アニメ評論家さん達『ボールルームへようこそ』をべた褒めする。「テレビでこんなものを見られるなんて感動!」
「最終回にこだわらない」「大量生産」アニメの好景気がもたらした影響
藤津:
僕なんかアニメを3話くらいまで見て、最終回を予測するのが好きです。「これがクリアされたら終わるのかな?」とか。
サンキュータツオ:
なるほど。だから「どういうことをしたらこの人の成長物語になるのか?」ということですね。
藤津:
そうですね。「これが成長物語なのだな」というならば、『ボールルームへようこそ』は少なくとも原作はまだ続いています。主人公の「ダンスをやっていて良かった」とかダンスをやっている意味というものを、アニメ版だと作ったほうが最終回らしくなるよな……とか。
サンキュータツオ:
これがまた難しい。
国井:
確かに。あんまり綺麗に終わりすぎると、原作のファンが離れてしまうというのもありますから。
藤津:
そうなんだね。
サンキュータツオ:
あと、2期目はどうするんだ? みたいな。
スタッフ:
勝手に終わらせるわけにはいかないよね。
藤津:
その辺は、いろんな大人の都合も含めて見所だなと思っていますけど、どこかで「このシリーズではこの子のここを描きたかった」というのがあればいいなと思います。
スタッフ:
実際、最終回らしい最終回って減っていますから。
国井:
僕も思います。
サンキュータツオ:
そうなんだよね。それはしょうがないことなんですけどね。
藤津:
それは、『アニメ産業レポート』という2016年のアニメ周りや経済周りのレポートに携わっている日本動画協会と話をしたんですけど、アニメ業界で初の2兆円超えがあったそうです。
それはいろんなエンドユーザーがアニメに関係するものに支払ったからです。パチンコホールがアニメのキャラのパチンコを導入したことの売上も入っているような数字なんですけど、トータルで2兆円を超えたんですよね。
これは昨年より少し伸びていて、やはりキャラクターの供給源としてのアニメと、キャラクタープラス世界観の供給源としてのアニメというのがあって、最終回はそんなに求められていないんですよね。
そこにずっとあることが大事だったりするんです。
サンキュータツオ:
結局、WOWOWは加入制度で毎月の月額料金でマネタイズができるからいいですけど、地上波とかで放送しているアニメというのは基本は無料のものですから。だからそこに「もっとこうしろ、ああしろ」というほうがおかしい。
あくまであれは宣伝じゃないといけない。
藤津:
まぁ、そうですね。
サンキュータツオ:
だからパッケージを買うとか、キャラクターグッズを買ったり、CDを買うとか。それの売上額が2兆円。
その2兆円という額は、中国で11月11日に「独身の日」というのがあるのですが、その日に数時間で中国人が使ったお金と一緒ですね(笑)。
国井:
2兆円って、大きいのか小さいのか……(笑)。
サンキュータツオ:
2兆円は1万円札を縦に並べていって、1万メートルらしいですね。富士山より高く積み上がるんですよ。
スタッフ:
セブン-イレブンの年間の売上が4兆円くらいでしょう。
サンキュータツオ:
じゃあ、その半分なんだ。
スタッフ:
それでもすごい話ですよね、2兆円は。
藤津:
そりゃ大きいです。だから良くも悪くもアニメの本数が減らないわけですよね。
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