「東京都議会選挙」公約のポイントは豊洲移転、東京五輪、9条改正、それとも……? 各政党のニコ生での公約・マニフェスト発表まとめ
7月2日に投開票となる東京都議会選挙に先駆け、ニコニコ生放送にて各政党に、公約・マニフェストを発表して頂きました。
■公約・マニフェスト発表順(※敬称略)
都民ファーストの会
東京・生活者ネットワーク
日本共産党
日本維新の会
自由民主党
公明党
民進党
都民ファーストの会
■発表者
伊藤悠(都民ファーストの会幹事長代行・目黒区)
伊藤:
こんばんは。ニコニコ生放送をご覧のみなさま、はじめまして。都民ファーストの会の伊藤悠と申します。今、幹事長補佐という役割を担わせていただいていますので、今日は都民ファーストの会を代表しまして、都民ファーストの会の公約を皆さんに解説をさせていただきたいという風に思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
既に都民ファーストの会の政策をチラシにまとめさせていただき、中には手にとって頂いている方もいらっしゃるかも知れません。このチラシの表紙には、古い都議会を新しくする、このことをテーマに掲げさせていただいてます。この古い都議会とは何なのかということについて、まず少しお話をさせていただきたいと思います。
伊藤:
既に都議会については去年の小池知事誕生以来、都議会の中の様子、今まではわからなかったというものが随分テレビを通じて皆様に届いたことと思います。私たちはこの都議会を古いもの、または忖度のものというふうに捉えさせて頂いています。
特に、これまで議会の委員会の質疑などにおいては、都庁の職員の皆様に質問原稿を作ってもらっている議員、あるいはそもそも答弁も最初に委員会が始まる前に職員の方に事前に貰って、事実上委員会の質疑はそれを読み合わせるだけというような質疑がこれまでずっと続いてきました。
これを私たちは、一種学芸会のような東京都議会だったと捉えています。それをまさに古い都議会、そしてこれからの都議会のことを真剣勝負の質疑の出来る都議会に改めていきたいと考えているところです。
そしてもうひとつ、議会で最も大事なことは委員会の質疑や本会議の質疑ですが、もうひとつは議会の権能、これは仕事として、議員提案条例というものを本来は作ることが出来ます。
しかしながらこの25年間でですね、東京都以下において議員提案条例、何本できたか皆さんご存知でしょうか? 実は1本しかありませんでした。この1本も6年前に省エネ条例ということで、1議席差でかろうじて通過をした、成立をした条例案であり、これも都議会自民党から出てきたものではありません。そういう意味ではこれまで最大勢力を長く誇ってきた都議会自民党からは、この25年間で1本も政策的な議員提案条例が出てきてはいません。私たちは都議会を健全化する、そして提案できる都議会を作るということを主眼に14本の議員提案条例を今回の公約集の中で織り込ませていただきました。そのひとつひとつ全部をご説明しますと時間が無くなりますので、いくつかご紹介をさせていただきたいというふうに思っております。
今回こちらのパネルの中に書かせていただいた物がそのひとつになりますけれども、その中に「利権を一掃します」ということを書かせていただきました。
都議会には多くの利権があるのではないか、こう思われている都民の皆様も少なくないと思います。そこでこちらに書いてあります通り、口利き、特に不当な口利きを禁止する条例、これも議員提案条例で私たちは提案をさせて頂きたいと思います。
具体的にはどういうことかと申しますと、現在都議会の中でさまざまな形で地元から上がってきた陳情事などが委員会で提案される、これは極めて健全なこと思います。しかし時に不健全なのは、見える所、委員会や本会議での陳情ではなくて、水面下で議員と役所の職員の接触の中でさまざまな要望事項というものが実現したりする事がございます。ここに不当なものがないかどうか後で検証出来る仕組み、これを「メモ化をして残す」ということでやりますし、またメモ化したものを随時公表していくことによって不当な口利きを抑止していくということを私たちは提案をさせて頂いております。
そして1回その前提をお話させていただきたいんですが、その前提として議員の意識を変えていきたいというふうに思っています。ここは議員提案条例ではありませんが一番奥の側になると思いますけれど、この忖度だらけの古い都議会を変えるためにも、私たちは公用車の廃止というのを訴えさせて頂きました。これは最初の都民ファーストの会の公約です。
これは今現在、都議会の中には22台の都議会議員用の公用車が所有をされていますけども、この22台の公用車の中でもとりわけて議員の方々が自由に乗り回せる公用車がたくさんあります。これは税金の無駄遣いという観点からも無くしていこうという話ですけれども、それだけではなくて30代とか40代とか若いうちに、この公用車を乗り放題で乗り回しているうちに確実に勘違いを起こします。自分は偉いとか、あるいは自分は庶民ではないとか、そうした勘違いを起こしやすいこういう公用車をまず無くしていって、そして多くの都民の皆様と同じ目線で物が見れるように、こうしたことを改善していくためにもまず公用車の廃止というものを謳わせて頂いてます。それでは更に私どもが掲げさせていただいている議員提案条例、いくつかご紹介をさせていただきたいと思います。
伊藤:
はい、こちらの方に「待機児童対策を加速します」というスローガンが書かれているかと思います。さらには都民ファーストの会の公約として「待機児童解消条例をつくります」ということを掲げさせていただいているかと思います。
この待機児童解消条例とは一体何か、これも議員提案条例になるんですけれども、実はこれまで待機児童はなかなか解消してこなかったひとつの背景に、多くの議員さんたちが掛け声だけで終わってしまっていたという側面があります。実は待機小学生という言葉は無いわけでして、小学校は必ず足りている。これは何故かといえば小学校は、義務教育という法の中で必ず各自治体は子供の数だけ小学校をつくらなければならない、こういうふうになっています。
しかし一方で保育園の方はどうかといいますと、つくらなければならないといったような条例、法律というのはありません。そういう意味で各自治体の現在は一種の努力目標になっているわけであります。そこでこの待機児童解消条例をつくり、この中に待機児童解消、つまりは保育園を増設していくために具体的に必要な内容というものを盛り込ませていただき、そしてそこに専門家、また保育士のみなさん、あるいは業者のみなさんの声を参考の形で住民参加していただいて議会の中で議論をし、そして成案をつくっていきたいというふうに考えています。
そしてその次に基本政策05の「教育の機会を増やし、質を高めます」ということを書かせていただいていますが、その手段として学び舎作り推進条例をつくりますと書かせて頂きました。
現在家庭に占める三大支出の大きな大きなひとつがこの教育費です。私もそうですけれども、3人目4人目子供をつくりたくてもなかなか躊躇する、そのひとつの大きな理由として例えば塾代があったりするかと思います。特に東京の場合はかなりこの塾代が高額になります。そのために3人目4人目躊躇するという事は非常に不幸なことだと思っていまして、この問題を何とか解決していきたい。そのためには所謂公立の、区立や市立の小中学校の教育レベルを上げていくということです。
それもどういう上げ方かと言えば、一番お父さんやお母さんが公教育対して不安を持っているのは、本当に自分の子供達が希望の進学を遂げられるのかという事です。そういう意味ではこの公教育、学校の中の空き教室、例えば放課後の空き教室等を使いまして進学塾の指導の先生などに来ていただく等ですね。進学塾におけるスキルというものを例えばこの学校の中に取り入れていく仕組みが出来ないだろうかということを検討して行きたいというふうに考えています。あるいは地域の大学生の方々に補講クラスを作って頂く。しかし今のルールだけでは公的な学校というものを私的な教育スペースにはなかなか転用しづらい仕組みになっています。そういう意味で学び舎作り推進条例を作らせていただき、こうした活用を検討していきたいというふうに考えているところです。
伊藤:
次にオリンピック・パラリンピックを成功へ導くという題が書かれています。記録と記憶を残し、負の遺産を残さない大会にします。ということも書かせていただいていますが、この目的のために大事なことは、不透明な経費をガラス張りにして組織委員会の無駄遣いを防ぎますということであります。特に国立競技場のことであったり、また都が作る三施設のことであったり、そもそもの見積もりより、大幅に経費が膨らんでいるということについては、多くの都民のみなさんもご存知のことと思います。
そこに至った背景として、議会のチェック機能が弱かったのではないかと、こう思われていらっしゃっているのではないかと思います。私たちもそう認識をし、東京五輪経費透明化条例をつくっていこうということを定めさせていただきました。
この条例で目指すところは何かと言いますと、現在、この五輪経費については東京都議会においても、すべてを解明できるかと言いますと、開示できる文書に制限があったりします。この開示できる文書の制限を限りなく拡大をしていく、そして公表をしていただく、これは関係者のご理解もいただく必要がございます。そういう意味では、どこまでの経費というのをしっかり出していただけるのか、入札経過調書などもしっかり出していただくということを、この条例案の中にしっかり書き込むことによって、透明化を図っていきたいとこう思っているところでございます。
伊藤:
他にもいくつか条例案がありますけれど、ぜひチラシなどをご覧いただければと思います。
そして先般、小池知事から発表がございました、基本政策の13の中に書かせて頂いております「築地市場のブランド力を守り、豊洲市場を物流拠点として活用します」という公約でございます。
これはすでに記者会見で知事からも発表がありましたので、皆さんもご存知のとおりかと思いますが、豊洲市場には5800億円を投じながらも、行政、議会が求めた環境基準以下の約束はまだ果たされておりません。さらに毎年約100億円もの赤字発生が懸念されているため、これまでの市場計画をしっかり見直しさせて頂きます。築地市場のブランド力を守って、追加対策を講じた上で、豊洲市場を物流拠点として活用するということでございます。
特に知事からも記者会見であったように、子供に付けを残さない、持続可能な市場全体というのを、これからも改めて追求していくということでありますので、今後最適化を図るために私たちも、知恵を絞って、検討に検討を重ねていきたいという風に考えております。
伊藤:
そしてもう1点、大きな都民ファーストの会の公約を発表したいと思います。こちらが先般小池知事からも発表させていただきましたけれども、「スモークフリー社会を実現する」ということでございます。
すでに東京はオリンピックの開催都市として決定をされております。今IOC世界オリンピック委員会からも、こういったスモークフリー社会というのが求められております。にも関わらず、まだ開催予定都市のこの東京において、充分にスモークフリーのルール設定がされているとは言い難い状態にあります。
そこで、みせかけではない真の受動喫煙防止条例を作ります。これには「罰則をつけさせていただきます」ということを盛り込ませていただきました。特にこの一覧表でご覧いただけるように、厚生労働省案と都民ファースト案は極めて近いものになっています。
一方で、自民党案といわれる煙草議連案は、ここ白になっているところがそうですけども、対象外であったり、あるいは表示義務のみ、特に対象にすべきは飲食店になってまいります。飲食店で、表示義務のみということになりますと、ほとんど実効性がないと言われても仕方がないと思います。
私どもの案の中では、屋内は全面的に禁煙とさせていただきます。しかし厚生労働省案との違いはですね、これは広さでなくて、働く人たちの同意があるかどうかで、計らせていただくということであります。従業員のみなさんの同意を求めて、同意があるならば、それは一部お認めをさせて頂きますけども、同意がないというものについては、これは認めないというような、条例を作らせて頂くということでございます。よろしくお願いいたします。