。

 ポイントは、歌の視点がダイナミックに移り変わっていくビブラートのフレーズ。1番では“僕”が孤独を歌い、2番では“誰か”が歌う。そしてラスサビで歌われるのは“命”そのもの。僕と君が同じ地球に生きているという発見から生まれる喜びと、その命の有限性を受け入れる決意が、輪郭をなぞるように繊細に描かれている。

 <君と僕の歌>というフレーズを、鏡音レンと重音テトがユニゾンで歌い上げるラストで、そのメッセージはより一層力強いものとなる。その広がる響きに息を呑むほかない。想像していた以上に深かった。それはもはや自分だけの世界に収まらない。僕と君の、さらにはこの星に生きるすべての命に向けられた、壮大な賛歌だ。

■information

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