ヘパリン類似物質こと保湿剤の「ヒルドイド」ってどんな薬? そもそものヘパリンの作用や、クリームと油性クリームの違いについて解説してみた
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今回紹介したいのは、ニコニコ動画に投稿された『【解説】『どうして血液凝固阻止剤が保湿剤になるの?!』 ヘパリン類似物質(ヒルドイド) 【宮舞モカのお薬ラジオ #57】』といういわし@超ビビリさんの動画です。
投稿者メッセージ(動画説明文より)
定期的に、1つのお薬を取り上げて詳しく解説する企画です。 いいねを押すとプチお薬解説を見ることができます。

ヘパリン類似物質、商品名ヒルドイドについて薬剤師である投稿者のいわし@超ビビリ(休養中)さんが解説します。


類似物質ということで、まずは元のヘパリンという物質の解説から。ヘパリンは人間の肝臓で作りだされる、主に血液凝固を阻止する物質です。ヘパとはギリシャ語で肝臓の意味なのだとか。


人体が出血したとき、まずはそこに血小板が集まり一次血栓を作ります。次にそこにフィブリンという物質が集まり補強を行うとのこと。

そのフィブリンは、トロンビンという物質により体内でフィブリノーゲンから変換されて作られます。


一方で体内にはアンチトロンビンという、トロンビンを阻害して血液凝固を抑える物質もあります。ただしアンチトロンビンの力はとても弱いのだそう。しかしヘパリンと組むと構造を変化させて強力にトロンビンを阻害できるようになります。
という流れで、ヘパリンは血液凝固を阻止する作用を発揮するのだそうです。

そんなヘパリンはかつて血管が血栓で詰まる「血栓症」の治療に使われていました。

しかし現在はもっと性能の良い薬が多数登場したことから、その役目は終えたとのこと。代わりに血液透析などの管の中における血液凝固を阻止したり、ワルファリンなどの抗凝固薬服用患者の手術前における代替として使われているのだそうです。
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