炎上で世間を騒がせた元議員・上西小百合が「国会議員のなりかた」を語る
面接官「3000万円用意できますか」
土屋:
さきほどの政治塾の話ですが、みんな政治家になりたくて来るんですよね?
上西:
基本的には主婦だとか、会社員の方がいらっしゃるんですがやっぱりどこかに「立候補したいな」という気持ちがあるんですよ。
土屋:
では「立候補したい」と言えば「どうぞどうぞ」ということになるんですか?
上西:
そういうわけではなくて面接があります。
土屋:
面接ってどういうことが聞かれるのですかということで、ある質問に「はい」と言えば面接に通ったそうなんです。
上西:
だからめっちゃ短くて3分くらいでした。
一同:
えぇ~!
土屋:
それがこちら。
一同:
えぇ~!
土屋:
いきなり金なんですね(笑)。
上西:
選挙というのはお金がかかるんですよ。自分でお金を出していろいろな選挙活動をしなきゃいけない。新しくできた党はお金がないので補助も出ません。ですので全額自己負担。それを用意できますか? と。
もっと言ってしまうと選挙は確実に当選できる保証がないので賭けです。
ほっしゃん:
ギャンブルだ。でもこの質問に「はい」って言ったんでしょう?
上西:
言いました。当時29歳です。
西川:
ちなみに前職は何をされていたんですか。
上西:
会社員でした。
西川:
会社員で3000万円!?
上西:
親からのお小遣いとか貯金していたのもあるんですが、会社員になってからお給料で資産運用をしていたんです。ですのでなんとか出すことができました。
土屋:
一番儲かった資産運用は?
上西:
不動産ですね。
ほっしゃん:
きょうは不動産のことを教えてほしいわ(笑)。
土屋:
横粂先生はどうですか。
横粂:
私は言われていないです。新しい政党でお金も人材もない状態です。当時の自民党や民主党は、党から供託金が出ていて国から政党交付金が出ていたんです。
土屋:
どのくらいの額ですか。
横粂:
一人あたり1500万円とか2000万円です。
西川:
大きい!
土屋:
振込ですか?
横粂:
振込ですが派閥の人はドーンと現金を置く人もいます。
一同:
えぇ~!
横粂:
だからこんな大きなバッグを持っていって「ありがとうございます!」って(笑)。
土屋:
あとはもう一つ質問があったそうです。
土屋:
「落ちても大丈夫?」というのは、これはどういうことなのでしょうか。
上西:
選挙というのは、確実に当選するわけじゃない。落ちてしまったあとによくあるのが、「無職になったじゃないか」と文句を言いに行く人がいるんです。ですから「万が一落ちたとしても無職でいいんですね」「生活やっていけますよね」という確認をされるんです。
西川:
落ちればただの無職ですからね。
ミクロマンサンライズ!!!:
それって仕事を辞めてから立候補しないといけないルールはあるんですか。
上西:
法律上は辞める必要はないです。副業も可能なんです。横粂さんだったら弁護士さんですよね。
横粂:
公務員の方は辞めないと立候補できませんが、一般サラリーマンの方はできます。ただ、居辛くなるのが通常なので辞める方が多いです。仕事を抜けるんじゃないかと思われると、先輩からしてみると使いづらい。
土屋:
そしてお金の問題。供託金というものが必要なのですが、この供託金がどういうものなのかを説明しましょう。
西川:
質問です。一票の格差が問題になっていますが、供託金の没収は得票数の割合なのか数値で決まっているのか、どっちですか。
横粂:
供託金没収ラインは選挙区の有効投票総数の10%未満です。1/10を取れないと没収されます。
土屋:
では供託金がいくらなのかというのを見てみましょう。
土屋:
これは重複立候補とかはどうなるんですか。
上西:
党に入っていて、さらに比例名簿に載せる場合は600万円です。あまり勝てない見込みの人は選挙は遊びじゃないので出てはいけないということです。
土屋:
赤坂なんとかさんは毎回出してるんでしょう? お金を持っているということなんですかね。
横粂:
それ以上のCM効果があるということじゃないですか。
一同:
あぁ~!
横粂:
300万円は高いと言われるのですが、実はこれで得られるのがテレビやラジオの政見放送、そして新聞の枠も買えるので、実は2~3000万円の効果があると言われています。落ちるのが前提で出ると国費の無駄遣いです。
ミクロマンサンライズ!!!:
パッと見て、それが目的だという人はすぐにわかるんですか?
上西:
わかりますよ(笑)。選挙にあまりお金をかかていないだとか、奇抜なことをやるとかそういう売名行為という人は多いです。
選挙事務所を借りるのも一苦労
土屋:
選挙は他にもお金がかかります。リストにまとめました。こちらです。
土屋:
選挙事務所の家賃はどうするんですか。2週間だけですよね?
上西:
そうなんですよね。そんなに費用はかからないのかなと思われる方が多いのですが全然違うんです。衆議院選挙の場合はパッと「解散」と言われたら、前もって用意できないじゃないですか。
しかも人目のつくところに事務所を構えないといけないんですよ。大通りや駅前などいろいろな条件があるんです。
西川:
空きテナントもなかなかないですよね。
上西:
そうなんです。しかも貸す側も選挙事務所は嫌だなと思われる方が結構多いんです。
西川:
景観とかも厳しいところもありますよね。
横粂:
選挙の色がつくのを嫌われますね。落下傘候補者ですと借りるのが一番大変です。対抗馬を応援している方ですので、「これいいな」と思って行ってもお金を出してもだめなんです。
上西:
選挙の色がつくのが嫌だとか、あるいは落選したら縁起が悪いとかいろいろあるんですよ。そうするとすごく高くなります。礼金が思いの外めっちゃ高いです。
横粂:
逆に支援者の人ですと、礼金を0円にしたら寄付なるのでだめですが、最小限にしてくれます。
土屋:
そして選挙カーのレンタル費が想像以上ですね。こちらです。
一同:
高い!
土屋:
ちなみに都内にある外車のレンタカー屋で高級車のメルセデス・ベンツを2週間借りると95万円ですので、ベンツより高いです。なんでこんなに高いんですか。
上西:
選挙期間中しか借りない特別仕様車というのもあります。ただ個人的にはガラス張りの車というのは、あまり知名度がない人が乗ったら……バカみたいじゃないですかね(笑)。
土屋:
ちなみに横粂さんはどれに乗ったんですか?
横粂:
軽車両です。つまり自転車です。
西川:
見た! のぼりを持ってた!
横粂:
選挙カーなしなので0円です。
西川:
あれは印象よかったですよね。
横粂:
電動ギアすらないママチャリでした。
土屋:
続いて立候補したときの実際のポスターを見てみましょう。
西川:
ちょっとアレだね……いろいろな情報が多すぎる(笑)。
横粂:
おっしゃる通りです(笑)。私は無所属なので色がない。政策もないので、情報を見てもらう必要がありました。文字をなるべく多く見えないように作ってもらったんです。本当はシンプルなほうがいいんですけれどね。
土屋:
一枚作る費用はどれくらいかかるんですか。
横粂:
印刷所によりますが500円から1000円くらい。
土屋:
一枚で!?
横粂:
衆議院選挙だと500箇所くらい。東京選挙区参議院のときは14000箇所くらいあります。その枚数だけだと破られたり紛失すると困るので余裕を持って刷ります。
上西:
私のはサイズが大きいので1枚2000円~3000円くらいします。
上西:
なぜかと言うと外にずっと貼りっぱなしなんです。なので日焼けをしない、水に強い、剥がれない。
ほっしゃん:
雨風に強いんだ!
上西:
選挙直前になるとこの紙を仕入れないといけない。候補者がこの紙を取り合って、またどんどん値段が上がっていくんです。
西川:
逆に選挙の時期にすごく儲かっているところもあるということなんですね。
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