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睡眠薬の副作用に「悪夢」や「金縛り」があるのはどうして? 覚醒を抑える睡眠薬「レンボレキサント(商品名:デエビゴ)」の特徴を薬剤師が解説してみた

 今回紹介したいのは、ニコニコ動画に投稿された『【解説】 「なぜ副作用に『悪夢』があるのか?」 レンボレキサント(デエビゴ)【睡眠薬 全種類解説 #17】』といういわし@超ビビリさんの動画です。

投稿者メッセージ(動画説明文より)

日本で使用することのできる睡眠薬を、全て解説します。全部で20種類です。いいねを押すとプチお薬解説を見ることができます。


 薬学に関する動画を投稿している薬剤師のいわし@超ビビリさんが、睡眠薬の解説シリーズで「レンボレキサント(商品名デエビゴ)」を取り上げました。

 レンボレキサントはオレキシン受容体拮抗薬です。脳を覚醒させるオレキシンという物質が、受容体に結合するのを阻害することで睡眠を促します。眠らせるというより覚醒を抑える薬なので、より自然な睡眠を得られるのだそう。

 似たような薬に2014年発売のスボレキサントがあるのですが、今回のレンボレキサントは2020年発売。後に発売されたということは、勝てる要素があるとのこと。両者の違いからレンボレキサントの特徴を見ていきましょう。

 以下、名前が似ているのでレンボレキサントは商品名のデエビゴスボレキサントは商品名のベルソムラで解説します。

 まず、効き目は新しいデエビゴの方が強く、入眠障害にも中途覚醒にもよく効くとのこと。

 次は半減期について。半減期は体内の薬が半分の量になるまでの時間のことです。これはベルソムラの方が10時間と短く、新しいデエビゴは50時間と長く、数値が大きく異なりますね。

 半減期が長いことは中途覚醒や早朝覚醒に対し有利というメリットがありますが、翌日に眠気が持ち越しやすいというデメリットにもなります。

 続いては他の薬との飲み合わせについて。ベルソムラは肝臓の酵素のCYP3A4で代謝されるため、CYP3A4を強く阻害する薬と一緒に使うことができません。併用禁忌です。

 デエビゴも主にCYP3A4で代謝される薬ですが、他のルートでも代謝されるのでCYP3A4を阻害する薬の影響が比較的少ないのだとか。そのためデエビゴを2.5mgに減量すれば併用可能だそうです。

 併用禁忌の薬が無いのは明確なメリット、といわし@超ビビリさん。眠気を持ち越しやすいという欠点はありますが、デエビゴは全体的にベルソムラより使いやすくなっている印象とのことでした。

 使いやすいというデエビゴですが、代表的な副作用に「悪夢」「金縛り」があります。これはベルソムラにもあるとのこと。

 睡眠には、レム睡眠と浅い睡眠と深い睡眠の3段階の深さがあります。人は眠るときにこの浅い状態と深い状態を繰り返しているのだそうです。もっとも浅いレム睡眠の状態では夢を見て、深い睡眠の時間が長くなるほどぐっすり眠れたという感覚になります。

 睡眠薬には様々なものがありますが、睡眠のどの段階を増やすのかが種類によって違うのだといわし@超ビビリさん。デエビゴのようなオレキシン拮抗薬はレム睡眠を増やし、浅い睡眠を減らし、深い睡眠を増やすのだとか。

 つまりデエビゴは深い睡眠を増やすのでぐっすり感が増しますが、レム睡眠も増やすので夢を見る時間も増えます。悪夢を増やすというよりも、夢の時間が増えることで悪夢を見る可能性が増しているというわけですね。

 次に、金縛りとは目が覚めたのに体が全く動かなくなる体験のことです。本来覚醒していないはずのレム睡眠中に、脳だけ覚醒してしまうことで起こるのだとか。

 覚醒に近いレム睡眠中に起こる体験なので、レム睡眠を増やすオレキシン拮抗薬を飲むと金縛りを起こしやすくなるのだそうです。

 悪夢と金縛りの2点をのぞけば本当に使いやすい薬だというデエビゴ。いわし@超ビビリさんによる解説の詳細に興味を持たれた方はどうぞ動画をご視聴ください。睡眠の深さに与える影響については他の睡眠薬についても説明がありますので、どの薬でどのような睡眠が得られるのかがとてもわかりやすくイメージできます。

視聴者のコメント

・お世話になっております
・これのおかげで悪夢みるけど寝れるからやめられない
・前飲んでたけど悪夢見たことない
・飛行機で地面に衝突する夢を7回連続で見たときは震え上がったね
・だからずっと眠いのか!
・体動かなくなる謎が解けた

▼動画はこちらから視聴できます▼

【解説】 「なぜ副作用に『悪夢』があるのか?」 レンボレキサント(デエビゴ)【睡眠薬 全種類解説 #17】

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