「北朝鮮には対話でなく圧力を」「核ミサイルにつぎ込む資金を根絶やしに」河野外務大臣が“北朝鮮の非核化”に向けた計画を語る
参議院の山本一太議員が司会を務める『山本一太の直滑降ストリーム』に、河野太郎外務大臣がゲストとして登場しました。
8月3日の内閣改造で外務大臣に就任されてから東南アジア諸国連合(以下、ASEAN)との外相会議に参加した後、日米安全保障協議委員会(以下、2プラス2)会合に出席するなど多忙な河野大臣。
日本海に短距離ミサイルを発射するなど、挑発行為をやめない北朝鮮に対してどう圧力をかけていくのか、アメリカや中国との外交についても語っていただきました。
北朝鮮がグアムにミサイルを撃ってきたら? 米国防長官の回答は……
山本:
いま永田町で最も旬の人物のひとりで30年来の盟友、河野太郎外務大臣をお迎えしています。
河野:
どうもお邪魔します。
山本:
外務大臣って言いにくいね。このあいだテレビで河野外務大臣じゃなくて太郎って呼んじゃったよ(笑)。
河野:
(笑)
山本:
いやほんとに外務大臣就任おめでとうございます。2プラス2から一昨日帰ってきた?
河野:
一昨日帰ってきて昨日総理に報告してきました。
山本:
河野外務大臣は2プラス2から帰ってきて初めてのメディア出演ということで(笑)。
河野:
今日は1曲歌えるのを楽しみにきました(笑)。
山本:
やめて(笑)。前回1曲歌ってうちの番組を破壊して帰っていったじゃない(笑)!
山本:
読売新聞の一面の2プラス2の写真なんですけど。ティラーソン国務長官とマティス国防長官、河野外務大臣と小野寺防衛大臣、太郎ちゃんと五典さん(笑)。新しい時代を感じますよね。日本側のほうが若くて50代じゃない?
この4人の写真は、私にとって歴史に残る写真でした。ふたりの印象はどうでした? ティラーソン国務長官はどっしりした安定感のある方でしょう?
河野:
安定感のある方ですね。大企業のトップをやっていたという感じの安定感のある方でしたね。マティス国防長官も安定した軍人という感じでした。すごかったのが記者会見を4人でやるんですけど、質問で「北朝鮮がグアムにミサイル撃ってきたらどうするんだ?」と質問されたら、「撃ち落とす」と答えて、それで終わりっていう(笑)。
山本:
かっこいい(笑)。
「中国は大国としての振る舞いを身につけてもらわないと困る」河野外相は冷静によく言った!
山本:
ASEAN外相会談ですけど、これまでも報道されていますが中国の王毅外相が会うなり「あなたには失望した」と言ったじゃない? これはどういうことかというと前の会談で河野外務大臣が中国に対して、相当耳の痛いことを言ったんですよね。そこらへんのお話を聞かせてください。
河野:
ASEANについてはいくつかテーマがあったんですが、日本が強調していることのひとつは北朝鮮問題です。対話ではなく圧力を最大限にかけなければいけない時期で国連決議の経済制裁を全面的に厳格に行わなくてはならない、ということですね。
実は中国が北朝鮮から石炭を買わなくなったことで、今は北朝鮮の石炭は東南アジアに売られているんじゃないか、という話があります。あるいはASEANの国が北朝鮮と何かやってるんじゃないか、という情報が入っています。なので、ASEANの国々も他人事じゃない、ミサイルの射程に入ってるんだから北朝鮮に対してびしっと言わなきゃいけないと申しました。
もうひとつは南シナ海を開かれた海にしなければならない、という話をかなりしました。それに対してベトナムは「日本がよく言った」と言ってくれました。
山本:
はい、報道で見ました。
河野:
中国はベトナムとの外相会談をキャンセルしていましたから。そのあとで、日中外相会談になって、王毅さんが最初に色々おっしゃったんで……。いやいや、中国は経済的に存在感が大きくなったんだから大国としての振る舞いを身につけてもらわないと困る、と言ったら向こうは、「あれー(笑)?」みたいな感じでしたけどね。
山本:
なるほど、表面的に見ると河野外務大臣が遠慮しながらおとなしく言ったみたいに思われているけど、その前に中国を怒らせるようなことを散々言ってますからね。私は良かったと思いますけどね。王毅外相はベテランでいろいろ感情的な計算を持って発言したのかもしれないけれども……「あなたにはガッカリした」というジャブを打ってくる。
その時に河野外務大臣があくまでも礼節をもって中国は大国としての振る舞いをしてくださいとおっしゃった。河野外務大臣の振る舞いのほうがずっと良かったと思います。別に友達だから言うわけじゃないですけど(笑)!
河野:
王毅さんは駐日大使でいらしたときに初めてお目にかかって、そこからの長い付き合いですから、ある程度他の外務大臣よりは、どんな方かわかっていたんですけど、それでも発言にはちょっとびっくりしました。
山本:
そんな形で最初の外遊があったわけですね。外務大臣になってすぐこれだから、バタバタでしたね。
河野:
バタバタでした。大臣になってから3日目ですから。天皇陛下から認承されて戻ってきて、みんなモーニングを着て初めて閣議をやるわけですけど、初めての議題が「外務大臣はマニラに出張します」っていう。あーそうなのか、という気持ちでした(笑)。
山本:
中国に戻るとね。中国って国際会議であえて感情的なことを言ったりするから。河野外務大臣が外務大臣になる前に行かれたシャングリラダイアローグ(アジア安全保障会議)で安倍総理のことを安倍って呼び捨てにしたりして、それを記者が記事にしたら消えてたりなんてことがあったけど。そういう感情的な対応に対して、感情的になるよりは河野大臣みたいに丁寧に切り返すほうがずっといいと思います。
河野:
マニラで僕もティーラソン国務長官も同じ認識だったのは、中国が相当根回しをしていたというのがありますね。中国の影響力が大きくなっている、加えて中国が緻密にASEAN諸国を回っています。それが議長声明のところで北朝鮮と南シナ海のことをどう書くか、という点でした。それについては北朝鮮のところはきちっと取れたと思います。南シナ海のあたりはだいぶ中国が細かくいろんなことを言ったんだろうと思いますね。
山本:
2年前ぐらいに安倍総理がASEANを周ってオバマ元大統領とかなり連携して強い声明を入れたけれど、その時も中国とのせめぎあいがありましたよね。
河野:
身をもって中国の影響力を感じましたね。