『進め!電波少年』土屋Pが語る“視聴率30%番組の作り方”「奇跡を起こすテレビ番組は今でも30%取るんだよね」
萩本さんの語る“運”について
松崎:
映画を観ていて思ったのですが、映画の中で萩本さんは「運」という言葉をよく使っていました。子供の頃に何かの番組のオーディションのときに、じゃんけんに勝った子は運があるからということで、じゃんけんで決めたという話がありました。
土屋:
『欽きらリン530!! 』という番組をやっていたときに、視聴率が取れなかった。そのときにどうしたかっていうと、スタッフ、欽ちゃんをはじめ出演者50人くらいで「この中に運がないやつが二人いる」ということで、あみだくじをやった。そいつは運が悪いから、数字が上がるまでちょっと休んでくれって。それで作家の見習いの女の子と照明のスタッフが外された。
スタッフ:
この中にすごく幸せなやつがいると、数字が取れないというのもあって、結婚した人とかはそれを隠したりしていました。
土屋:
そう。一人ずつ「最近幸せなこと、あったか?」って聞いていって、ディレクターが「最近マンションを買いました」っていったら、「鍵をかせ」っていわれて、その鍵を窓から投げられたそうです(笑)。
池田:
怖い怖い(笑)!
土屋:
怖いよね(笑)。でもそんなことばっかりだよ(笑)。だいたい視聴率を取るということが理屈がないじゃない。そんなものがあったらフジテレビは苦しんでいないよ(笑)。
コメディアンの裏側を残そうと思った
スタッフ:
テレビの数字の価値が変わってきたんじゃないかというときに、このドキュメンタリーは土屋さんの中で、テレビへの愛を今後も貫くというものなのですか。
土屋:
テレビへの愛というよりも、本当に楽しませたいとか、笑わせたいというのはある種、命をかけるに値するものなんです。
スタッフ:
ものづくりがジャンルにこだわる時代ではなくなってきているということを、土屋さんがいってくれたのかなと。ちょっと面白いなと思いました。
中井:
欽ちゃんは、きっとこの作品をご覧になって思ったことがあると思うのですが……。
土屋:
ご覧になっていないんだよ(笑)。
一同:
え~!?
中井:
なぜ!?
土屋:
恥ずかしいから(笑)。どこを使われているか、たまったもんじゃないって。だから一生観ないと思いますよ。よく映画を公開させたなと思いますよ。
中井:
自意識なんですかね。
土屋:
浅草の人だから、「コメディアンは裏を見せるものじゃない」というのが基本的なスタンスだし、偉そうにしているところを見せたくないみたいなんです。でも、やっぱり見たいのはそこじゃないですか。だから俺は怒られることを覚悟で、そこを残そうと思ったんですよね。
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